『なにわの英語教育2025』読者の声
『新英語教育10月号』(高文研)に私の記事が掲載されたので、3回に分けて紹介します。
(なお、若干改変していますので、詳しくは雑誌を購入してお読みください。)
英語の授業でこそ平和を愛する心を育てたい
〜『火垂るの墓』から被団協ノーベル平和賞受賞理由紹介まで〜
はじめに
新英研の源流とも言える関西で教材にこだわって英語教師を続けてきました。戦後、教育基本法で教育は人格の完成をめざすと高らかに謳われ、先輩たちはキング牧師やチャップリン、アンネ・フランクなどを始めて教材にして、平和的な国家及び社会の形成者を育ててきました。私自身もそれらの教材を繰り返し扱い、新しい教材を創造してきました。
永遠に輝く教材『火垂るの墓』&誕生の地記念碑
大学の英語科教育法の授業では、これまで新英研が開発し、私が感動した教材をいくつか扱うようにしています。特に映画『火垂るの墓』との出会いは私の人生を変え、この作品は愛する研究対象であり今やライフワークになっています。
1989年、初めてテレビ放送された時に感動した生徒たちに頼まれて、私は冬休みを利用して一から英語教材化(冊子)しました。3学期に授業で扱ったところ、英語の苦手な生徒が兄弟愛と平和への想いに惹き込まれ、一生懸命に英語学習に取り組みました。それを新英研全国大会で報告して、出版(三友社出版)に至り全国に広がりました。
2020年、主人公の兄妹が疎開した西宮・ニテコ池近隣の方々が募金運動に取り組み、震災記念碑公園内に「小説火垂るの墓誕生の地記念碑」が建てられました。訪れる外国人のために英文碑文もつけようということで、副読本のご縁もあって私に依頼が舞い込みました。私は副読本から主人公兄妹の最後の会話英文を取り入れて、感動的な英文碑文を作成しました。平和を願う記念碑は永遠に残るので、私はライフワークの仕上げができたと感じました。
今春、花見も兼ねて訪れたところ、多くの人々が見学に来ていました。私は外国人大学研究員の方々やマスコミの方、親子、カップルなどその場の人々と交流し、地元小中学校でこの記念碑が平和学習に取り入れられていると知りました。私はその事実を新聞投稿し、全国に紹介しました。
今年、戦後80年で、アニメ映画『火垂るの墓』が夏にテレビ放送され、NETFLIX全世界配信が好評で日本でも配信が始まっています。世界で戦争がなくならない限り、アニメ映画『火垂るの墓』は平和を願う人々に愛され、「火垂るの墓記念碑」は平和への祈りの場所であり続けます。



