とうとうコレステロール値が正常範囲内に!
富士市富士宮市にて在宅医療に携わっている薬剤師の栗原です。
皆さんは定期的に血液検査を受けられていますでしょうか?
会社で年に一度やる健康診断でも血液検査を受ける機会があると思いますし、献血などした際にも、提供する血液のデータがあとで送られてくると思います。
献血をすると私もデータが頂けることもあり、年に数回、献血をさせて頂いてます。
血液検査の結果得られるデータは、特定の腫瘍マーカー(発がんの可能性を診断する際に用いられる)など、より専門性のある検査値もありますが、一般的に血液検査として調べられる数値は以下です。
肝臓の数値
腎臓の数値
血糖値
血液中の成分
コレステロールの値
炎症マーカー
カルシウム、マグネシウム、ナトリウムなどの単位量
ここでは簡単に、それぞれの数値がどのような意味を持つのかを紹介したいと思います。
1)肝臓の数値
肝臓の数値は、簡単にいうと「肝臓がどの程度、痛んでいるか?」ということです。
肝臓にある細胞には各種の酵素があり、それが体に取り込まれたものの解毒などに用いられていますが、肝臓が痛んでいる場合、その酵素が血中に流れ出ることになります。
検査項目としてはASTやALTが知られています。
過剰なアルコール、がん化した肝細胞、体内で蕃殖したウイルスなどによってこれらの酵素が検査値として引っかかるのです。よって医師や看護師は、これらの数値が高ければ、何かの原因で「肝臓が痛んでいるな?」と考え、さらに検査したりすることになります。
2)腎臓の数値
腎臓の主要な役割は、血中の老廃物を尿として放出したり、血中のミネラルバランスを整える働きです。腎臓の機能が低下していると、特定の成分の血中濃度が高くなります。その「特定の成分」に着目することで、腎臓の機能の程度を推定することができるのです。
検査項目としてはeGFRやクレアチニン値、また尿蛋白の有無(腎臓が傷んていると血中のタンパク質が尿中に漏れてしまうのです)などです。
腎臓は、尿酸値が高いことでも痛みますが、尿路感染から機能が低下することもあります。また水分摂取量が少ないことで、尿が作られず、結果として腎臓に負担がかかり機能低下の症状が見られたりします。
3)血糖値
血糖値は、血液中にあるブドウ糖の濃度で計測されます。食事から摂られた炭水化物や糖分は、血中を流れて、必要な場所に運搬されていきますが、血中のブドウ糖濃度が高いと、神経障害や腎不全などを引き起こします。
通常は膵臓からインスリンが放出され、肝臓などに取り込まれるのですが、インスリンの量が少なかったり、その効果がうまく発揮されないと、なかなか血中のブドウ糖濃度が下がらずに、糖尿病の症状が現れます。
血糖値は食事の影響を受けるので、食事で何を食べたか?などに影響を受けるのですが、血液中を流れるタンパク質の糖化度(A1c値)を計測すると、1カ月から2ヶ月前の平均的な血糖値が判定するので、それを検査項目としたりしています。
4)血液中の細胞並びに血漿成分
血液中の成分は、白血球や赤血球、血小板や各種のイオン、タンパク質から成り立っています。
白血球の数が高過ぎると、何か体内で異物と戦っているなどの異常事態が想定されますし、赤血球が少ないと、いわゆる貧血状態と言えます。
血小板が少なければ血液が固まりにくい状態であるということであり、出血が止まらないなどの異常と隣り合わせです。
またタンパク質としては各種のコレステロール(LDLやHDL)があり、それらが偏っていると脂質代謝に異常が生じている(言い換えるとうまく体内に溜め込んだエネルギーを利用できていない)と言えます。
5)炎症マーカー
CRP値は、炎症マーカーと呼ばれています。何か体内で炎症反応が起こっている時に高くなる数値です。風邪やアレルギー、がんなど、原因は様々です。
6)カルシウム、マグネシウム、ナトリウムなどの単位量
カルシウムやマグネシウムなどの、特に大きめのミネラルの数値の異常は、骨代謝の異常などが考えられ、骨折などの危険性を表します。またナトリウムは体内の吸収や排泄をする上でとても大切なミネラルで、不足すると体内のミネラルバランス全般に異常をきたすことになります。
血液検査で専門的に調べることの出来る数値は多いですが、一般的な検査で調べられるのは、以上のように、大まかには腎臓機能、肝臓機能、血糖値、炎症の有無、血液成分のバランスと理解して良いでしょう。
それぞれ検査値には「基準値」が設定されています。このくらいの数値であれば正常と見做せる、というのが「基準値」で、この基準値から外れた数値が出た場合、検査データに☆印のよつなマークがついていると思います。
気になる検査値があれば、医師や看護師、そして薬剤師に質問してみてください。喜んで教えてくださると思います。