お薬の副作用対策について
富士市富士宮市にて在宅医療に携わっている薬剤師の栗原です。
普段、外回りの多い私ですが、時間帯によっては店舗の調剤室で調剤に当たることもあります。薬剤師といえば当然の作業ですが、意外と薬剤師って普段何をしているのか分からない、という方もいらっしゃると思います。
患者様が病院から処方箋を受け取って薬局に来られたら、
①処方内容を確認し
②お薬の棚から薬をパッキングし
③処方箋通りに患者様にお薬をお届けする
のが薬剤師の仕事です。
簡単に言えばそういうことになるのですが、意外と、簡単にも行かないことが結構あります。
まず、処方箋上のお薬が店舗内にない場合はどうするか?
薬局は患者様が処方箋をお持ちになった場合、お薬を患者様にお渡しする義務がありますから、店舗内にお薬がない場合、
①卸(おろし)さんに問い合わせてお薬を取り寄せる
②近隣の薬局から「小分け」という形でお薬を準備する
③お薬の準備がありそうな近郊の薬局を紹介する
といった対応を取らせていただいてます。
ただし、お薬といっても、錠剤のような形のお薬もあれば、粉薬や吸入剤、また液剤といった形のお薬もあります。
粉剤の場合には、計量をして、それを分包機という機械にかけて、一回ごとの服用用量に合わせて調剤します。
この際、g単位とか%単位の各種の計算が必要になることが結構あります。
以前は、お薬の成分濃度がマチマチな製品があることで、用量の間違ったお薬が患者様の手元に届いて、それが重大事故を引き起こすことが頻回に起こっていました。現在でも時々そういった事例がニュース報道されることがありますが、現状のところ、そういった医療事故を可能な限り未然に防ぐために、製品濃度は単一化されてきています。
また薬剤師は処方箋通りにお薬を調剤すれば良いかというと、そうではありません。そもそも処方箋に記載されている用法用量に問題があることがあります。
それに気が付かずに薬剤師が調剤して患者様に何かしらの不利益が生じた場合、現在は、処方箋を準備した医師のみならずそれに基づいて調剤した薬剤師も同等の責任が問われる時代になってきています。
調剤薬局で20分30分待たされて、「中で何やってるんだ?」と思われる方もいらっしゃると思います(何を隠そう、薬剤師になる前の私もそうでした)。
でも、調剤室内にある1000種類程度のお薬の中から、正しいお薬をピッキングし、在庫管理をしつつ液剤や粉剤の処方箋にも対応が必要なのが薬剤師。その上で医療ミス回避のために集中力が必要なのが薬剤師の働きです。
調剤室の中で多少は汗かいている私どもの働きについて少しでもご理解をいただけるなら幸いと感じます。
私どもにできる最善が何なのか、常に考えつつ皆様と共に歩んでいきたいと願っています。