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ふじやま薬局における薬局業務のDX化の取り組み

栗原憲二

栗原憲二

テーマ:門前薬局、病院薬剤師、製薬メーカー、在宅

富士市富士宮市にて在宅医療に携わっている薬剤師の栗原です。

今日は薬局のDX化の取り組みについて紹介させていただきたいと思います。

DXとは?

 DXとは、デジタル トランスフォーメーションの略で、人工知能(AI)やlotと呼ばれるスマホ、パソコンなどの通信技術、インターネット上のクラウド(情報管理システム)を活用して、既存のビジネスモデルやコミュニケーション技術に置き換わる様なシステムを構築する取り組みのことを指します。
 transformationの「trans」を、英語で略語としてXを用いて表現することから、【DX】と表記される様になっています。
 
 chatGPTに確認しましたところ、以下の様な解説になりました。

「DX」とは、**デジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation)**の略です。企業や組織が、デジタル技術を活用して、ビジネスプロセスや業務の運営方法を根本的に革新し、価値を創造することを指します。DXは単に技術を導入するだけでなく、組織文化やビジネスモデルの変革を含む広範な取り組みです。
1.業務のデジタル化: 紙の書類を電子化し、クラウドベースのツールを活用して効率化を図る。
2.AIやデータ分析の活用: ビッグデータやAIを使って、意思決定の精度を高める。
3.新しいビジネスモデルの構築: デ技術を活用して、従来の業務プロセスや製品・サービスを革新する。
4.顧客体験の向上: 顧客との接点をデジタル化し、パーソナライズされたサービスを提供する。

DXは、企業が競争力を維持し、成長を続けるために重要な要素とされています。
       ChatGPT による「DX化とは?」


 手短に「DXとは何か?」について理解するための原理的な事柄は、この解説でほぼ、掌握する事が出来るでしょう。

 インターネット技術が一般に親しまれる様になって30年以上経ち、それは社会の技術システムを変革するまでの影響力を持つ様になってきました。
 DX化という時、これまでになかったサービスを作り出すという面と、これまでも社会インフラとしてあった社会活動と置き換えられていくという面があります。
 SNSはコミュニケーションのあり方を新しくつくりだし、一度も現実世界で出会ったことのない人たちがやり取りする世界を作り出しました。
 ただしこの辺は、全く新しいものを作り出したというよりも、何か既存のものがそれと置き換えられたという面もあります。
 現状の課題も、いかにして、既存の社会交通インフラをデジタルの世界に置き換えていくか?ということについての積極的な提案を含んでいるという事ができるでしょう。

 DX化の取り組みは、今生まれつつある情報技術を活用して、既存の社会インフラと置き換えていくか積極的な取り組みのことと言えます。
 その様な取り組みのために生み出されてきた課題も多くありますが、その点については後ほど触れていきたいと思います。


ー情報のデジタル化

 DX化は、情報のデジタル化の動きのことでもあります。
 インターネット技術は、それまで音や文字というアナログの情報を仮想空間の中に放り出し、それらの情報に新しい価値を作り出しました。音楽もそれまでレコードやCDを購入していた時代から、音楽通信サービスをサブスクリプション(月や年単位の課金サービス)として購入する時代となりました。
 CDであれレコードであれ、それらの価値は「もの」の所有にあったわけですが、現在の価値は、それらの音楽を一定期間聴く「権利」に置き換わってきたわけです。
 最近は、音声も簡単に機械的に文字化する事が可能になってきました。人間の手によって文字入力されていた時代から、機械が自動で入力してくれる様になってきたのです(たとえばこの記事も、キーボードを活用して入力する事が多いですが、場合によっては音声で入力することも行なっています)。
 薬局の働きにおいても、患者様の情報(服用履歴やアレルギー歴、病歴など)をデータベースにすることで、iPadやスマートフォンを利用していつでもそれを閲覧する事が可能になっています。
 情報をデジタル化することで、情報の利便性を高め、いつでもその情報を検索し活用する事が可能になっています。
 一般企業にとって顧客情報は命ほどの価値を持ちますが、薬局にとっても同様です。患者様情報には、服薬歴、アレルギー歴、既往歴など、服薬管理の上で不可欠な情報が詰まっています。これを背景として、患者様への服薬指導をさせて頂いてます。

ー人間の作業の機械化

 DX化はAI技術の進歩によって、それまで人間が知的な判断力を持って業務としていた領域をカバーする様になってきました。
 具体的には、処方箋に基づいたお薬をピッキングした時、それが該当するお薬なのかどうかをバーコードを活用して読み取るようになりました。その様な技術自体はすでに世に存在していましたが、デバイス(道具)自体の進歩と、処方箋を処理するレセプトパソコンとの連携の構築によってそれが可能になったわけです。
 それだけでなく、一包化されたお薬が処方箋に基づいたお薬がどうかを判断するために写真や動画データとして処理して、情報(写真)を整理し、人間の目でより判断しやすくする機器も一般的になってきました。


 これらの技術は、最終的には人間の判断力が補完するものであることは間違いないのですが、情報を整理し、扱いやすい様に一元化させることで、人間の判断力を助けてくれる技術となっています。
 
 そのほかにも、併用薬との兼ね合いで飲み合わせに問題はないか?といった判断も薬剤師の働きの上では重要な作業ですが、併用上、注意が必要なお薬が出ているかどうかについても、AI技術は大きな力を発揮してくれています。

ー人との関わりに情報通信技術を用いる事

 ふじやま薬局でも、現在はLINEにて処方箋を写真で送って頂いてから、来局して頂いてお薬をお渡しするシステムはかなり利用者が増えてきました(分かりやすいイメージとしてはディズニーランドのファストパスのようなシステムです)。すると先に薬局に来局されているお客様より先にお薬をお渡しすることになるので、使っていないお客様には少し差別のように感じられるかと思います。
 でもLINEによる処方箋受付サービスは、患者様だけでなく薬局の側にも少なくないメリットを与えてくれています。
 たとえば市の大きな病院で処方箋を受け取った患者様がLINEで処方箋を飛ばして頂けると、薬局に来ていただけるお客様の層が確実に増えます。
 一般的には薬局は、処方箋を「」で受けるか「」で受けるかの違いが言われてきました。「点」とは、病院の門前にある薬局がその病院の出した処方箋を取り扱うことで、「面」とは、交通の利便性のある場所に立地するドラッグストアなどで多方面からやって来られる患者様から処方箋を受け取ることです。
 でもLINEによる処方箋受付は、「点」「と「面」の両面を兼ね備えた様な処方箋の取り扱いになると言えます。
 必ずしも患者様にとっては立地上、利便性が良い場所にあるわけでもない薬局にLINEで処方箋を飛ばす意義はなんでしょうか?
 それは、その薬局であれば取り扱うお薬の在庫の数が豊富だったりして、お渡しするお薬に不足が生じにくかったり、お薬の取り寄せについて積極的に対応してくれる薬局を活用できるということです。
 大きな病院の前の調剤薬局は、場合によっては1時間以上待たないとお薬が受け取れなかったりするため、こういったLINEを活用した処方箋の処理の仕方は今後、もっともっと増えてくると思います。
 また最近は、首都圏で受け取った処方箋を地方の薬局にLINEなどを活用して飛ばして、ビデオ通信を活用して服薬指導を受け、その後、郵送でお薬を受け取る人も増えてきたとお伺いしています。なるほど、通信技術を有効に活用すれば、たとえ数百キロ離れている地方の薬局であっても有効に使える事ができるわけです。その様な業態に注力する事ができれば、立地上は不便な場所にあっても全然、その事がデメリットにならないわけです。
 

DX化のメリット

 さて、ここまで薬局におけるDX化について、DX化とは何か?ということと、それが薬局ではどの様な形で取り組まれているのかについて解説してきました。
 ここからは、このDX化が薬局並びに薬局を利用する患者様にとってどの様なメリットがあるかについて、もう一歩踏み込んで紹介していきたいと思います。

ー機械化によってヒューマンエラー発生の軽減を目論む事ができる

 機械は人間の判断力に対して大きく優位性を持ちます。人間の判断力は切れる事がありますし、体調がすぐれないこともあります。
 でも機械にそういう事情はありません。
 その処理能力は高く、疲れを知りません。
 人間が働く場合には体調が崩れることもあります。特に現代は、子育て世代の女性も一緒に働く時代です。ふじやま薬局でも半数以上が子育て世代です。子供が突然体調を崩すことも怪我をして学校に呼び出されることも珍しくありません。その抜けた穴は他の従業員がカバーしなければなりません。
 しかし機械はメンテナンスさえしっかりしていればそういった問題は起こりません。常に安定的なパフォーマンスを発揮してくれます。
 画像認識、バーコード読み取りなどのAI技術はほぼ、問題を生じさせません。それに絡んでミスが生じるとしたら、それは人間の側の入力違いなどによる場合がほとんどです。
 医療の世界はミスはあってはならないもの。よって医療のDX化は、取り組まなければならない重要課題と言えます。

ー人手不足を補う事ができる

 少子高齢化の時代で働き手が少なくなっていきます。かといって日本語が辿々しい外国人の方を職場に迎え入れるには、制度的、時代的にまだまだ課題があると感じます。
 AIの技術は、特に情報をデジタル化する上で不可欠の技術となっています。日本人が開発したQRコードは、処方箋に表示されるのが当たり前になりました。
 これまで手打ちで処方箋の情報をパソコンに打ち込んでいたわけですが、QRコードを読み込ませば、一瞬で正確な情報がパソコン上に表示されます。現状のところ、薬局在庫の関係で、そこで入力情報に追加修正ですが、そのうち、在庫そのものをレセコン用パソコンに紐づければ、この入力修正も不必要になってくるかもしれません。いや、今後は確実にそうなってくるでしょう。
 DX化は、DX化に伴って必要とされている領域を少しずつ、さらにDX化していく方向性を持ちます。現状、人間の手で行なっている修正さえ、chatGPTの様なLLMがやってくれる様になるでしょう(LLMとは、Large Language Modelsの略で、巨大な言語情報から大多数の合意的情報を抽出する学習システムのことを指します)。
 薬剤師の仕事として「薬歴」を記載するという重要事項があります。患者様に服薬指導並びに投薬した際の記録を保持するもので、どの様な指導を行なったかを記録として残しておくというものです。この記録があれば、次回以降、一年後であっても、この際の情報を参照しながら服薬指導をする事ができます。
 その際、どのような観点に立って服薬指導すべきなのかについても、AIが薬剤師に提案を行い、それを参考にして服薬指導する事ができる様になっています。
 最新のお薬については、薬剤師も学びが未完成の場合もあります。その場合、LLMが提案してくれた観点を、その場で自分で追加で調べてみる必要も生まれます。
 薬局には薬剤師が必要です。1日40枚の処方箋に対して1人の薬剤師が必要とされています。しかしLLMの発達、さらには薬剤師不足などを社会的背景として、扱える処方箋の数が増える可能性もあり得るでしょう。

ー移動せずに通信技術を用いてお薬を受け取る事ができる

 大手の通販サイトが処方箋の取り扱いを開始する様になりました。使い慣れたアプリを使って処方箋を写メで送って、ビデオ通信を行い服薬指導を受けた後、お薬を郵送で受け取ったり近郊の関連薬局から届けられたりします。
 こうなってくると薬局の経営は、立地条件を第一とした運営指針から別なベクトルに向かい始めるのが必然です。それこそ全くの僻地にある、ビデオ通信に力を入れた薬局が、首都圏の処方箋を応受する事ができるわけです。大学病院前に調剤薬局が4つ5つと乱立する様相とは全く異なっています。

 お薬には2通りあります。
 1つは風邪などの急性症状からすぐに服用した方が良いお薬です。
 2つ目は慢性病のお薬といった、持続的に服用する事で効果を発揮するお薬です。

 急性期のお薬はすぐにも飲んだ方が良いので、すぐにお薬を受け取る事ができる利便性の良い薬局の窓口で受け取るのが良いでしょう。
 でも慢性病の、特に継続中のお薬については、もしも手持ちに余裕がある様なら、お薬を郵送してもらっても良いでしょう。

 現状のところ、医師はその処方箋の処方日数を、次回の往診日までと設定して処方しますから、その様な余裕は生じないでしょう。
 でも、医師に処方箋を書いてもらう際に、ご自身が利用している薬局の業務形態を説明し、少し余裕を持って処方してもらうことは可能です。また最近は、災害時対策として少し余裕を持って処方される医師も増えてきています。
 また2022年度よりリフィル処方が可能となりました。これは医師の了解のもとに処方箋をリフィル処方とすれば、その処方箋は3回まで、処方箋記載の期間は有効で、薬局でお薬を余裕を持って受け取る事ができます。リフィル処方箋は薬局の店頭にて薬剤師が調剤記録を記載して、患者様に一旦お返しすること手続きをとるので、通信技術を使ったお薬の受け取りとは相性が悪い様に感じられるかもしれません。
 しかし電子処方箋の制度が2023年度から開始したため、医療機関から電子処方箋を受け取ったうえでそれをリフィル処方箋としてもらった場合、自宅でもお薬の受け取りが可能となりました。
 この様なお薬のやり取りには当面、薬局側も患者様側にも慣れが必要ですが、次第に当たり前の受け取り方法になっていくと思われます。

DX化の課題は?

 当然、薬局のDX化をしていく中では、それを導入する上での障壁も存在します。

ー導入する上でのコスト発生

 薬局のDX化を進める上では、薬局内のインターネット環境やシステム上の整備などが必須ですが、それに加えてスタッフや薬剤師の人材教育にも時間と費用がかかります。
 幸い、スマートフォンなどのデバイスを活用すれば比較的初期投資を抑える事が可能ですが、体制を整える上での資金的・人的負担は少なくないと言わざるを得ません。

ーアプリ、通信技術の進歩(安定性など)が不可欠

 薬局業務のDX化の取り組みの中では薬歴も電子化するのが必然です。患者情報が電子化されていなければ、周辺の作業を電子化しても意味がないからです。
 場合によっては患者様の自宅を訪問し服用状況などの確認作業を行う必要が生じるため、iPadなどのデバイスを用いて、出先で情報を参照することも必要になります。
 ふじやま薬局でも、電子薬歴を出先でも安全な方法で参照するためのデバイス体制を構築しています。
 これは、患者対応する薬剤師が薬局内に居なくても自宅にいる患者様への通信対応が可能である事を意味します。
 このことは意外と重要なことです。
 なぜなら在宅に向かっている薬剤師が薬局内にいる時間はそれほど多くはないからです。在宅に向かっている「かかりつけ」の薬剤師が、自分の担当する患者様への対応を出先で出来るということは、その薬剤師が「かかりつけ」であり得るための不可欠な条件と言えるからです。
 私は透析患者様も担当しているため、透析室で患者様情報を閲覧しつつ、投薬しています。
 20名に上る透析患者様への投薬を、自分の記憶と少しばかりのメモに頼って行うことには課題がありますが、患者情報を閲覧する事ができるiPadが手元にあれば、過去の投薬記録も簡単に参照する事ができるのです。

ー使う人の慣れが必要

 薬剤師は化学系の修士を持っているため、電子薬歴などのデバイスを活用することを苦とする人は殆どいません。
 でも、電子薬歴を使いこなすのにはやはり慣れが必要です。
 業者の担当者に来てもらって使い方をレクチャーしてもらうと、それまでよく分からなかった電子薬歴の活用法を知る事が出来たりするのは珍しいことではありません。
 薬剤師に限らず、インターネットを介して電子処方を応受した際、事務スタッフも、どの様な手続きでこれを処理すれば良いのか、ある程度の経験が必要になります。場合によってはLINEで処方箋を受け取っても、それに気が付かないで患者様側薬局に来られるということも起こり得るのです。
 電子処方箋が来た場合やLINE処方を受け取った場合の着信音もスタッフがはっきりと認識できるように環境整備並びに慣れが必要になるわけです。

これからの薬局はどう変わっていくるか?

 さて最後に、薬局のDX化(人間の行なってきた業務を機械に委ねていく動き)を積極的に行なっていくことを前提として、それでも薬剤師や調剤事務の任にあたる者が、その働きを責任あるものとして担っていくために不可欠な取り組みを挙げてみたいと思います。

ー情報技術を用いた患者様とのコミュニケーションの向上に取り組み

 薬局業務が日々、AIやLLMによって担われていく割合が多くなったとしても、薬局における患者様との関係性は、人と人との関わりであることを見失ってはならないと思います。
 患者様から服薬指導の上で不可欠な情報をいただけるのも、人としての信頼を得る事が前提と言えます。
 薬剤師は服薬指導を通して患者様との人格と関わる働きです。同じお薬を、誰に対しても同じ様に服薬指導することはあり得ません。患者様の立場に立って、患者様にとってできるだけ分かりやすく、できるだけ誤解のない様にお伝えしなければなりません。
 たとえビデオ通信で服薬指導するとしてもそうです。ビデオを通して得られる情報は、面と向かい合って得る情報よりも、時間的、空間的な制約が生まれます。だからこそ、面と向かい合う時よりも丁寧に、注意深く服薬指導をする事が求められています。
 リフィルの電子処方箋を受け取った場合も同じ事です。リフィル処方によって、患者様は3ヶ月に一度といった回数でしか病院に行かなくなる事が起こります。それは、薬剤師による服薬指導、また投薬後のフォローアップ(服用後の体調の変化などの聞き取り)が、以前にまして重要な任務を担っていることを意味します。
 患者様が1つの人格であるということは、それぞれの個性を持っているということです。それを尊重しつつ、寄り添いつつ、より良い薬学治療のためにコミュニケーションを取らなければなりません。相手の関心事項に共感を示したりするには、薬剤師の側にも、文化教養的な素養が求められていると言えます。
 大学の薬学部が6年生になって、薬剤師の業務が「対物」から「対人」の働きになってからも、この「コミュニケーション」に求められる技能獲得のための教育プログラムはまだ十分に整備されているとは言えないでしょう。
 結局のところ、薬剤師は現場に出てから現場で経験を積んで、患者様とのコミュニケーションを習得するという具合です。
 現在、薬学部には一定の社会人学生もいます。社会経験を生かして薬剤師としての働きを行なっていくということにも少なくない付加価値が生じると思います。

ーDX化に取り組みながらも機械化の監督者として患者様と関わっていく


 薬剤師は薬局業務のDX化によって、日々、様々なデバイスを活用しています。薬剤監査や一包化業務、そして最近は服薬指導においても少なからずLLMの力を借りる様になってきました。
 しかし、人工知能が提示してくれた情報には責任が伴いません。それを活用するにしても、活用した人間がその文面についての責務を担うことになります。
 日本人が開発したQRコードは、処方箋情報をパソコンにデータ化するために大変重宝する道具で、現状のところ、私は一度も誤作動を確認した事がありません。同じく日本人が開発したICOCAなどの交通系電子マネーも、ふじやま薬局では支払い方法の一つとして親しまれていますが、その暗号化の技術も、量子コンピューターの時代でも通用する技術と言われています。
 それでも、何かの間違いが生じた際には、処理をした薬剤師や事務の責任となります。通信障害が生じた場合はその復旧のために処理や手続きをしなければなりませんし、必要なデバイスやAI技術の導入も検討しなければならないのです。

ー点と面に加えて情報ネットワークを活用して患者様とつながっていく

 先に、これまで薬局には「点」と「面」で処方箋を応受してきましたが、これからは点でもあり面でもあるといった、ネットワーク上の処方箋応受の時代であることをお伝えしました。
 そのために必要なことは、薬局が受け身の状態から、積極的に情報発信をして、全国津々浦々の患者様とのつながりを作り出し、その上で得る信頼を土台に服薬指導をさせていただく時代です。

 また薬剤師法の第一条には次のようにあります。

第一条 薬剤師は、調剤、医薬品の供給その他薬事衛生をつかさどることによつて、公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もつて国民の健康な生活を確保するものとする。


 ここで言う「公衆衛生」とは、学校、公共施設、市町の衛生環境のことだけを言っているのではありません。患者様の健康を維持し、健全に動ける社会の構成体である国民の健康生活を支えることをも意味します。薬事に関わる業務を通して、人と人との関わりを正していくことです。そのために情報技術をよりよく活用していきたいと願っています。

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店舗は整形外科並びに内科、透析医院の処方の授受を受けているため、普段から幅広いお薬を取り扱っています。在宅では、個人宅並びに施設担当。富士・富士宮地区を幅広く車で訪問させていただいております。

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