要介護・要支援サービスは、自宅や施設で相応しい形で受けましょう
富士市富士宮市にて在宅医療に携わっている薬剤師の栗原です。
介護保険は老齢化を必ず迎える私たちにとって自立した生活を送るためのセーフティーネットです。
その保険料は年収や年金額に応じて負担度が異なっていますが、受けれる保険サービスの度合いは、いくつかの基準によって設定されていることを理解しましょう。
1)区分支給限度基準額
介護保険のサービスを受けるにあたって1番要の基準(つまり受けることのできるサービス度合い)は、要介護・要支援の区分によります。
要介護は5つの段階に分けられ、要支援は2つの段階に分けられています。自立した生活を送るために受ける必要のある介護や支援の度合いにより決められています。
介護保険は限られた社会保障費によって賄われていますので、必要とする人に適切にサービスが提供されなければならないので、段階が分けられているのです(区分支給限度基準額と言います)
2)福祉用具購入費支援限度額
また、実際に介護や支援を受ける際には、自宅玄関や室内の段差などを被保険者が利用する場合に福祉用具が必要となる事がしばしばありますが、1年単位で10万円を上限として支援を受ける事ができます(福祉用具購入費支援限度額と言います)。
介護度や支援度は変わってしまう事が多々あるため、最近は福祉用具のレンタルサービスを受ける事が現実的と言えます。
3)住宅改修費支給限度額
また、長期的な視点に立って、大工さんやリフォーム業者に入ってもらって、住宅そのものを改修してしまうことも選択肢の1つです。その場合に用いる事ができるのが「住宅改修費支給限度基準額」で、同一住宅で20万円となっています。
これらの支援金を分類していて「限度基準額」というあまり響きの良くない言葉が用いられているのが少し気になるかもしれません。でもそれは、有限な社会保険料を無駄なく、偏りなく使うための基準として理解していただければと思います。
4)種類支給限度基準額
このことに関連して、デイサービスなどに通所で通う際にも、利用者への平等なサービスの提供のために「種類支給限度基準額」というものもあります。本来なら受けることのできるサービスだが、施設の利用者上限などの条件によって生じてしまう「基準額」と言えます。
介護保険といっても無制限に保険サービスを受ける事ができるわけではありません。そのために民間の保険サービスに加入する方もいるでしょう。利用者の経済的力によって選択の余地があるところですが、一人一人が自分の老後の生活を思い描いて、終活をしていく事が求められていると言えるでしょう。