仏像のあるくらし 烏枢沙摩明王
十三仏（じゅうさんぶつ）は、仏教において重要な役割を果たす13体の仏や菩薩を指します。主に日本で信仰され、特に死者の供養や追善供養に関連しています。十三仏は死後の世界で亡者を導き、罪を浄化するされています。
十三仏の構成と順序
十三仏は次の順序で配置され、それぞれが特定の追善供養の日に対応します
不動明王（ふどうみょうおう）
初七日
死者の最初の審判を担当し、迷いを断ち切る
釈迦如来（しゃかにょらい）
二七日
死者を教え導く仏
文殊菩薩（もんじゅぼさつ）
三七日
知恵を象徴し、死者を悟りへと導く。
普賢菩薩（ふげんぼさつ）
四七日
慈悲と行動を通じて死者を助ける。
地蔵菩薩（じぞうぼさつ）
五七日
六道で迷う死者を救済する。
弥勒菩薩（みろくぼさつ）
六七日
慈悲深い未来仏で、死者を浄土に導く。
薬師如来（やくしにょらい）
七七日
癒しと救済を象徴する仏。
観音菩薩（かんのんぼさつ）
百カ日
無限の慈悲で死者を助ける。
勢至菩薩（せいしぼさつ）
一周忌
智慧と光で死者を照らす。
阿弥陀如来（あみだにょらい）
三回忌
極楽浄土への導きを司る仏。
阿閦如来（あしゅくにょらい）
七回忌
不動の精神を象徴する仏。
大日如来（だいにちにょらい）
十三回忌
宇宙の真理を体現する仏。
虚空蔵菩薩（こくうぞうぼさつ）
特定の年忌供養や祈願の際に崇拝される。
智慧と福徳を象徴する菩薩。
お盆と十三仏の関係
お盆は祖先の霊を迎え、供養する行事であり、十三仏は霊を浄土へ導く役割を担います。初盆（新盆）では特に重要視され、不動明王から虚空蔵菩薩までの十三仏が丁寧に祈願されます。また、お盆の期間中に十三仏の掛軸や仏像を仏壇に飾り、霊が迷わず安らかに過ごせるよう祈る風習があります。
お盆は十三仏を通じて祖霊を供養し、家族の心の平安を得る大切な伝統です。祖先を敬う行いが、日本の豊かな供養文化と死生観を支えています。
