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栗原憲二

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栗原憲二(くりはらけんじ) / 薬剤師

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コラム

在庫管理や事務作業とどまう向かい合うか?日々、改善です。

2024年6月30日

テーマ:介護、在宅

コラムカテゴリ:医療・病院

富士市富士宮市にて在宅医療に携わっている薬剤師の栗原です。

薬局で日々向かい合っているのは、患者様対応だけではなく、お薬の流通に関わる課題でもあります。この、お薬の流通に関する問題に向かい合うことは、薬剤師法の総則1条でも明確に定められた薬剤師の勤めとなっています。

薬剤師法
第一条 薬剤師は、調剤、医薬品の供給その他薬事衛生をつかさどることによつて、公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もつて国民の健康な生活を確保するものとする。


そこで今日は、お薬の在庫・流通管理について述べてみたいと思います。

1)発注業務

薬局は処方箋を持ってこられた患者様に対して、薬剤師法に記された通り応受義務がありますから、在庫管理に努めて出来るだけの対応をしていくことが求められています。

けれどもいくらでも在庫を抱えても良いかというと、もちろんそういうわけにはいきません。

実はお薬にも使用期限があり、大体薬局に入荷されてから2年から3年で使うことができなくなってしまいます

お薬は、1錠10円のものから1000円のもの、場合によっては数千円のものもあら上に、使用期限があらわけですから、実際のところ、全国の薬剤師は在庫管理にかなり気を遣っています


資本的な事情から、場合によっては1日の業務の3割を在庫管理が占めるなんてことも珍しいことではありません。

在庫管理は、同時に発注管理でもあります。

日々、刻々と在庫には変化が生じます。あと1箱、発注をし忘れたことで、患者様にお渡しするお薬に不足が生じてしまうということが起こるのです。

2)在庫管理上の注意点

在庫管理の上で大切な点は以下の点です。

  1. よく出るお薬の管理はAIにある程度任せる
  2. 時々しか出ないお薬の管理は基本、人間がする
  3. 薬価(お薬の法定的な価値)の高いものに関しては細かいチェックをしていく



1)よく出るお薬の発注作業は機械に任せてしまいましょう。たとえ在庫を抱えてしまっても、払い出す見込みがあるので、使用期限切れにもなりにくいです。年に一度の棚卸し(薬局が抱えている財産が来ます)の前に、削れないかチェックするので良いです。

2)時々しか出ないお薬ということは、それを用いる患者様が限られるということです。その患者様の来局予定を処方箋から読み取って、仕入れを翌月に回せるものはよく月に回しましょう

3)薬価の高いお薬の管理は細かにするのに値します。在庫を切り詰め過ぎても、結局は不足が生じて患者様にご迷惑をおかけしてしまうことになります。なので、在庫を1箱(100錠)単位で管理していくのがおすすめ
です。

3)医薬品の流通問題にどう向かい合うか?

最近は、ジェネリック医薬品製造会社の管理上の問題が生じて、医薬品の流通が全般的に混乱する事態も生じました。新型コロナの影響でも、風邪薬関係のお薬の流通がガタガタになるということも生じました。

どこの卸「おろし)に、どれだけの在庫があるのか?そんな情報を集めることであちこちに電話をかけまくる風景も見慣れてきました。

最近は発注も機械が予測計算してくれるようになりましたが、精度の上で課題がまだ山積みなのが現状です。


  1. 卸(おろし)に在庫状況を電話で確認する
  2. 近郊の薬局で小分けしてくれる薬局とコミュニケーションを密にする
  3. 季節性のお薬はあらかじめ多めに発注をかけておく


1)担当者に直電するのも有効ですが、卸(おろし)の事務さんに細かい情報の提供をお願いし続けることも有効です。大切なことは、必要としているお薬について正確に情報をお伝えすること。お願いした製薬会社以外のお薬がないかも事細かに確認することです。

卸(おろし)さんの事務さんも、こちらの認識違いに対して適切に対応してくれるとは限らないからです。

2)近郊の薬局で気持ちよくお薬を小分けしてくれる薬局があるとしたら、ご挨拶などを通して、普段から感謝の気持ちを伝えることです。こちらからできることは進んで提供する旨を伝えることも当然、必要なことです。

3)花粉症の時期や寒い時期になると、アレルギーのお薬や風のお薬が卸さんにも不足することは想定内のことと受け止め、あらかじめ在庫を確保していくことが大切です。

4)報告書の送信作業

あと、これはお薬の流通には関わらないことですが、在宅に関わる薬剤師の業務として「報告書」を処方元医師などに送る勤めがあるので、そこにも多少、触れたいと思います。

居宅での薬剤管理指導をしていますと、配薬時に聴取などした情報を「報告書」という形で処方元の医師やケアマネージャーに送ることになります。あちこち駆け回っている薬剤師がFAXまでするのはなかなか難しいため、事務さんのお手伝いなどを受けてなんとか回しているのが現状です。


報告書を発送する場合の注意点は以下です。

  1. 送付先に間違いがないかチェックしましょう。
  2. 早く報告すべき内容のものについては早めに送りましょう


1)いうまでもなく、報告者は患者様の個人情報が記載されたもので、FAXによる送信には最新の注意を払いましょう

2)内容によっては、早めに処方医やケアマネージャーに連絡すべき種のものがあります。そういう場合、コミュニケーションをより実際のものとするために、電話を用いて内容をあらかじめお伝えしておくことも有効な方法です。

日々、課題はありますが、それと向き合い、ルーティーン化出来るものはそうして、担うべき職務に向かい合う日々です。

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