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空き家を放置すると損をする?税金と管理リスクを徹底解説

尾崎友則

尾崎友則

テーマ:空き家


最近、「親が住んでいた家が空き家のままで…」というご相談を受けることが増えました。
相続後、誰も住まなくなった家をそのままにしておく――実は、静岡市でもかなり多い現実です。
しかし、空き家を「何もせず放置すること」は、想像以上にリスクが大きいのをご存じでしょうか。
固定資産税が上がる、建物が傷む、近隣トラブルになる、最終的には“売りたくても売れない”状態になる…。
私はこの仕事を長くしてきて、「あのとき動いておけば良かった」と後悔される方を何度も見てきました。
この記事では、空き家を放置することによる税金・管理・法律上のリスクを具体的に解説しながら、
「どう対処すれば損をせずに済むのか」を、静岡の現場目線でお伝えします。

1. 空き家の現状 ― 静岡でも確実に増えている

総務省の調査によると、日本の空き家率はすでに**13.8%(約900万戸)**を超えています。
静岡市内でも、郊外エリアを中心に「誰も住まない家」「管理されないままの家」が年々目立つようになりました。
特に多いのが次のケースです。
・相続で親の家を受け継いだが、誰も住まない
・賃貸に出す予定が立たず放置している
・売るのは気が引けて、気づけば数年そのまま
初は「そのうち考えよう」と思っていても、時間が経つほど建物は傷み、価値が下がっていきます。
空き家を“持っているだけで損をする”という現実は、静かに、でも確実に進行しているのです。

2. 空き家を放置することで発生する主なリスク

空き家を放置することで発生する主なリスク
実は、空き家を放置していると税金が上がる可能性があります。
通常、住宅が建っている土地には「住宅用地特例」が適用され、土地の固定資産税は最大6分の1に軽減されています。
ところが、建物が老朽化して倒壊の恐れがある、庭木やごみが放置されて景観を損ねているなど、
自治体から「特定空家等」に指定されると、この軽減措置が外れてしまいます。
つまり、同じ土地でも税金が6倍になるケースがあるということ。
静岡市でも実際にこの指定を受けた家があり、「まさかうちが…」という相談を受けたことがあります。

(2)老朽化・損壊による管理責任

誰も住まない家は、想像以上に早く傷みます。
通気・換気をしないことで湿気がこもり、柱や床が腐食。屋根の劣化が進めば、強風や台風時に瓦が飛ぶ危険もあります。
万一それが近隣の建物や人に被害を与えた場合、所有者が損害賠償責任を問われることもあります。
空き家は「人がいないから大丈夫」ではなく、「人がいないからこそ危険」なのです。

(3)不法侵入・放火などの防犯リスク

静岡でも、空き家への侵入・放火・不法投棄のトラブルは実際にあります。
一度荒らされると、修繕費も増え、印象も悪くなり、結果的に売却が難しくなる。
防犯の観点からも「放置」は最悪の選択肢です。

(4)資産価値の下落

建物は“使わないほど傷む”ものです。
特に木造住宅では、5年、10年と経つうちに劣化が進み、再利用できる状態ではなくなることも。
そうなると、買い手は「解体前提」として見積もるため、土地の評価額から解体費を差し引いた価格
しかつかなくなります。

3. 空き家を放置しないための3つの対策

空き家を放置しないための3つの対策

対策①:定期的な管理・点検を行う

最低でも年に数回は通風・清掃・外観確認を行うことが大切です。
遠方にお住まいの場合は、地元の不動産会社や管理業者に委託する方法もあります。
弊社でも「空き家管理サービス」を行っており、
通風・通水・郵便確認・簡易清掃・写真報告など、オーナー様の代わりにしっかり見守ります。
「今すぐ売るわけではないけど、とりあえず安心したい」という方にも好評です。

対策②:リフォーム・リノベーションで再活用

「思い出の家を壊すのは忍びない」という方には、
リフォームして貸す・セカンドハウスとして使うなどの方法もあります。
古い家でも、設備を整えれば需要は十分あります。
静岡市内でも、草薙・駿河区エリアではリフォーム再販の動きが活発です。
再生できる家を“壊さず活かす”選択肢も、これからの時代は大切だと思います。

対策③:売却して現金化する

維持管理が難しい、遠方に住んでいる、相続人が複数いる――。
そんな場合は、売却という選択が最も合理的です。
売却によって税金・維持費の負担から解放されるだけでなく、
「相続空き家の特例」などを使えば譲渡所得から最大3,000万円の控除を受けられる場合もあります。
これを知らずに数年後に売ると、控除が使えなくなっていることも多いので、
“今のうちに動く”ことが、最も損を防ぐポイントです。

4. 私が見てきた「放置して後悔したケース」

実際にご相談を受けた中で印象的だったのは、
葵区のあるお客様のケースです。
お母様のご逝去後、「気持ちの整理がつかず、実家をそのままにしていた」とのこと。
5年後に売却を検討した際には、建物は屋根が抜け、庭木は伸び放題。
結果、解体が必要になり、300万円近い費用を差し引いた価格での成約となりました。
「もう少し早く動いていれば、あの家を誰かに使ってもらえたのに」と、
ご本人がぽつりとおっしゃった言葉が忘れられません。
空き家問題は“感情の整理”と“現実の負担”の両面があります。
だからこそ、私は「今すぐ売りましょう」とは言いません。
まずは現状を把握し、どの道を選ぶのが最善かを一緒に考えることから始めるのです。

5. 「空き家と向き合う第一歩」

空き家は、放っておいても誰も助けてくれません。
でも、正しい知識と行動を取れば、まだ十分に価値を取り戻せる資産でもあります。
壊すのか、残すのか
・管理するのか、売却するのか
・自分が動くのか、専門家に任せるのか
・どの選択も、早い段階で動いた方が“損をしない”。
これは静岡で数多くの現場を見てきた私の実感です。

まとめ

まとめ
空き家を放置すると、「税金」「老朽化」「責任」「価値の下落」――
すべてが“負担”へと変わっていきます。
特に特定空家に指定されると、固定資産税が6倍になるというのは多くの方が知らない落とし穴です。
「親の家をどうするか」「いずれ売るつもりだけど今はまだ…」
そんなお気持ちの方こそ、まずは一度、現状を知るための相談をしてほしいと思います。
放置してからでは遅く、今ならまだ選択肢があります。
弊社「株式会社エステージ」では、
売却・買取だけでなく、空き家管理・再生リフォーム・税務連携まで、
お客様の状況に合わせて最適なプランをご提案しています。
空き家は“悩み”ではなく、“資産”に変えることができます。
静岡の不動産を知り尽くした地元のプロとして、
「相談してよかった」と言っていただけるように、心を込めてサポートいたします。
もし今、空き家をどうしようかと迷っているなら――
まずは一度、私たちにご相談ください。
お話を聞くだけでも、きっと気持ちが少し軽くなるはずです。

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尾崎友則
専門家

尾崎友則(宅地建物取引士)

不動産買取売却センター静岡(株式会社エステージ)

不動産売却の仲介買取、相続不動産の活用、空き家管理、古家再生など、お客様一人一人の状況や要望を考慮し全力でサポート。あらゆるニーズに合わせた最適な解決策を、スピーディーかつ丁寧にご提案します。

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