医療用を始め、各種ウイッグ（かつら）を確かな知識と技術で提供する理美容師（2/3）

病気・治療による脱毛の状態や経過を熟知し、退院後もサポート

「抗がん剤治療の場合、髪の毛が伸び始めることで頭のサイズが変わっていきます。そこで、伸縮性のあるネットを使用しサイズ変更に対応。また熱を発散させることでむれない頭皮にやさしい軽い素材を追求しました」
　患者さんの側に立った、清水さんの思いが伝わってきます。

　抗がん剤による脱毛の状態や経過を熟知しているからこそ、患者さんにきちんとしたアドバイスができるのです。
　闘病中、医療費がかさむなかで、高額なウイッグは購入できない――そのため、より手ごろな価格のウイッグの提供ができるように清水さんは配慮しています。
　治療で自分の髪の毛が抜け落ちていくことに、患者さん、とくに女性は大きなショックを受ける方が多いそうです。病室という限られた空間で、数少ないおしゃれが楽しめるもの――その1つが、ウイッグではないでしょうか。病気と闘っている患者さんにとって、清水さんの仕事が心の支えになっているのです。
　また、治療が終わっても自毛が伸びるまで月日を要します。自毛が伸びてくれば、ウイッグの調整が必要です。そこで理美容室オンでは、ウイッグを着用する必要がなくなるまで髪の毛の伸長にあわせて調髪し、お客さまに寄り添います。
　「ウイッグをあわせる場合は、通常の髪の毛のカットとは異なります」と清水さん。その一連のサポートから、ウイッグが不要となってからもお店の常連となる方が少なくないというのもうなずけます。

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