患者様の宝箱の中に飛び込んでのサポート
富士市富士宮市にて在宅医療に携わっている薬剤師の栗原です。
在宅医療って何?と思われる方もいらっしゃるでしょう。
医療人には馴染みがある言葉としても、一般の方々にはまだ親近感の湧かない用語のような気がします。
在宅医療というのは、簡単に言うと自宅が病院の代わりになるような制度のことです。
自宅に医師が定期往診したり、看護師、ヘルパー、薬剤師が自宅に伺い、さまざまな医療サービスを提供するものです。
病院に通院できるほど健康状態が保たれていたり、病院に入院するための病院側の体制が整っていれば問題ないかもしれません。
しかし通院が難しくなったり、病院に入院するとしても入院期間の制限などもあり、自宅で在宅医療に切り替える方が多くなってきました。
私が以前担当していた患者様に、認知症を患う独居の方がいらっしゃいました。息子さんがいらっしゃいますが、当時、海外に赴任中で、自宅のお母様を室内カメラで監視されつつ、お仕事をされていました。
医師が2週間に一度往診し、普段はヘルパーが入り、週に何度かデイサービスを利用されてました。
昔からの習慣で親しんだショッピングセンターで買い物をする習慣があり、息子さんも携帯電話を通して遠隔で監視されておられました。近所の方々のご協力もあったとお伺いしております。
私が訪問したある時には、何か着替えのようなものと駐車場に停めてあった車のワイパーに挟んであったチラシをもってどこかに行こうとしておられるようなこともありました。
最近は少し田舎に行くと、町内放送で高齢者の徘徊で緊急連絡が放送されることも珍しくありません。そういうこともあり私も少しドギマギしてしまいましたが、息子さんはしっかりお母様の行動を把握されておられるようでした。
少し極端な例かもしれませんが、このような例は今後、どんどん増えてくると思います。
単にお薬をお届けするのみならず、ご家族やケアマネ、ヘルパーさんたちと協働して、私どもの働きも成り立っていることを痛感しています。自分にできる最善はなんなのか、今後も考えていきたいと思っています。