空き家を放置すると損をする?税金と管理リスクを徹底解説

「実家を相続したけれど、誰も住んでいない」「転勤でしばらく空き家になる」
そんなご相談を受けることが近年非常に増えています。
人口減少と高齢化が進むなか、全国で増え続ける空き家。
総務省の調査では、静岡県でも空き家率が15%を超え、今や「どこにでもある身近な問題」になっています。
空き家の多くは、所有者が悪いわけではありません。
しかし、“管理されない空き家”は、防犯上のリスクや地域トラブルの原因になり、最終的には所有者自身の資産価値を下げてしまいます。
本記事では、不動産の現場で空き家管理を数多く手掛けてきた立場から、「防犯」と「地域トラブル防止」に焦点を当て、今日からできる空き家対策
を徹底的に解説します。
目次
第1章 なぜ空き家が防犯・トラブルの温床になるのか
1. 人の気配が消えることで、犯罪の対象になりやすい
防犯の基本は「人の目」と「気配」です。
家が長期間使われていないと、郵便物の山、枯れた庭木、閉め切ったカーテンなどから、
「誰もいない」と外部に伝わってしまいます。
空き巣や放火、器物損壊、さらには不法侵入・不法投棄など、“空き家”というだけでターゲット
になってしまうのです。
特に静岡のように住宅地と田畑が混在する地域では、夜になると人通りが少なく、「少し暗い家」があるだけで防犯意識が薄く見えてしまうケースもあります。
2. 周囲への迷惑が“近隣トラブル”へと発展
もうひとつ大きな問題は、地域への影響です。
放置された庭木が越境して隣地の屋根にかかる。
落ち葉が排水を詰まらせ、雨の日に近所の敷地が水浸しになる。
野良猫や害虫が住みつく。
こうした小さな“管理不足”が、近隣住民にとってはストレスになります。
最初は「しょうがないね」で済んでも、何年も放置されると、「あそこの家は迷惑だ」という話になり
やがて行政に通報されることもあります。
放置空き家は、所有者の印象=家の印象
として残ります。
結果的に「売れにくい家」になってしまうのです。
第2章 防犯とトラブルを防ぐための基本対策

空き家の防犯・トラブル対策には「外見」「設備」「管理頻度」
この3つの柱が大切です。
それぞれ、現場で効果の高い具体策を紹介します。
1. 外観を“人が住んでいるように”保つ
最も基本的で、最も効果があるのが見た目の管理です。
●定期的にポストを空にする
●カーテンを閉め切らず、昼間は少し光を通す
●玄関先や庭木の手入れを月1回でも行う
●雑草は20cm以上伸ばさない
●表札や郵便受けの名前を残す(空き家と悟らせない)
この「人の生活の気配」を演出するだけで、
侵入犯の心理的ハードルは大きく上がります。
静岡市内では、空き家に防犯カメラのステッカーを貼るだけで効果が出たという事例もあります。
防犯は「完璧さ」より「気配の維持」がポイントです。
2. 設備面の防犯強化
外観だけでなく、物理的な対策も欠かせません。
●玄関・勝手口の補助錠を設置する
●センサーライトやソーラー式ライトを玄関・裏庭に設置
●空き巣対策のダミーカメラを取り付ける
●古い木製扉や錠前は早めに交換する
●可能なら警備会社の簡易プランを契約する
最近は、月1,000円以下で契約できる簡易防犯サービスも増えています。
「人が見ている」「記録されている」という印象を与えるだけでも十分な抑止力になります。
3. 定期巡回・清掃による“動き”を見せる
最も効果的な防犯は、「定期的に人が出入りしている」こと。
どんな防犯グッズよりも、“動く人の存在”が最大の deterrent(抑止力)です。
空き家管理サービスでは、月1〜2回の巡回で以下を実施しています。
●通風・通水(湿気・配管トラブル防止)
●外観チェック(破損・侵入跡などの確認)
●草木・庭木の確認・軽剪定
●郵便物の回収
●玄関・窓の施錠確認
●写真付き報告書の送付
こうした“定期的な動き”が近隣への安心感にもつながります。
第3章 地域トラブルを防ぐための心構え
1. 近隣に「伝える勇気」を持つ
意外と効果があるのが、「所有者の存在を知らせておく」ことです。
「〇〇市△△町の空き家は、現在息子の私が管理しています。何かあればご連絡ください。」
と書いた簡単なメモを郵便受けやポストの内側に入れておくだけでも安心感が生まれます。
近隣住民は「誰が持ち主かわからない」ことに不安を感じます。
所有者の連絡先がわかるだけで、トラブルの芽を摘むことができます。
2. 地域行事や自治会との関係を切らさない
空き家にしていても、自治会の連絡網から抜けないことをおすすめします。
防災やごみ出しルール、街灯設置など、地域の情報が入らなくなると、
知らないうちに“迷惑空き家扱い”されてしまうケースがあります。
可能であれば、年に1回でも近所の方に顔を出す・電話する。
「今年も草刈りお願いしました」「管理しています」と伝えるだけで、印象は大きく違います。
3. 行政からの連絡を放置しない
自治体によっては、「管理不全空き家」や「特定空家」に認定される前に、
指導や通知が来ることがあります。
この段階ですぐに対応すれば、行政との関係は悪化しません。
しかし放置すると、「指導→勧告→命令→行政代執行」と進み、
最終的には解体費を請求されることもあります。
行政から連絡が来たときこそ、冷静に対応し、
「今後の管理計画」を提示することが重要です。
第4章 プロが行う空き家管理とは

ここからは、弊社 株式会社エステージ が行っている
空き家管理サービスの内容を紹介します。
空き家管理は「形式的な巡回」では意味がありません。
“資産として守る”ことを目的にした実務的な管理が必要です。
→ エステージの空き家管理プラン
私たちの管理は、単なる巡回ではなく「不動産のプロ目線」で行う点が特徴です。
【基本内容(月1回または2回コース)】
●通風・通水(換気・配管の詰まり防止)
●郵便物の整理・回収
●外観・屋根・外壁・塀などの点検
●庭木・雑草の確認、軽剪定
●施錠確認・簡易清掃
●写真付き報告書の送付
【オプション】
●室内清掃・除湿剤設置
●草刈り・伐採
●建物劣化診断
●解体・売却・賃貸のご相談
報告書には、現地写真と点検結果をまとめ、遠方の所有者様にもメールで送信いたします。
→ 詳しくは公式サイトへ エステージ
→ 管理が“売却の準備”にもつながる
定期的に管理しておくことで、いざ売却する際にもスムーズに査定・契約へ進めます。
実際、空き家管理を続けていた方は、草木や湿気の影響が少なく、査定価格が10〜15%高く出る傾向があります。
管理=支出ではなく、「将来の資産価値を守る投資」と考えていただくことが大切です。
第5章 静岡でよくある「空き家トラブル」事例と教訓
事例①:放火未遂になった空き家
静岡市葵区で、相続後3年放置された住宅。
近隣住民が異臭に気づき通報、調査すると不法侵入の痕跡が。
侵入者が中で焚き火をしており、火災寸前でした。
→ 対策:防犯カメラ・巡回導入後、再発なし。
事例②:草木越境からの損害請求
駿河区の住宅で、隣地の屋根に枝が接触し、台風で瓦を破損。
修繕費を求められた事例。
→ 対策:年2回の剪定で防止可能。
事例③:行政からの改善指導で自主解体へ
清水区で、外壁が崩れかけた老朽家屋があり、近隣から「危険ではないか」と通報を受けて市が現地確認。
静岡市は現時点で「特定空家」の指定実績はありませんが、このケースでは管理不全空家として改善を要請。
所有者が自費で解体し、早期に問題を解決しました。
→ 対策:行政からの通知が届いた時点で迅速に対応すること。
指導段階での修繕・相談を行えば、指定や強制解体に至ることはありません。
どれも「少しの管理不足」が大きな損失を招いた例です。
“管理している”という姿勢が最大の防犯であり、地域貢献です。
第6章 まとめ:防犯・管理は「地域との約束」

空き家は、持っているだけでは資産ではありません。
管理してこそ価値を生み、
放置すれば“迷惑”と見なされる その分岐点はすぐそこにあります。
防犯もトラブル防止も、特別なことではありません。
・見た目を保つ
・設備を整える
・定期的に人が動く
この3つを継続するだけで、家も地域も守れます。
私たち 株式会社エステージ は、
「不動産を守る=地域の安心を守る」ことだと考えています。
家が人をつなぎ、人が街をつくる。
もし今、遠方の実家や使っていない家があるなら、
ぜひ一度、空き家管理サービスをご検討ください。
エステージの空き家管理はこちら
“誰も住まない家”を、“地域から見守られる家”に。
それが、これからの空き家対策の形です。






