インボイスの準備でコケた話
皆さんこんにちは。
少し前に日経で流れていた内容で、職業への影響を示したものがありました。
その中で、過去と現在の大きな変化が目に止まりました。
過去、2013年頃は、まだAIが一般には騒がれていなかったのですが、当時は「機械化の影響」を予想したもので、次の表のようなものでした。
少し過去を振り返りながら見てみましょう。
「雇用の未来」(2013年発表)で示された
機械化の影響を受けにくい職業と受けやすい職業(抜粋)
●機械化の影響を受けにくい職業 | ●機械化の影響を受けやすい職業 |
---|---|
作業療法士 | 電話販売員 |
医療ソーシャルワーカー | 手縫いの仕立て屋 |
栄養士 | 時計修理工 |
振付師 | データ入力作業員 |
セールスエンジニア | 保険金請求、契約代行 |
内科医・外科医 | ローンの融資担当者 |
心理学者 | スポーツの審判 |
歯科医 | 銀行窓口 |
小学校教師 | 荷物の発送・受け取り係 |
メンタルヘルスカウンセラー など | 金属加工 など |
出典:"The future of employment"をもとに作成
この中で「時計修理工」については、少し(?)な気がしました。
時計は種類も豊富で千差万別な精密機械です。
趣向品に留まらず、手作りの高額商品などは投資商品としても利用されることから、安価で決まった規格の物のみ対応というのなら理解は出来ますが、広い種類に対応するのは相当ハードルが高いと考えられます。
特にこの年代は、まだAIの実現までに時間が掛かると考えられていたのですから。
つまり言い換えれば、安価なテンプレみたいな時計は修理も自動化される可能性があり、対象が高級品の場合は、従来どおり一流の時計職人が行うということではないでしょうか?
「GPTs are GPTs」(2023年発表)で示された
AIの影響を受けにくい職業と受けやすい職業(抜粋)
●AIの影響を受けにくい職業 | ●AIの影響を受けやすい職業 |
---|---|
アスリート | 通訳・翻訳家 |
料理人 | 詩人、作詞家、クリエイティブライター |
トリマー | 税理士 |
バーテンダー | 記者・ジャーナリスト |
食器洗い | 公認会計士 |
掘削作業員 | エンジニア |
大工 | グラフィックデザイナー |
屋根職人 | 投資ファンドマネージャー |
バイクメカニック | 保険鑑定人 |
金属加工 など | 気候変動アナリスト など |
出典:"GPTs are GPTs"をもとに作成
2013年を踏まえて2023年を見ると、「エンジニア」は一般的なものはAIに奪われていくのでしょうが、上級エンジニアは変わらず需要があると考えられます。
ただ「エンジニア」とは広義の意味のため、これをプログラマーに焦点を当てて考えれば、昨今学校教育で始まったプログラミング教育についても、相対的にはあまり意味のないものになってしまう可能性が高くなります。
生き残れるのが優秀な上級エンジニアに限定されるのであれば、今の学校教育が行っているのは、広く浅く知識を広める取り組みのため、あまり意味がないとも言えます。
これは、一部の優秀な人を輩出する土壌作りとも捉えられるのですが、全く別の言い方をすれば、荒野でダイアモンド数個を探すような希有なイメージとも言えます。
正直なところ、未来はAIが多くの仕事をこなせるようになると考えられているため、本気で将来を見据えるなら、果たしてこの教育は妥当なものなのだろうか?と、少し懐疑的で微妙な気持ちになります。
何故ここまで辛辣な意見なのかと言えば、先の"GPTs are GPTs"によれば、仕事の総量が変わらない場合、約33%の人が職を失うリスクがあることが考察されているからです。
過去の歴史を振り返れば、恐らくそのような事態になる確率の方が高く、「AIの影響を受けにくい職業」にも需要低下や市場縮小など、大きな影響があることは安易に予想されます。
少し含みのある意味で、アダム・スミスの賞味期限はとっくに終わっていると考えていますが、今後の社会システムの大幅な変革があったとしても、民主主義が継続されることは切に望んでいます。
このようなコラムが、少しでも皆さんのお役に立てば幸いです。