処方箋の取り扱いの上で薬剤師が気をつけている点はここです。
おはようございます。富士市にありますふじやま薬局の栗原です。普段、在宅医療、ならびに整形外来患者様並びに透析患者様のために働きをさせていただいています。
仕事の生産性について考えてみたい
私は薬剤師として、医療ならびに化学の場に普段、身を置いておりますが、それを生業としている以上は、いつでも仕事として自分の働きの生産性はどうなのか?ということにも関心を持ち続けています。
自分の体力も知力も、避ける時間も有限ですから、働きの成果をより上げるために「生産性」に着目するのは自然なことだと思います。
そこで今日は「関心の輪」と「影響の輪」についてお話しさせていただきたいと思います。
1)関心の輪とは?
この「関心の輪」と「影響の輪」についての考え方は、ベストセラー『七つの習慣』で s・コヴィー氏が紹介されたものです。
ここで言われている「関心の輪」とは、自分が興味を持って接し、結果として情報や知見を得ることのできている領域のことです。この情報化の時代では、誰もが必然的にこの輪が大きくなってきていると言えると思います。
情報量は増えるばかり
今私たちが1日のうちに接する情報の量は、江戸時代の一年分、平安時代の一生分と言われています。それだけの量の情報に接しているのですから、私たちの脳(特に情報処理能力)も、おそらくですが日々進歩してあるのではないかと思わされます。何か専門知識を持って働きをしている人にとって、この関心の輪で得られる情報は、言わば「食い扶持」とも言えるものです。
2)影響の輪とは?
それに対して影響の輪とは、関心領域に基づき、実際に自分の働きにおいて世界や他者に対して働きかけ、何がしかの変化をもたらすことのできる領域のことです。手軽に情報を得られる時代だからこそ、この「影響の輪」を見失ってはいけないと言われています。
この「影響の輪」は、コミュニケーション力はじめ、伝える技術、表現力、人間力などによって生み出されるものです。ところがこの「影響の輪」には考えなければならないとても大切な問題があります。それは、この影響の輪を広げるためにまずは考えなければならない問題で、通常、2通りの受け止められ方がされています。
①生まれ持ったものという考え方
1つは、これに関わる人間力とかコミュニケーション力は、大きくは生まれ持ったもので、努力によって変えられる部分は少ないという考え方です。ヨーロッパ諸国でこのような受け止め方がされる傾向にあるようです。
この考え方に立つのであれば、もっと人は自分を知る必要があり、本来の自分の姿を見出し、自分の個性を発見していくことが大切だということになります。
②努力次第によるという考え方
2つ目は、アメリカにおいてそうであるように、一人一人の努力によって何とかなるものという考え方です。日本の書店で売られているビジネス系の書物の内容は、このアメリカ的な考え方が根底にあると言えます。
この成功は個々人の努力次第という考え方に立つのであれば、本を読んだりセミナーに参加したり、自己成長の機会に触れ、自己投資していくことが大事ということになります。
3)2つの「影響の輪」
どちらが正しいにせよ、この「関心」と「影響」の視点では、一般に、「影響の輪」をできるだけ広げていくことが大事だとされています。でも私は、まずその影響の輪を広げる前に覚えておかないといけない、とても大切なことがあると思っています。
それは、関心の領域には、実は2つの領域がある、ということです。
①専門知識の輪
1つ目は、専門知識としてのそれです。どんな分野についても、体系的な知識を得て、何か問題が起こった時にバランスの取れた、広い視野からの解決策を選択していく必要があります。私も一年に一冊は、新しい薬理学の教科書を読む必要を感じています。
②顧客を理解する輪
2つ目は、この「関心の輪」には領域があると考えています。それは私たちが働きかける対象である「顧客」についての関心から生じる「輪」のことです。
人が何を考え、どんな視点を持っているのか。仕事をしていて、それを見失ってしまうということがあります。私たちは生産者ですが、同時に消費者ですから、顧客の思いは知っていそうではありながら、それを見失ってしまうのです。これは本当に不思議なことです。ですから改めて仕事の現場で、人について改めて学び直す必要がある・・。その理由ははっきりとは私にもわかりませんが、そういうものなのだと思います。
人を知る上での学びの上でとても大切なことは(当たり前のようですが)、人間についての関心を持ち続けることだと思います。それは人の心を理解するということです。相手の立場に自分を置いて、相手の気持ちを類推し、相手の心を知っていくこと。
それであればこそ、専門知識として得た自分の知識を顧客のために効果的に運用していくということができるようになるのだと思います。
結論:「影響の輪」を生み出すもの
以上のような、専門知識としての関心の輪と、それから顧客に対しての理解という「輪」。その両者を結びつけるところに生み出されるのが、私は「影響の輪」だと考えています。
「影響の輪」は、相手を思いやる心、それに基づく技術とその練達、そして自分の人格や良心などによって生み出されものだと思います。自分はこのような自分に生まれたからといった具合に言い訳出来ない部分があると思います。
努力して得る知識も大事だけど、その取り組みの中でも自分を見失わないようにしないといけない。言い換えると、自分の社会での働きは、自分の心の働きである。その視点が大事なのだと思うのです。それを見失うといろいろなものが崩れていくのではないかと思っています。
これからも目の前の1人の顧客のために何が出来るかを考え、課題があればそれを乗り越えるための努力をして行きたいと思っています。
今後ともよろしくお願い致します。