相続の話を“まだ早い”と言う家族にこそ伝えたいこと

相続で不動産を受け継いだとき、
「せっかく親が残してくれた家だから、売るのは気が引ける」
「でも管理するのも大変だし、固定資産税も負担になる」
そんな気持ちの間で揺れる方は、本当に多いです。
実際、私のところにも「この家、どうするべきでしょうか?」というご相談が毎月のようにあります。
残すか、売るか――正解は一つではありません。
ただ、どちらに進むにしても**“判断の根拠を持つこと”**が何より大切です。
今回は、静岡市で多くの相続不動産のご相談を受けてきた立場から、「残す」と「売る」を考えるためのポイントをお伝えします。
残すか売るかを決める前に整理すべきこと

相続した不動産をどう扱うかを考える前に、まず確認すべきなのは次の3つです。
1.名義は誰になっているか(相続登記)
未登記のままだと売却も管理もできません。
2024年からは相続登記が義務化され、放置すると過料の対象になる可能性もあります。
2.維持費と管理負担
固定資産税、草木の手入れ、空き家管理など、思った以上に手間とお金がかかります。
特に遠方に住んでいる場合、現実的に維持できるかを冷静に考えることが大切です。
3.将来的な利用予定
将来、子どもが住む・貸す・建て替える予定があるか。
何も予定がない場合は、残すよりも「次の活かし方」を検討した方が良いケースもあります。
「残す」メリットとデメリット

●メリット
・思い出の詰まった家を守れる
・将来的に子や孫が使える
・売却よりも感情的な納得感が得られる
●デメリット
・維持費・税金・手入れなどが継続的に発生
・誰も住まなくなると「特定空家」に認定されるリスク
・相続人が複数いる場合、管理方針で意見が分かれる
相続の現場でよくあるのが、「とりあえず残しておこう」とした結果、数年後に建物が老朽化し、結局“売りにくい空き家”になってしまうケース。
感情的には残したいけれど、現実的な管理の見通しを持たずに残すのは危険です。
「売る」メリットとデメリット
●メリット
・現金化できるため、相続人間での分割がスムーズ
・維持管理の負担がゼロになる
・相続税や固定資産税の支払い資金を確保できる
●デメリット
・思い出の場所を手放す寂しさ
・タイミング次第で市場価格が変動
・家財整理や解体費などの費用がかかることも
ただし、相続不動産の売却には「居住用3,000万円特別控除」や「相続空き家の特例」など、税金面での優遇制度もあります。
制度を上手に使えば、実際の手取り額が大きく変わることもあります。
判断のポイントは「感情+損得+将来性」
相続不動産の扱いは、“気持ちだけ”でも、“お金だけ”でも決められません。
私がいつもお客様にお伝えしているのは、次の3つの視点です。
1.感情面:
残したい理由が「親の思い出」だけでなく、「自分たちにとって意味があるか」
2.経済面:
維持費、税金、将来の修繕費まで含めてシミュレーションしてみる
3.将来性:
今後その不動産を「活かせる人」が家族の中にいるかどうか
この3つを冷静に並べて考えると、自然と“進むべき方向”が見えてくるものです。
私たちができること
弊社「不動産買取売却センター静岡」では、相続不動産の売却だけでなく、残す場合の管理や活用方法もご提案しています。
「まだ売るとは決めていない」「親の家をどうすべきか悩んでいる」そんな段階のご相談も大歓迎です。
不動産は“財産”であると同時に、“想い”でもあります。
その両方を大切にしながら、専門家として最善の道を一緒に考えるのが私たちの役目です。
まとめ

相続不動産を「売る」か「残す」かの判断に正解はありません。
ただ、どちらを選ぶにしても“行動しないまま時間だけが過ぎる”のが一番もったいないと、私は多くの現場で感じています。
空き家として数年放置してしまうと、建物の傷みが進み、固定資産税の優遇も外れ、売却価格はどんどん下がります。
一方で、早めに相談された方は、税制の特例を活かしてスムーズに現金化し、次の生活資金やご家族のサポートに充てられています。
もし今、「どうするのが正解か分からない」と感じているなら、それは“相談すべきタイミング”です。
売却を急がせるつもりはありません。まずは、残すメリット・売るメリットを一緒に整理してみましょう。
静岡で相続不動産をお持ちの方へ――。
「売る」「残す」どちらを選ぶにしても、後悔のない判断をするために。
どうぞお気軽に、不動産買取売却センター静岡へご相談ください。
きっと“心の整理”からお手伝いできると思います。



