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債権回収はスピードが命。まず早く動くことです

中小企業の立場にたった債権回収の専門家

西村隆志

西村 隆志(にしむら たかし)さん
パートナーの中弘剛弁護士(左)と。「土日もよく出て、案件に対処しています」

#chapter1

中小企業の経営者に多い悩みは債権回収

 大阪市役所の川向かい、アメリカ総領事館から御堂筋を少し下った堂島ビルヂングの5階に「西村隆志法律事務所」があります。京阪電車の淀屋橋、大江橋両駅と地下鉄の淀屋橋駅に近く、裁判所も歩いてすぐという立地に恵まれ、気鋭の若手弁護士3人が、次々と舞い込む案件を精力的にこなしています。事務所内も白を基調にした明るいインテリアで、来所者がリラックスして相談できるよう工夫を凝らしています。

 西村隆志弁護士は山口県出身。弁護士を志したのが同志社大学4年生と、比較的遅いスタートでした。2004年に設立された同志社大法科大学院(ロースクール)の第1期生になり、司法試験に合格して弁護士となったのが2006年。大阪市内の弁護士事務所の所属を経て2011年に開業しました。法科大学院の後輩にあたる山岡慎二弁護士が2012年1月から、福光真紀弁護士が2015年1月から加わりました。

 西村弁護士は、母校の法科大学院で「アカデミックアドバイザー」として事例研究・起案の仕方などを指導しました。福光弁護士は、そのゼミ生で、アドバイザーの仕事を引き継いでいます。専門は民事一般ですが、「事務所を開設して以降、中小企業の経営者からの債権回収に関する相談が多く、そのニーズに合わせた形でやっています」と柔らかい口調で語ります。債権回収で重要なことをたずねると、「まずスピードが問われます。まごまごしていたら、あっという間に、他の業者に財産を押さえられるので、売掛金や機器類などの回収を早急に進める必要があります」との答えが返ってきました。

#chapter2

債権の実情は様々。情報収集が回収のカギ

 債権回収といっても、商品を販売店に直接納入したけれど、注文を受けた商社などの第三者が破綻して代金をもらえないという事例とか、工事を請け負ったけれど、途中の仕様変更の指示によって見積額を大幅に上回る請求額に、施主から「そんなつもりではなかった」と支払いを断られてしまうケースなど実情は多岐にわたります。

 通常、回収に困って弁護士事務所を訪ねてくる債権者は、先方との話し合いが決裂しているため、裁判手続きで判決を勝ち取ろうと考えます。しかし、西村弁護士は「それでは、回収まで時間がかかったり、勝訴の判決を得ても、相手に回収できる資金がなかったりするケースも多いのです」と指摘します。そして「まず、解決に向けて素早く動くことが大切です。そして回収できる資金がどこにあるかを見極め、スピーディーに債権回収を図ることが大切」と説きます。

 「商品を注文した仲介業者が行き詰まっている場合は、納品した先に直接請求することが出来る場合もあります。また、施主の仕様変更によって請求がふくらんだのなら、仕様変更の指示があったことを証明できるメモなどの証拠、その指示通りに材料を発注し作業したという工程が分かるものなどを提示して支払いを迫ることができます」と対応策を示します。

 また、先方が「支払いが出来ない」といっていても、本当に回収できる資金はないのか? 信用情報会社のリポートなどを基に、相手先の資金繰りや資産の情報を詳細に入手し、「隠し資産」を見逃さない冷徹さも必要です。

「とりあえずやってみるという行動派」を自任しています

#chapter3

回収不能になる前に、取りはぐれのないよう予防も大切

 「ことが起こってから、回収に走るだけでなく、回収不能の債権が出来ないように予防することも大切です」と、西村弁護士はくぎを刺します。

 民法上「契約」は書面によらず、口約束でも成立するものもあります。「実際に紛争になったときは、『証拠』がなくては争いに勝てません」と西村弁護士。「中小企業の経営者や、職人かたぎの個人経営者は『よし任せておけ!』と胸をたたいて引き受けることもあるようです。でも本当に『回収できなくてもいい』ということでないのならメモ書きでも、簡単な指示書でも書類を作っておくことが大事です」と、心構えを指南します。「人情味の生きている大阪の中小企業にそういう人が多いのですが、共倒れになりかねないリスクは取るべきではありません」

 そうしたノウハウを書籍にまとめたのが、西村弁護士と山岡弁護士の共著「絶対回収 一秒でも早く、一円でも多く 泣き寝入りしない債権回収」(パブラボ刊 1600円=税別)です。

 1.賃金債権の回収 2.製造販売業者の売掛金回収 3.商事会社の債権回収……と、11章にわたって回収の実務が具体的に分かりやすく解説してあります。事務所の実務経験が豊かで多彩だからこそのプロの「手の内」といえます。「他に不動産取引、相続問題、事業継承など民事一般の相談を受け付けています。初回法律相談1時間無料ですので、困りごとがあったらぜひどうぞ」と西村弁護士は気軽に相談することをすすめています。

(取材年月:2015年4月)

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西村隆志

中小企業の立場にたった債権回収の専門家

西村隆志プロ

弁護士

西村隆志法律事務所

中小企業経営者、事業主の立場にたって、迅速、的確な債権回収に努めています。同志社大法科大学院出身の弁護士4人のチームワークもよく、何でも気軽に相談できる弁護士事務所です

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