競売取下げ・任意売却のプロ
横尾義巳
Mybestpro Interview
競売取下げ・任意売却のプロ
横尾義巳
#chapter1
「任意売却」とは、金融機関から住宅ローンの融資を受けている人が、不況や病気、ケガなどによる経済的理由で支払えなくなった時に、個人の意志で売却することです。
ローン返済が不可能になり、滞納・遅延が続いた場合、ローンを融資する金融機関は、不動産を差し押さえた上で、競売にかけて売却することができます。購入価格よりも低い価格で売買されるケースが多いため、不動産が売れても手元に多くの債務が残り、最悪の場合売れない事もあるのです。
「2008年のリーマンショック以降、静岡でも滞納や遅延が増えていますね。任意売却は、競売より高い価格で売るため債務も減ります。競売と比べて、債務者の第2の人生のスタート位置に、明らかに大きな差が出ますよ」。そう話すのは「静岡住宅ローン・任意売却相談センター」の横尾義巳さん。静岡県内はもちろん、最近では山梨、神奈川など隣県からも問い合わせが来る「競売取下げのエキスパート」です。
通常、競売になる前には裁判所から決定通知が届きます。横尾さんのもとには、通知を受け取って初めて事の重大さに驚き、戸惑いの電話をかけてくる人がほとんどだそうです。任意売却のノウハウは専門性が高いため、弁護士や司法書士、一般の不動産業者に相談してもなすすべがなく、結局、競売にかけられてしまうケースが多いのだとか。
「債権者全員の同意を得たり、引っ越し代を確保したりと、広く深い知識とスキルが必要です。期限ぎりぎりまで迷っていたばかりに、時間的余裕がなくなることもしばしばです。1分1秒でも早く連絡を頂ければ、解決への道も早まります」
#chapter2
長年、不動産業界で働いてきた横尾さんが、任意売却に興味をもったのは6年前。友人の住宅が競売にかけられると相談を受けたことがきっかけでした。「当時は任意売却についての知識がなく、どうしたら救えるのか、まったく知りませんでした。結果的には友人を救うことができず、住宅は競売にかけられてしまいました」と横尾さん。
不動産を扱う身でありながら手助けできなかった後悔から、横尾さんは独学で勉強を始めます。任意売却には、特別な資格などないものの、手法や手順には独特のルールがあります。業務の合間や休日を返上して東京や茨城、大阪、広島など、各地のセミナーに参加。そこで得た人脈に個別に教えを請うなどして、必要な知識を得たそうです。
相談を受けると、横尾さんは依頼者から詳しく事情を聞きます。そして競売前に不動産を売却することになれば、金融機関など債権者全員の同意を取り付けるために奔走します。その後、インターネットなどで不動産の情報網を駆使して買い手を探し、売却にこぎつけます。税金を滞納している場合には、関係自治体と交渉し、就学児童がいる場合には引っ越し先の学区を調べたりもします。
「なかには、その日の食べ物を買うお金もない、電気や水道を止められてしまっているという人も。時には米の差し入れや、プリペイド式携帯電話を貸し出したりもします。競売となれば、誰しも不安になるもの。不安を和らげるためにも、連絡はひんぱんにとり、対話を続けながら信頼関係を築きます」
#chapter3
人生のシビアな局面に寄り添い続ける横尾さん。浜松から富士、沼津、三島でも毎日県内全域を駆けまわります。任意売却をやめないのは、それによって救われる人を何人も見てきたからだと、横尾さんは言います。
「任意売却によって競売を免れ『ありがとうございました』とお電話をいただくとホッとします。逆に、住宅が競売にかけられ、負債が多額のままだと次の人生を歩もうにも一歩が出ない。任意売却で少しでも負債を軽くし、新たな気持ちで第二のスタートを切ってほしいと願うんです」
そのためにもローンが滞りそう、競売になりそうだと分かった時点で、すぐにでも相談して下さい、と横尾さん。そして悪質な勧誘にはくれぐれも注意してほしいとも話します。
「残念なことに、この状況を悪用する業者が絶えません。『うちに売ってくれたら100万円渡す』といいながら、安い値段で買いたたき、約束の金額も支払わないブローカーのような業者もいるほどです。しっかり対応できる任意売却の専門家がいるところを見定めて相談することが、何よりも大切なのです」
相談にはいつでも対応できるよう、携帯電話は肌身離さず持っている横尾さん。その姿勢から「救いたい」との一心が伝わってきます。
(取材年月:2011年9月)
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Profile
競売取下げ・任意売却のプロ
横尾義巳プロ
住宅ローンアドバイザー
(株)ユニバーサル総研「静岡住宅ローン任意売却相談センター」
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