教育研究会分科会報告②〜すごく共感しました〜

谷浦健司

谷浦健司

テーマ:英語教育

前回の続きです。

3. 竹田 和幸さん(豊中高校能勢分校)
「生徒をinspire and encourage できる学習法のいろいろ
     〜学んだ知識を無駄にさせない取り組み」
中高生が英語を難しいと感じる理由として、リスニングはスピードや音のつながりに慣れないから。スピーキングは発声法が身に付いていないし、使う機会が少ないから。リーディングは語彙が多く覚えにくく、読書量が少なく、発音とスペリングが一致しないから。ライティングは文法が日本語と大きく違うから。これらの解決策として、①スキーマ理論②転移③ワーキングメモリの負荷軽減④メタ認知と推論⑤エピソード(経験知)記憶と意味(知識)記憶の統合を使う指導をいつも考えています。また、家庭科と協力して英語でレシピを考えさせ、教科横断的取り組みも進めています。

4. 谷浦 健司(大阪大学、元府立高校)
「英語の授業でこそ平和を愛する心を育てたい
     〜「火垂るの墓」から被団協ノーベル平和賞受賞理由まで〜」
英語の授業でこそ、世界で起きていることを考えさせ、平和を愛する心を育てたいと様々な取り組みを進めてきました。アニメ映画『火垂るの墓』を生徒たちの提案で英語教材化して出版し、記念碑の碑文英文を担当しライフワークにしてきました。英詩『わたしはひろがる』やマザーテレサ伝記をみんなで読み、阪神大震災救援ボランティアに参加希望する生徒たちの心も育てました。最近は歌手AIさんの平和教育プロジェクト動画『Lean On Me』で核問題について考えてもらい、被団協ノーベル平和賞受賞理由スピーチを教材化して、英語で被爆や平和について一緒に考えました。

参加者の感想
・来年度から英語教員になりますが、どの報告もとても参考になり、参加して良かったです。
・速読でも、やはり心を豊かにする内容のものを読ませたいですね。
・想像上の絵日記にしている点にすごく共感しました。教える上で色々配慮していきたいです。
・スキーマ理論や転移を使って、生徒たちの負担を軽くする発想が面白いと思いました。
・私も自主教材を作成し、目の前にいる生徒たちの心を豊かにしていきたいと感じました。
・こんな時代だからこそ、戦争と平和を生徒たちと考えていきたい。


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谷浦健司
専門家

谷浦健司(教育アドバイザー)

高校教諭40年、大学生指導の経験をもとに教育講演や教育アドバイスを行います。英語教育では、映画「火垂るの墓」を英訳した独自教材が全国で評判に。思春期の子どもに寄り添う指導法や子育てのヒントを伝えます。

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