盆提灯について
仏壇の由来 ― 祈りのかたちが生まれたとき
仏壇は、いつ頃から日本の家々に置かれるようになったのでしょうか。
その起源は『日本書紀』の天武天皇十四年(西暦685年)にまでさかのぼります。
そこには「諸国に、家ごとに仏舎を作り、仏像および経を置きて礼拝供養せよ」と記されています。
これが、寺院とは別に、**家庭で仏をまつる「仏壇」**のはじまりとされる最古の記述です。
厨子(ずし)から生まれた家庭の祈り
もともと、仏像や経典を納める「厨子(ずし)」は、厚板で囲われた箱型の構造に扉をつけたものです。
災害や引っ越しの際にも持ち運びができるため、信仰の対象を守り続けるための智慧が詰まった形でした。
やがてこの可動式の厨子が家庭に普及し、「厨子型仏壇」として現代の仏壇の原型となっていきました。
美しい造形と祈りの空間
観音開きの扉を持つ仏壇は、左右に八の字に開くことで、まるで舞台の幕が広がるような奥行きを生み出します。
幾重にも重なる内部の段や袖壁は、人の心を“無限の彼岸”へと誘う結界のようでもあります。
それは、目に見えない教えを“形”にした、日本人の信仰美の表れです。
仏壇は「こころの別荘」
仏壇の前に座り、静かに手を合わせるとき――
私たちは自分のこころを見つめ、亡き家族やご先祖と語り合う時間を持ちます。
そこには、祈りの記憶、そして仏陀の教えが静かに息づいています。
仏壇とは、いわば**「こころの別荘」**。
日常の喧騒の中にありながら、心を澄ませ、感謝を思い起こす場所なのです。
老いた両親のために仏壇を安置することは、
その方々の“安らぎの住まい”を心の中に築くことでもあります。

陽光堂より
仏壇の形は時代とともに変わっても、
「祈りのこころ」は変わることがありません。
陽光堂では、
現代の暮らしに寄り添いながら、
ご家族の想いを包み込む祈りの空間をご提案しています。



