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それって占い?!占い師や鑑定士を名乗る者から次々とメッセージが届いてやめられない -占いサイトのトラブルに注意-
私のところには、占いサイトやアプリ(以下、占いサイト等)に関する相談がたくさんあります。
全国の消費生活センター等でも年間 1,000 件以上寄せられており、2019 年度以降、増加しています。特に女性の相談が多く、8割が女性のトラブルです。
あなたが無料のつもりで占いサイト等に登録すると、占い師や鑑定士を名乗る者に「あなたは素晴らしい金運を持っている」「良縁に恵まれる」などと言われ、複数回にわたって占いや運勢鑑定と称したやりとりをしたものの、金運や恋愛運の向上等の結果は得られず、やりとりのために高額なお金を支払ってしまったなどのトラブルがみられます。
そのほか、「占いサイトに名前や生年月日等を登録してから、知らないサイトからメールがたくさん届くようになった」など占いサイト等に関連した迷惑メールや、電話の占いサービスに関する相談も寄せられています。
そこで占いサイト等に関する相談事例や問題点を紹介し、トラブルの未然防止に向けてあなたへの注意喚起を行います。
図1.PIO-NET1にみる占いサイト等に関する相談件数
PIO-NET(パイオネット:全国消費生活情報ネットワークシステム)は、国民生活センターと全国の消費生活セ
ンター等をオンラインネットワークで結び、消費生活に関する相談情報を蓄積しているデータベースのこと。
相談件数は、2020 年 10 月 31 日までの登録分。消費生活センター等からの経由相談は含まれていない。
相談事例
【事例1】「必ず宝くじの高額当選に導く」と言われたがいつまで経っても結果が出ない
携帯電話でインターネットを閲覧していると占いサイトの体験ページがあり、名前や生年月日
等を登録した。その後、金運専門の鑑定士Aから鑑定チケットを 1,000 円で発行するとのメッセ
ージがあり、クレジットカードで支払った。
Aから職業や所得等を聞かれて答えると、「一攫千金の鑑定士Bが一週間日本にいるので紹介したい」「Bは選ばれし者のみを鑑定し、必ず宝くじの高額当選に導く」と言われた。
やりとりについて口外しないこと、最後まで鑑定を受けること、Bを信じることを約束させられ、Bの鑑定の実績の証拠として、宝くじの当選者の通帳の写真が届いた。
2日間の無料期間終了後はメッセージ一通あたり 1,500 円分のポイントが必要となったが、宝くじの当選番号を導き出すために特定の言葉を一文字ずつ送信するよう指示され、2週間以上やりとりし、ポイント料金や鑑定料として銀行口座振込で約 17 万円、クレジットカードで約 38万円を支払った。
いつまで続けたら結果が出るのかBに聞いても明確な回答がなく、「結果を出さないと必ず高額当選に導くという実績が崩れるため困る」「波動が乱れているから調整が必要だ」などと言われ、騙されていると思った。
(2020 年6月受付 50 歳代 女性)
【事例2】無料鑑定で三つの「徳」を授けてもらえると言われたが、無料鑑定期間を過ぎても最後の一つを授かることができず、高額なお金を支払ってしまった
スマートフォンで「無料鑑定」との広告を見て、占いサイトに生年月日を登録した。その後、鑑定士から「無料で鑑定する」とメッセージがあり、鑑定してもらうことにした。私を守ってくれる三つの「徳」である、「健康の徳」「人間関係の徳」「金運の徳」を授けてもらえるとのことだった。
最初の二つの「徳」は早めに授かったが、「金運の徳」をなかなか授かることができず、無料鑑定期間を過ぎてもやりとりを続けてしまった。
毎日のようにコンビニエンスストアでプリペイド型電子マネーのギフトカードを買って、メッセージを送信するためのポイントを購入した。
お金の支払いが難しくなり、途中で鑑定をやめようとすると、「今やめるとこれまでのやりとりのすべてが無駄になる、もう少しだ」と引き止められて続けてしまった。
また鑑定士は病気で余命僅かとのことで、その師匠等も登場し、複数の鑑定士とやりとりをするようになった。4か月で300 万円を支払ってしまい、「騙されているのではないか」と家族に言われて目が覚めた。
(2020 年2月受付 50 歳代 女性)
【事例3】無料と思って占いアプリをインストールしたが、無料で利用できるのは最初の3日間 だけだった
スマートフォンを操作していると占いアプリの広告が表示され、無料と思いインストールした。
しかし、無料で利用できるのは最初の3日間だけで、途中から有料になったが、占い師から、「過去にお金に困っていた人が、この占いのおかげで宝くじに2回当選し、借金を返せた」と言われたので、信じてやりとりを続けた。支払いはクレジットカードかプリペイド型電子マネーと言われたので、コンビニエンスストアでプリペイド型電子マネーを3、4回購入し、合計3万 2,000 円を支払った。
しかし途中でおかしいと思い、インターネット上の書き込みを見たところ、悪質なアプリとわかり、数日前にアプリを退会した。退会すると今までのやりとりの記録が全て消えてしまった。
(2020 年8月受付 50 歳代 男性)
【事例4】電話の占いで無料時間分だけ利用するつもりが、途中で電話を切ることができず高額料金を請求された
スマートフォンで 10 分間無料という電話占いサイトに名前と生年月日を入力して会員登録した。
電話で占い師に名前と生年月日を伝えて占ってもらうと、途中で「あと1分で 10 分間が終了します」と音声アナウンスが流れたが、占い師が構わず話し続けたので、自分から電話を切ることができずに結局 30 分以上通話した。
その後サイトから1万円以上の請求があった。私は無料時間分だけ利用するつもりだったので、高額な料金を請求されて驚いた。
インターネットでサイトについて検索すると、不審なサイトであるとの書き込みを見つけたが、支払わなければならない
か。
(2020 年6月受付 10 歳代 女性)
【事例5】無料占いサイトに個人情報を入力したら、迷惑メールが大量に届くようになった
SNSの広告で無料の占いサイトを知り、試してみたいと思ってクリックした。
占いをするためには性別や生年月日のほか氏名を入力する必要があり、躊躇して途中で止めた。すると、名字だけの入力でもよいとのメッセージが届いたので、名字を入力し、送信したところ、「会員登録が完了しました」とメールが届いた。無料占いの結果を見たかっただけで、登録するつもりはなかった。
怖くなり、そのサイトからのメールアドレスをブロックしたが、知らないサイトからのメールが数十件も届くようになった。携帯電話会社に相談すると無視するように言われたが、迷惑メールが多くて困っている。今後どうしたらよいか。
(2020 年5月受付 60 歳代 女性)
2.相談事例からみた問題点
(1)無料で利用するつもりが有料のやりとりに誘導されている
消費者はインターネットの検索やSNSの広告、スマートフォンに届くSMSやメールをきっかけに占いサイト等にアクセスしています。
「無料登録」「無料体験」「無料診断」などの表示を見て、無料のつもりで気軽に占いや鑑定に申し込むと、占い師や鑑定士を名乗る者から「幸せになれる」「宝くじの高額当選に導く」などのメッセージが届いてやりとりが始まりますが、結果が出
る前に無料期間が過ぎ、「あと少しでお金を手に入れられる」などと言われて、有料のポイントが必要となるやりとりへ誘導されています(事例1~3)。
また電話の占いには無料時間が設けられていることがありますが、消費者が無料時間の範囲で利用しようと思って電話をかけても、占い師や鑑定士を名乗る者が一方的に話を続けるため、消費者から電話を切ることができずに高額なお金を請求されているケースがみられます(事例4)。
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(2)自分だけに向けられた言葉と思わせるメッセージが多数の消費者に届いている
占いサイト等に登録すると占い師や鑑定士を名乗る者から、「2万人に1人の幸運の持ち主だ」「選ばれし者のみを鑑定している」など自分だけに向けられた言葉と思わせるメッセージが届いて、消費者が興味を持ち、やりとりを開始しています。
しかし実際は同様のメッセージが多数の消費者に向けて送信されています(事例1、2)。
自分だけに向けられた言葉と思わせるメッセージの例
★「あなたが高額当選している姿が見える」
★「あなたは7億円が当たることになっている」
★「私はあなたの守護霊から担当占い師に任命された」
★「貴方の生年月日は特殊で、すごい守護霊が憑いている」
★「あなたには特別な運勢がある、今まで占った中で1番の強運の持ち主だ」
(3)数字や記号、特定の言葉等を延々と送信させられて支払いが高額になっている
「占い」や「鑑定」と称したやりとりとして、消費者は占い師や鑑定士を名乗る者から指示されて、祈りの言葉を唱えたり、数字や記号、特定の言葉等をメッセージで送信させられています。
しかしすぐに結果は出ず、「いずれ宝くじの当選番号を教えるが、その前にあなたの金運パワーを強めなければならないので、やりとりをしなければならない」などと言われて、やりとりの期間を引き延ばされています。
こうした終わりが見えないやりとりにより、メッセージの送信に必要なポイント料金や鑑定料等、占いサイト等への支払金額が高額になっています(事例1、2)。
「占い」や「鑑定」と称したやりとりで指示される行為の例
★祈りの言葉等を唱えて、唱え終えた合図として漢字を一文字ずつ送信する
★宝くじで当選したい金額をイメージしながらメッセージを送信する
★深呼吸して紙に字を書いてからメッセージを送信する
★スマートフォンを5秒間胸に当ててからメッセージを送信する
★好きな都道府県をひらがなにして送信する
★「今日はいい日ですね」や「今日は桜がきれい」という言葉を送信する
★メッセージで届くいくつかの画像から1枚を選択すると、占い師が心の状態を占ってスコアで表し、スコアが 100 点に達したら宝くじの当選番号を教えてもらえる
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(4)やめたいと思っても占い師や鑑定士に引き止められてやめられない
消費者が複数回続くやりとりに対して不信感を抱いて、占いや鑑定がいつ終わるのか占い師や鑑定士を名乗る者に尋ねても、明確な回答がなく、金運や恋愛運の向上等、消費者が期待した効果が得られていないケースが目立ちます。
やりとりをやめたいと思っても、「今やめるとこれまでのやりとりのすべてが無駄になる、もう少しだ」などと言われて何度も返信させられたり、「鑑定を最後まで受けないと不幸になる」など、消費者の不安をあおる言葉に引き止められて、やりとりを継続してしまうケースがみられます(事例1、2)。
ほかにも占い師や鑑定士を信じることや、占いや鑑定を最後まで続けることを事前に約束させられたり、最初にやりとりをしていた占い師や鑑定士の師匠を名乗る者が登場して、複数の者とのやりとりが進行するなど、消費者が途中でやめられないような状況が作られているケースもみられます(事例1、2)。
(5)個人情報を入力すると意図せず会員登録されたり、複数の占いサイト等からメールが届く
体験やお試しのつもりで占いサイト等に氏名や生年月日等の個人情報を入力すると、意図せず会員に登録されてしまう場合があります。また一度占いサイト等に登録すると、別の占いサイトや知らないサイトから次々とメールが届くようになるケースが目立ちます(事例5)。
3.消費者へのアドバイス
(1)無料の占いだからといって気軽に氏名や生年月日、メールアドレス等の個人情報を入力し
ないようにしましょう
インターネットの検索やSNS広告等で表示される「無料登録」「無料鑑定」「無料診断」などをうたう占いサイト等では、会員登録すると占い師や鑑定士を名乗る者からのメッセージが届き、有料のポイントが必要なメッセージのやりとりへ誘導される場合があります。
また別の占いサイトや、知らないサイトからもたくさんの迷惑メールが届くようになることもあります。
無料の占いだからといって気軽に氏名や生年月日、メールアドレス等の個人情報を入力しないようにしま
しょう。
(2)占い師や鑑定士を名乗る者からメッセージが届いても安易に返信しないようにしましょう
一度占いサイト等を利用すると、占い師や鑑定士を名乗る者から「あなたは金運を持っている」「高額なお金を手に入れられる」など、自分だけに向けられた言葉と思わせるメッセージが届くことがありますが、実際には同様のメッセージが多数の消費者に届いており、占いや鑑定と称したやりとりを通じて有料のポイントを消費させる手口となっています。
占い師や鑑定士を名乗る者からのメッセージで金運や恋愛運等について良い言葉が書かれていても、安易に返信しないようにしましょう。
(3)占い師や鑑定士の言葉をうのみにしてやりとりを継続しないようにしましょう
占い師や鑑定士を名乗る者とのやりとりでは、消費者がやめたいと申し出ると「鑑定を最後まで受けないと不幸になる」「今やめるのはもったいない」など言葉巧みに引き止められることがあります。
相手の言葉をうのみにせず、高額な利用に気を付けて、やりとりをきっぱりやめましょう。
またやりとりの内容は、トラブルになった場合に、支払った有料のポイント料金等の返金を求めるための証拠となります。
占いサイト等を退会すると占い師や鑑定士を名乗る者とのメッセージのやりとりを確認できなくなる可能性があるため、スクリーンショット等をして保存しておきましょう。
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(4)トラブルに遭ったと感じた場合は、最寄りの消費生活センター等に相談しましょう
占いサイト等を利用して少しでも不審に思ったりトラブルに遭ったと感じたら、最寄りの消費生活センターや警察、各地の弁護士会等へ相談しましょう※。
※消費者ホットライン:「188(いやや!)」番
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