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実家じまいを考えるときに知っておきたい不動産売却の流れ

尾崎友則

尾崎友則

テーマ:不動産売却

実家じまいを考えるときに知っておきたい不動産売却の流れ
「もう誰も住まなくなった実家を、このままにしておくのは心配で…」
そんなご相談を受けることが、ここ数年で本当に増えました。
親が住んでいた家をどうするか――。
「実家じまい」という言葉が一般的になったように、
家を手放す決断には、感情と現実の両方が深く関わってきます。
思い出が詰まった家だからこそ簡単には決められない。
でも、放置すれば老朽化や税金の負担、将来的なトラブルにもつながります。
私は静岡で多くの“実家じまい”をお手伝いしてきましたが、
共通して感じるのは「流れを知っていれば、心の整理も早く進む」ということ。
今回は、実家じまいを考え始めた方へ向けて、
不動産売却の基本的な流れを、分かりやすく、実例を交えながらお話しします。

第1章 実家じまいの第一歩は「現状を知ること」

「とりあえずそのままにしている」――。
この状態のまま数年経ってしまう方は多いです。
しかし、不動産は“時間が経てば経つほど”劣化し、価値も下がります。
まず最初にやるべきことは、現状を正しく把握することです。

① 所有者と名義の確認

実家が親名義のままになっていないか、登記簿を確認します。
もしすでに亡くなられている場合は、相続登記が必要です。
2024年からは登記が義務化されているため、放置はリスクです。

② 建物の状態をチェック

屋根や外壁、室内の状態、雨漏りやシロアリの有無など、
売却の際に大きく影響するポイントを専門家に見てもらうのが安心です。

③ 税金と費用の整理

固定資産税評価証明書を確認し、売却時にかかる諸費用(登記費用、仲介手数料、測量費など)も把握しておきましょう。
現状を整理して初めて、“どう動くか”の方向性が見えてきます。

第2章 売却か、賃貸か、それとも“空き家管理”という選択肢

第2章 売却か、賃貸か、それとも“空き家管理”という選択肢
実家をどうするか――。
多くの方がまず「売るか残すか」で悩まれます。
ですが実際には、もう一つの現実的な選択肢として「空き家管理」があります。

① 売却して現金化する

「遠方で管理ができない」「税金や草刈りが負担」
そんな場合は、思い切って売却して整理するのが最もすっきりした方法です。
空き家を放置すると老朽化が進み、最終的に解体費がかかることもあります。
早めの決断が結果的に損を防ぐケースも多いです。

② リフォームして貸す

「まだ使える家だし、壊すのは忍びない」
そんな方には、賃貸として再活用する方法もあります。
ただし、貸すにはリフォームや設備の修繕が必要になる場合もあり、
初期投資がどのくらいかかるのかを試算しておくことが大切です。
弊社では、“貸すべきか売るべきか”を損得の観点から比較するご相談も多くいただきます。

③ 空き家管理という選択肢

「すぐには売りたくない」「気持ちの整理がつかない」
そういったときに最適なのが、空き家管理サービスです。
空き家は、誰も住まなくなると想像以上に早く傷みます。
通風・通水をしないと湿気がこもり、カビや腐食が進行します。
また、防犯面でも人の気配がなくなると、
不法侵入や放火のリスクが高まります。
そこで、弊社では月に1〜2回の巡回を行い、
・通風・通水
・外観チェック
・簡易清掃・庭木確認
・郵便物の整理
・写真付き報告書の送付
といった内容を、オーナー様の代わりに行っています。
「まだ売ると決めていないけど、とりあえず安心したい」という方からの依頼が年々増えています。
このサービスを利用することで、
建物の劣化を防ぐだけでなく、いざ売却する際に査定額が下がりにくくなるというメリットもあります。

④ “焦らず選ぶ”ことが一番の近道

実家をどうするかの選択は、どれが正解というものではありません。
それぞれのご家族の状況、心の整理の進み具合、経済的な条件によってベストな答えは違います。
大切なのは、焦って結論を出さずに、
「今できる最善の管理・活用」を選ぶこと。
その選択の積み重ねが、後悔のない“実家じまい”につながっていくのだと思います。

第3章 売却の流れを知っておく

第3章 売却の流れを知っておく
では、実際に「売却」を選んだ場合、どんな流れで進むのか。
初めての方でも分かりやすいように、5つのステップに分けてご説明します。

STEP1 不動産会社へ査定依頼

まずは、「いくらで売れるのか」を知るところから始めましょう。
査定には「机上査定」と「訪問査定」がありますが、
実家じまいのようなケースでは訪問査定が必須です。
建物の傷み具合、立地、周辺環境などを総合的に見なければ正確な価格は出ません。
静岡では、同じ坪数でもエリアによって価格が大きく異なります。
駿河区と葵区では相場の傾向も違うため、地域の相場を知っている会社に依頼することが大切です。

STEP2 売却方針の決定

査定結果を踏まえ、
●仲介で一般市場に出すか
●不動産会社に直接買い取ってもらうか
を決めます。
早く現金化したい、手間をかけたくない方は買取、
少しでも高く売りたい方は仲介が向いています。
弊社ではどちらも対応していますが、
無理にどちらかを勧めることはしません。
お客様の状況に最も合う方法を一緒に考えます。

STEP3 販売活動

仲介を選んだ場合は、ここから広告・販売が始まります。
SUUMOなどのポータルサイトや、自社ホームページへの掲載、チラシ配布などで買主を探します。
空き家の場合、内覧時の印象が重要です。
草刈りや簡易清掃をしておくだけでも印象が大きく変わります。
弊社では事前にそのあたりも丁寧にアドバイスしています。

STEP4 売買契約

購入希望者が見つかれば、条件を交渉し、
価格や引き渡し時期を決めて契約を結びます。
この段階では、
・登記関係書類
・身分証明書
・印鑑証明書
・固定資産税納付書
などを準備しておきましょう。
相続登記がまだの場合は、司法書士を通して同時進行で行うことも可能です。

STEP5 引渡しと代金受領

契約から1〜2ヶ月ほどで、買主へ引き渡しが行われます。
残代金の受領と同時に、所有権移転の登記を行い、
これで実家の売却手続きが完了します。
売却後は、譲渡所得税の申告が必要なケースもあります。
相続した家を売る場合、条件を満たせば「相続空き家の特例(3,000万円控除)」が使える場合もあります。
このあたりは税理士と連携しながら、最も有利な形をご案内しています。

第4章 実家じまいの現場でよくあるご相談


● 「兄弟が遠方にいて話が進まない」
相続人が複数いる場合は、売却方針を全員で決める必要があります。
実際には代表者を立て、委任状を作成する形でスムーズに進められます。
● 「荷物が多くて片づけが大変」
残置物の整理も含めて業者を手配できます。
「売る前に片付ける」「売った後に残置物を撤去する」どちらも対応可能です。
● 「建物が古く、解体が必要か迷っている」
解体して更地で売るのが良いのか、現状のまま売るのかは、
立地と需要によって異なります。
現場を見て、どちらが“売主にとって得か”を判断することが重要です。

第5章 心の整理をする時間も大切に

私は「実家じまい」は単なる不動産取引ではないと思っています。
長年家族が暮らした思い出があり、
ご両親や祖父母の姿が残る家を手放すことには、
誰しも少なからず迷いや寂しさを感じます。
実際、査定の際に「まだ売ると決めたわけではないんです」と涙ぐまれる方も珍しくありません。
でも、どんな選択をするにしても、気持ちの整理がついたときにスムーズに動ける準備をしておくことは大切です。
売る・残すを決めるのは、そのあとで構いません。
私の役割は、ただ家を売ることではなく、
「この家をどうしていくか」を一緒に考えることだと思っています。

まとめ

まとめ
実家じまいを考えるとき、何から始めたらいいか分からず、
そのまま時間だけが過ぎてしまう方が少なくありません。
けれど、不動産は“動いた人から結果が出る”ものです。
まずは現状を知ること。
次に、売るのか・貸すのか・管理するのかを整理すること。
そして、信頼できる不動産会社に相談すること。
それだけで、実家じまいは驚くほど前に進みます。
静岡市内では、空き家の老朽化や税金負担の問題が年々深刻になっています。
けれど、早めに動けば、売却によって得た資金を次の生活資金やご家族のサポートに活かすこともできます。

弊社「不動産買取売却センター静岡」では、
仲介・買取・空き家管理・相続サポートまでワンストップで対応しています。
「まだ迷っている」「すぐには決められない」――それでも構いません。

実家じまいは、“家を終わらせること”ではなく、
“想いを次につなぐこと”。
その第一歩を踏み出すお手伝いを、心を込めてさせていただきます。

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専門家

尾崎友則(宅地建物取引士)

不動産買取売却センター静岡(株式会社エステージ)

不動産売却の仲介買取、相続不動産の活用、空き家管理、古家再生など、お客様一人一人の状況や要望を考慮し全力でサポート。あらゆるニーズに合わせた最適な解決策を、スピーディーかつ丁寧にご提案します。

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