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栗原憲二

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栗原憲二(くりはらけんじ) / 薬剤師

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コラム

Calling-休日の薬剤師

2024年6月6日

テーマ:在宅医療、薬剤師、配薬

コラムカテゴリ:美容・健康

富士市富士宮市にて在宅医療に携わっている薬剤師の栗原です。

 休日の過ごし方ってとても大切ですね。仕事をする上で当然生まれてくるような緊張感、忙しい日が続いてたまる疲労感・・。やりがいに隠れたものがどっと溢れ出ることがあります。そんな際にどうやって休日を過ごすか?


 先日は市役所に行政的な手続きに行って、待合でじっと待っている間に色々な考え事をしたり、窓口で質問させてもらったり。

 薬剤師がその働きをする上での法的根拠である薬剤師法の第1条に次のようにあります。
 
「薬剤師は、調剤、医薬品の供給その他薬事衛生をつかさどることによって、公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もって国民の健康な生活を確保するものとする。」

 また日本薬剤師会のホームページには次のような解説がついてます。

 「薬には、医師の処方箋にもとづいて薬剤師が調剤する医療用医薬品と、処方箋なしで手に入る一般用医薬品(OTC医薬品)の大きく2種類があり、調剤及び調剤時の服薬指導や情報提供、OTC医薬品に関する相談対応は薬剤師の最も代表的な業務です。しかし、薬剤師の役割には、地域住民一人ひとりの健康づくりに寄与することまでが含まれています。」

 薬剤師の働きは広く言えば
1)公衆衛生に寄与すること
2)地域住民一人ひとりの健康づくりに寄与すること



 です。「衛生」とはOxford dictionaryの日本語訳では「健康を守り、病気の予防をはかること。清潔に保つこと」となります。それが「公衆」の、ということなのですから、薬剤師の働きは、実のところ患者1人ひとりの健康以前に、公衆、つまり公の衛生管理ということがその働きの主眼になっていると言えます。

 よって地域社会の衛生面を考えてその働きをすることが求められているはずです。

 ところで私は薬剤師ですが、私の薬剤師という働きは、「○○薬局」の就業に就いている段階でのみ支えられているのではありません。私の持つ薬剤師免許がそれを支えてあるのであって、就職先というものは、私の薬剤師としての働きを実行するための一つの手段に過ぎません。
 
 就業中であろうと休暇中であろうと私が薬剤師であることにはなんら変わりなく、薬剤師という私の召命(calling)は私に薬剤師としての働きをするように求めているというわけです。

 もちろん「調剤、医薬品の供給その他薬事衛生をつかさどることによって」(薬剤師法第1条)なのですから、手段としてはあくまでもお薬(処方薬やOTC薬」を通して、ということになります。でもそのためには、公衆衛生上の課題がなんであるかをよく理解し、その問題を薬事を通して解決していく手法を取る、というのが薬剤師の働きと言えます。


 ところが私は在宅の働きをしている薬剤師です。この働きを支えるにはもっと広い視点が必要と感じております。この働きは、単にお薬を患者様に飲んで頂くということだけでなく、ご自宅にお薬をお届けして、その服用状況(患者様の生活の実態も含め)を見守るということも含まれるので、実際のところ、お薬を飲まれる患者様の生活一般に関して公衆衛生に関わる働きをするのが私の召命であるはずです。

 入り口が「お薬」なのか、それとも「公衆衛生」なのか?ここには卵が先か鶏が先か?の、いわゆる「因果性のジレンマ」があることは間違いないですが、そんなジレンマの結論よりも目の前の患者様の衛生環境が大事ということでしょう。

 私の患者様で
1)以前、生活保護を受けられていて施設に入居していた
2)施設にいる間にご家族が自宅に戻られた
3)そのため、施設退去後、生活保護を受けられなくなった

 という患者様がおられました。こういう場合、とても難しい問題があると思いますが、私は生活保護受給を再開すべきと訴えたのです。

 現代のように国の経済力を超えるような巨大企業が登場してきたような時代では、一人一人の生活上の問題は、その本人の生活に関する課題に積極的に国や行政が関与しなければならないと私個人は思っているのです。

 役所の方に話をお伺いしたところ、ケースバイケース、とのお答えを頂きました。

 もっともっと私自身、公衆衛生の働きに関わる人間として、「お薬の服用」という切り口を介して積極的に取り組まないといけないと思っているのです。

 またこれは別件になりますが、私どもの住んでいる富士富士宮では富士山の伏流水という日本トップレベルの恵まれた水環境の中、生活が支えられてます。ウォーターサーバーでも「富士山天然水」といった売り文句の商品も数多くあります。

 で、私が以前から思っていたのは、蛇口をひらけば富士山の伏流水が流れ出るのだから、そこにはバナジウムといった成分も含まれているはずだ」ということです。


 ところが富士市の上水道が公表している水成分検査評価表では、「バナジウム」といった検査項目がないのです。

 で私はバナジウムが入っているんじゃないかと思ってるので、役所窓口で聞いてみたのですが、「専門的なことは別の窓口で」とのことで、今回は確認できませんでした。

 バナジウムには血糖値や血圧を安定させたり動脈硬化を予防する効果があると言われています。・・となると、例えば富士富士宮の人間の血圧の統計をとると全国平均よりも低いのではないか?心血管イベントが少ないのではないか?とか思ったりするのです。

 なかなか同視点に基づくデータが見つかっていないのですが、今後も、こういった生活者の視点を見失わずに自分の働きを担っていくことも大切なのではないかと思っています。

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