非常事態時以外は、介護保険の効果ってかなり強いものです
富士市富士宮市にて在宅医療に携わっている薬剤師の栗原です。
私は普段、整形外来の患者や、透析患者のかかりつけ、個人宅や施設の配薬をさせて頂いてあるので、学問的な現場からは遠い場所にいるのかもしれません。
資料に時間をかけて目を通したり調べ物をする時間は、正直それほど許されていません。
正直、調べ物をする場合は、ある程度まとまった時間に教科書を読むほかは、必要に迫られて資料に目を通すくらいです。もしかしたら薬局内に留まっているなら、専門的な情報を検索することもできるのかもしれませんが、なかなかそういうわけにはいかない状態にあります。
でも出来たら私も、将来的には学問的な資料に日常的に目を通せるようになれたら良いなと、ぼんやりと思い描いてます。
そのため、先日少し目線を変えて、こういう本を読んでみました。
『まったく新しいアカデミック・ライティングの教科書』阿部幸大著https://amzn.asia/d/7KDTdT9
研究の世界で評価される研究論文がどのように書かれているのか?日本や海外でも論文を多く記されてきた研究者の方の一冊です。
いわゆるハウツーものの本と言っても良いかもしれません。
研究論文で評価を受けている人たちは、何か才能で書いているように見えるかもしれないが、そうではなく、「こういう点を押さえて書くことが大事なんだ」と教えてくれる一冊です。
この本を読もうと思ったのは、私が論文を書くためではありません。論文というものがどのように構成されているのか?そもそもの論文の書き方を学ぶことができたら、論文といわず、そもそも文章の読解力が高まるのではないかと思ったからです。
この本で解説されている文章の書き方は、全然関係ないようですが、下の本と共通する面がありました。
『改訂新版 書く技術・伝える技術 (スーパーラーニング) 』
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一言で言うと、結論として伝えたいことをしっかりと冒頭(パラグラフの頭)に明記して、それを巡って記すということです。
ですからこの本は、「アカデミック・ライティング」に関してのみの内容とは言えません。基本的な文章作成法に関わる事柄についても述べられているからです。
でもあえてこの本特有の視点を紹介すると、アーギュメントと著者の言っている、論文全体で論証しないければならないテーマをいかに明確に措定するか?という点です。
論文の価値は、それまで当たり前と思われていたようなことを覆すような内容を持っているか?にあるとも言えます。そのような内容なのですから、当然、それを主張できる根拠(事実)が論文の中で述べられていなければならない。各種の(研究分析から得られる)データや統計がその「事実」に該当します。その「根拠」をどのようにパラグラフの中に組み込んでいくのか?またどのような場所に結論を落とし込んでいくべきなのか?
こういったことは、現場で汗をかく(それゆえの制約もある)私にも役にたつ知見ではないかと期待しています。