PROFESSIONAL
STORIES

Mybestpro Interview

企業の相続、事業継承を安心して任せられる弁護士

会社の経営権を確立し、円滑に継承させる専門家

外山弘

外山弘(とやま・ひろし)さん
リスク回避を説明する外山さん

#chapter1

経営権は移行すれば終わりというわけにはいきません

 企業の経営権を巡る争いといえば、名前の通った企業のお家騒動の報道も伝えられていますが、規模を問わず、こじれて長引いていることが多いようです。
 数多くの経営権の争いを扱ってきた弁護士の外山弘さんにお話を聞くと「経営権の争いで最も多いのは親族間ですが、中小企業でも親族以外の第三者と争いになることも増えています。法的には株を支配した方が経営権を掌握できるのですが、いざ経営権があっても従業員の反発などで現実の運営が立ちゆかなくなることがあります。法的に経営権を持つことと、現実の運営が一致しないのです」と語ります。
 経営権の争いは、法的に勝てば終わりというわけにはいかないものなのですね。

 「一般事件の争いは、過去の事実関係を確定し、これに法を当てはめれば決着がつきますが、経営権の場合は勝手が違います。たとえ法的に有利に進めたとしても、従業員が離反したり、取引先の協力を得ることができなかったり、あるいは銀行が依頼者に懐疑的で追加資金を出し渋るなど、周辺でも問題が起こります」
 当事者間だけでなく、周辺や場外で次々と問題が発生するので、複雑化していくというわけです。
 「周辺の問題解決は会社運営に関わることで、必ずしも弁護士の仕事ではないのですが、視座して依頼者任せにする既成のやり方では、真の解決につながりません。そのために、例えば銀行が相手なら金融関連法規や金融庁の通達を根拠に法的な土俵に上げてそれらを解決しなければなりません」
 過去の判例に照らして処理するだけではなく、法令を根拠に、現場の利害を調整する必要があるのです。外山さんは、現在進行している周辺の問題もいとわずに取り組みます。

#chapter2

問題が表面化する前にリスクの芽を摘む必要も

 「最近は、お家騒動が起こる前に相談を受けることも多くなってきました。その際に、これまでの株主総会決議等の有効性を吟味することはもちろんですが、その業界では常態的に横行していることが、外部から客観的にみると違法行為ということが、反主流派の武器として使われることがあるため、コンプライアンス違反がないか精査します」
 かつて食品業界で、賞味期限の偽装問題が大きく報道されたことがありました。違法行為も常態化していると、従事している人々も感覚がまひするので見過ごされがちになります。

 「社内では常に主流派と反主流派、大株主と少数株主がいます。対立する側は、小さな問題でも違法性があると思うと、事を大きくするために問題を公にしがちですので、事前に問題部分を指摘する必要があります。後で取り返しのつかなくなることもあるので、目先的に利益はあることでも、長い目で見れば改善しなければなりません」
 会社モラルが問われる中、内部告発や社内でのリークが原因で経営陣が退陣することもよく見聞きします。水面下で動きやすい問題でもあるので、その前にリスクの芽を摘み取ることが重要になってきます。
 「違法が目立つのはサービス残業などの労働問題、介護保険法などの業界法規違反、小さな金額の経理的処理から発覚する私腹を肥やすための不正会計です。そのときはより専門的な目が必要になってくるので、労務であれば社労士、経理であれば公認会計士や税理士に入ってもらって、さらにチェックしています」
 外山法律事務所では、多数の紛争を扱った経験で築かれた他の士業とのネットワークがあり、連携して幅広い専門分野をフォローできるのが心強いですね。

仕事への思いを語る外山さん

#chapter3

依頼者の身になって解決にあたります

 もともと会社法の分野に強く、幅広く相談を受け付けていた外山さんですが、親族がらみの経営権争いの依頼がありました。この最初に手がけた紛争は、親族間の相続だけでなく、従業員の解雇、銀行の資金引き上げ、取引先と称して暴力団が介入するなど、通常の争いに比べて場外での問題も複雑化しました。それを持ち前の粘り強さで、一つひとつ解きほぐすように解決へ向けての交渉を続けました。
 「会社は経営者からすると人生そのものです。その争いを任されるのですから、消極的にやるわけにはいけません。客観的立場にいるのではなく、進んで自ら渦中に入り込み、解決に向けて闘います」

 最初の困難事例を経験してから、会社の乗っ取り、また乗っ取られた会社を救済するなど、いろんな立場で経営者争いにかかわってきた外山さん。経歴を伺うと、解任や解雇の事案も扱うので、法の下で冷徹な仕事をする人というイメージを持たれるかもしれません。
 「よく事件の相手方から、争いが終わった後に他の事件での依頼を受けることがあります。普通は相手方から恨まれるものなのですが」という言葉が印象的でした。相手の言い分をきちんと聞き、熱意をもって説得する姿が受け入れられるのでしょう。
 柔和な雰囲気の外山さん、しかし、解決のためには身を引かない芯の強さが伝わりました。

(取材年月:2017年9月)

リンクをコピーしました

Profile

専門家プロフィール

外山弘

会社の経営権を確立し、円滑に継承させる専門家

外山弘プロ

弁護士

外山法律事務所

経営権の争いは株式の支配や相続で終わりではありません。その後の会社としての事業継続も視野に入れなければなりません。会社が安定して継続するために不可欠な利害調整を、培ったノウハウで実行します。

\ 詳しいプロフィールやコラムをチェック /

掲載専門家について

マイベストプロ大阪に掲載されている専門家は、新聞社・放送局の広告審査基準に基づいた一定の基準を満たした方たちです。 審査基準は、業界における専門的な知識・技術を有していること、プロフェッショナルとして活動していること、適切な資格や許認可を取得していること、消費者に安心してご利用いただけるよう一定の信頼性・実績を有していること、 プロとしての倫理観・社会的責任を理解し、適切な行動ができることとし、人となり、仕事への考え方、取り組み方などをお聞きした上で、基準を満たした方のみを掲載しています。 インタビュー記事は、株式会社ファーストブランド・マイベストプロ事務局、または朝日新聞が取材しています。[→審査基準

MYBESTPRO