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運送・倉庫業にITソリューションを提供することで、物流の業務効率アップをお手伝い

ITソリューションで業務を効率化させる物流のプロ

錦織大輔

錦織大輔 にしこおりだいすけ
錦織大輔 にしこおりだいすけ

#chapter1

クラウドサービス等を活用した出庫・在庫管理システムで、脱属人化、見える化を推進

 「デジタル技術を用いた物流の脱属人化、見える化を推進し、お客さまの業務効率アップのお手伝いをします」と話すのは、島根県出雲市に本社を構える「錦織運送」の4代目で、取締役を務める錦織大輔さん。学生時代に習得したシステム管理などの知識をもとに、運送・倉庫業におけるITソリューションの提供に力を入れています。

 錦織さんが熱心に取り組むのが、クラウドサービスを活用した商品の出庫、在庫管理です。
 「メールによるやり取りでは、担当者のパソコンを開かないとメッセージを見ることができず、現状を追うことができません。また電話だと、聞き間違いや伝達ミスが発生しやすくなります。その点、クラウドサービスならインターネットを通じていつでも誰でも情報を閲覧できるので、特定の人に依存する心配がありません」と利点を説明します。

 「とはいえ、ITの習熟度には個人差があります。不慣れなお客さまには、まずグーグルのスプレッドシートのように無料で導入しやすいものをおすすめしています。ダウンロードやインストールをしなくても無料で使用できるもので、エクセルのような機能を備えたシートをWeb上で共有し、複数人が同時に編集することができます。進捗状況を常に従業員が確認できるので、抜け、漏れのリスクを低減することができます」

 1954年に創業して以来、六十余年にわたり培ってきた輸配送の経験知で、顧客の要望に添ったシステム構築も手掛けます。
 「お客さまの実情に合わせた合理的な仕組みづくりで、作業の精度を上げ、円滑な事業活動を図れるのが私どもの強みです」

#chapter2

顧客の声をきっかけに普通倉庫業に進出し、小口の荷物にも対応

 錦織さんのもとでは、自動車部品や清掃用品、書籍、楽器などさまざまな商品を扱い、島根県をはじめ、中国地方一円をカバー。地場企業はもちろん、全国展開する事業者のエリア配送も手掛け、県外の顧客が売り上げの約8割を占めます。2017年には、顧客のニーズに寄り添うために普通倉庫業に進出。出雲市内に約100坪の倉庫を整備しました。

 「『少量から品物を預かってくれるところが少ない』とお困りのお客さまが多く、少しでもお役に立てればと、新規事業を立ち上げました。倉庫は近隣の同業者と比べて小規模ですが、小口にも対応するべく、あえて小回りの利く大きさにしました。県内外問わずお客さまの“配送拠点”として、気軽に使っていただきたいですね」

 荷積みをする際はトラックの重心を考える必要があり、効率よく入出庫するための荷物の置き方に工夫が欠かせません。また、誤出荷があれば再配送の手配など膨大な手間が伴います。
 「ノウハウを持った業者にお任せいただくことで、トラブルの種をつむことができます。お客さまからは、『荷物の仕分け、管理、運送を一貫して任せることで各工程がスムーズになることで当業務に割く時間が減り、物流コストの削減につながる』とのお声を頂戴しています」と錦織さん。倉庫を設けたことでサービスの幅が広がったと言います。

 「特に製造業は慢性的な人材不足で、ピッキングなどに人員を割くのが難しく、業務の質を維持するのはもっと難しいです。弊社が物流面の実務をサポートすることで、お客さまには本業に専念していただきたいと思っています」

錦織大輔 にしこおりだいすけ

#chapter3

「数字と気持ちのバランス」を大切にし、総合物流業者としての成長を目指す

 錦織さんは地元の高校を卒業後、関西の大学に進学。大学院ではメカニック系工学を専攻しました。
 「当初は、専門性を発揮できる分野への就職を検討していました。しかし『この業界に未来はない』という先輩の言葉で考え直し、家業に就くことを決めました」

 2017年に錦織運送に入社しますが、初めのうちは社風になじむのに苦労したそうです。
 「運送業は、気合や根性など精神的なタフさを重視する昔ながらの気質が残っています。ところが私はガチガチの理系で理論を振りかざすタイプ。合うはずもなく、古参の社員から『おまえはそんなに偉いのか』と言われたこともありましたね」

 それでも、得意のITを生かして業務改革に着手。さらに、取引などに付随する企業法務についても勉強を重ねました。これらの努力が奏功し、入社3年目にある重要な契約を獲得。そこから従業員が認めてくれるようになったと振り返ります。

 錦織さんが仕事で心掛けるのは、数字と気持ちのバランスだとか。「会社の経営において数字は重要。しかし理屈だけでは人は動きません。会社に入り、少しずつですが人間として成長できているかなと感じています」

 今後は、物流に限らず、より多くの供給プロセスに係わる「ロジスティックス」会社を目指す一方で、「従来のお客さまの悩みにも応えていきたい」と意欲を見せます。
 「積極的にお客さまと関わり、それぞれが抱える課題に対する解決策を提案することで共に大きく飛躍する。そんなWin-Winの関係を築いていきたいですね」

(取材年月:2022年9月)

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錦織大輔

ITソリューションで業務を効率化させる物流のプロ

錦織大輔プロ

物流サービス

錦織運送株式会社

デジタル技術を用いた物流の脱属人化、見える化で、お客さまの業務効率の向上をお手伝い。小口荷物にも対応した倉庫も完備しており、顧客の物流業務を多角的にバックアップします。

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