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コラム

後見人制度ならびに日常生活自立支援事業は、その人の人権並びに尊厳を確保しています

2024年7月4日

テーマ:生活、健康

コラムカテゴリ:くらし

富士市富士宮市にて在宅医療に携わっている薬剤師の栗原です。

最近は独居の高齢者や、独居でなくても、いわゆる老老介護という、高齢者同士が互いを介護し合うような関係のがご家庭も増えてきました。また独立し別の場所に住んでいるお子さんが、遠隔から親御さんの身辺の世話をしている例も多くあります。介護の現場では大変多くなってきてます。

そこで今日は、被介護者の財産や日常生活を支えるための成年後後見制度について解説したいと思います。

後見人、という言葉を一度は聞かれたことがあると思います。


認知症や知的障害、または精神障害の生じた本人に代わって、財産の管理や契約行為などを行う立場の人です。一般的には4親等内の家族・親族がなる場合が多いですが、候補者がいない場合には、法律の専門家や福祉関係の公益法人、または市町村の代表者が専任される場合もあります。

制度としては法定後見制度と任意後見制度の2つがあります。

1)法定後見制度

法定後見制度は本人の負った障害により法律行為を行えなくなった場合に対応するための制度です。

申し立ては社会福祉協議会や地域包括支援センターなどの窓口で、後見人の候補者である申立人がすることになります。その後、ソーシャルワーカーなどの福祉関係者本人情報シートという書類を整えて、それに基づいて医師が診断書を作成し、家庭裁判所に提出され選任される運びとなります。

2)任意後見制度

それに対して任意後見制度は、本人がまだ法律行為を行える段階で、本人により代理権を持つ後見人等が立てられる制度です。

任意後見の契約を成立するためには、法律的に効果を持つ文書を作成する権限を持つ公証人が公正証書という形で東京法務局に申請しなければなりません。その後、本人の判断略の低下などの症状が生じた場合に、後見人候補者により申し立てがなされ、家庭裁判所が任意後見監督人を選任し、任意後見の契約が成立する運びとなります。


3)後見人の役割

成年後見制度には、①本人の財産を管理する財産管理と、②施設を使用したり福祉サービスを受けたりする際の契約行為を行う身上監護という務めがあります。

認知症や知的障害、精神障害などの程度に応じて後見人、保佐人、そして補助人という立場で本人に変わって財産などの管理を行うことになりますが、それらの代理行為について代理人は、家庭裁判所の監督を受けるために報告の義務を負います。

4)日常生活自立支援事業とは

また後見人制度と似たものに日常生活自立支援事業というものがあります。実施主体は社会福祉協議会です。

対象者は後見人制度と同様、認知症や知的障害、精神障害のある人ですが、後見人制度と少し違うのは、日常生活を送る上での判断能力などが不十分となった軽度の障害者で、この事業の利用契約を締結する能力があることが条件となっています。

この際、自立生活支援専門員が本人への聞き取り調査により契約締結反対ガイドラインに基づく該当者かどうかの判定が行われます。

サービスの内容としては、①各種福祉サービス利用のための契約手続きなどの援助②日常的金銭管理サービス、また通帳などの③書類等の預かりサービスが内容となっています。

このサービスを受けるにあたっては利用者が利用料という形で負担することになりますが、生活支援員によるサービスは1回につき、平均的に1,200円程度となっています。

後見制度にしろ日常生活自立支援事業にしろ、原理的には、本人の自立性をいかに担保し、本人の人権並びに人としての尊厳を確保していくかについての福祉行政の働きといえます。この制度を正しく運用し、その人がその人らしく過ごしていくための働きに私どもも加えさせていただいてます。

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