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“研修のための研修”ではなく、現場で役に立つ研修を

元CAがお伝えする接客・ビジネスマナーのプロ

浪越あゆみ

浪越 あゆみ(なみこし・あゆみ)さん
どのような研修を行うのかを、事前に担当者と細かく打ち合わせる

#chapter1

客室乗務員としての経験を、より多くの人のために伝えたい

 社会人になると、多くの人が就職先の会社で新人研修を受け、そこでは仕事の内容に関する説明から立ち居振る舞いや考え方など、社会人としてふさわしい教養を得ることができます。社員一人一人のマナーが悪ければ、すなわち会社全体としての印象も悪くなりかねませんから、業務内容だけでなくマナーについての研修を取り入れることも、よりよい企業を目指そうとしている会社にとって当然の流れだといえます。
浪越さんの仕事は、企業や個人にマナーをレッスンするマナーアドバイザーです。前職である航空会社の客室乗務員として身につけたマナーの知識を活用し、それを広く伝えるために徳島市や高松市、松山市を行き来する忙しい日々を送っています。「航空会社を退職後すぐに徳島へ嫁ぎ、出産してしばらくは専業主婦をしていました。幸せな生活を送りながらも、活躍している同期や空を飛ぶ飛行機を見るたびに『これから先の人生を子育てだけで終わるのかな…』という、寂しさや葛藤を感じていたのも事実です。そんな時にマナーを仕事にされている方々の本を読んで、最初は自分を磨くために改めてマナーについて勉強しようと思い立ったのです。それが次第に『私も今まで学んできたことを、もっと多くの人のために役立てたい』と思うようになり、改めてマナーアドバイザーの資格を取るための勉強を始めました。もちろん人に教えるためには資格が必要ですが、仕事を通じて私自身も勉強し、常に経験を積んでいくことも大切にしたいと思っています」。

#chapter2

始まりと終わりで変わる挨拶から、研修の手応えを感じる

 浪越さんの研修には、決まり切ったマニュアルは存在していません。「大きな会社に所属していると、会社が決めたマニュアルに沿って研修していかなければなりません。その点、私は個人で行っておりますので、相手の担当者とどんな研修が必要なのかをしっかりと打ち合わせして、その内容を反映したマニュアルをその都度作成しています。言葉にするのは難しいのですが、“研修すること”が目的なのではなく、“実践できる研修”であることをモットーとしています」。実際の業務でどのようなマナーが必要とされているのか。浪越さんはそこに焦点を合わせて、お茶の出し方、エレベーターでの見送り方など、細かくポイントを絞った研修を実施しているそうです。
 「特に心がけているのが挨拶です。初回の研修で全員が『よろしくお願いします』と完璧な挨拶ができる企業は、今まで見てきた中にはありませんでした。ですから例え1回だけの研修でも、その成果として『始まりと終わりの挨拶を変えてみせる』のは、私の中で大きなテーマになっています」。迷いのない表情で、浪越さんはそう話します。「そのためには、自分から学びたいと思える研修であることも必要です。個人の性格に合わせた指導の仕方もそうですし、私の場合は研修内容をいくつかのステップに区切って、区切りごとにテストを行っています。だから同じ内容の研修でも先に卒業できる人やなかなか先に進めない人もいて、自然と競争心を持って頂けるように工夫しています」。

自分から「学びたい」と思わせるレッスンの風景

#chapter3

個人を対象にしたマナーレッスンにも対応

 毎年3月から5月は、浪越さんのもとに数多くの新人研修の依頼が舞い込んできます。新社会人を相手にする中で、浪越さん自身にも気づかされることが多々あるといいます。「私達の世代が常識だと思っていることが、10代や20代の若い世代には通用しないこともあります。興味のない話には返事や相づちが返ってこないのは、世代によるコミュニケーションの大きな違いを感じます。初対面の相手に敬語を使うなど、話し方の常識もそうですね。研修に限ったことではありませんが食事や買い物に出かけた雰囲気の良いお店で、若い店員さんからフランクすぎる口調で話しかけられると残念な気持ちになりますね。距離感が近いのは良いことだと思いますが、それも時と場合をわきまえて使い分ける必要があると思います。教えている内容が相手の頭に入っているかを確認するために、研修中は一人一人の表情をしっかりと観察するようにしています」。
 また、浪越さんのレッスンは、企業だけでなく個人でも受けることが可能です。3〜4人の女性グループを対象に、食事でのマナーや結婚式の服装などを要望に応じて分かりやすく教えてもらえるほか、小学生を対象にしたマナーレッスンや作文教室も実施しています。企業であっても個人であっても、相手が学びたいと思っていることに即したレッスンを行うという浪越さんのスタイルは変わりません。相手に良い印象を与られるマナーを身につけることで自分を磨く、そのすばらしさは、いきいきとした浪越さんの表情からもしっかりと伝わってきます。

(取材年月:2014年5月)

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専門家プロフィール

浪越あゆみ

元CAがお伝えする接客・ビジネスマナーのプロ

浪越あゆみプロ

マナー講師

マナーアドバイザー

元CAの経験・12年の研修講師の経験から即実践できる研修内容が強みです。企業の業務内容や方針によって望まれる研修の内容は変わってきます。ヒアリングを徹底して、今本当に必要な研修をご提案させて頂きます。

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