心に残る葬儀は？
【質問の内容】
まだ学生なのですが、無料相談と書いてあったので質問させてください。
僕は両親とはあまり仲がよくありません。
僕のお世話を一生懸命してくれたのは母方のおばあちゃんだからです。
祖母は身の回りの事全部何一つ文句言わずにしてくれて、僕は祖母の負担にならないように当たり前ですが、毎日勉強もお手伝いも自主的にやって来ました。
でも3年前くらいから祖母の体に癌がある事が分かりました。
両親はそれを知っていながら仕事が忙しいから来れないとばかり言っていて、祖母や看護師さんにも聞きましたが一度も病院には来てくれなかったようです。
祖母はずっと病院で1人で居て、治ることがないと聞いた時からずっと僕は学校帰りには寄るようにして必要なものなどを渡していました。亡くなる1年前には、もしもの事があったら、棺桶には手紙を書いて入れて欲しいと言われてたのですが、居なくなってしまうことを想像出来るはずもなくて、手紙はずっと書けずにいました。
今年の4月祖母の葬儀の準備でようやく両親は顔合わせと準備の為に集まってくれて祖母に向かって「辛かったろうに」とか「苦しかったでしょうね」なんて他人事を話していました。僕は無性に腹が立って、どうして生きているうちに来なかったのかを問い詰めて喧嘩になりました。普通はそんなことをしては行けないし祖母が悲しむとわかっていましたが、口を出さずにはいられませんでした。
そしたらお父さんが怒りながら「ならもう喋らんし動かん奴に手紙なんて渡しても燃えてなくなるだけだ！意味無いものなんて入れるな！」と僕が悩んで書いた手紙を破り捨てられてしまいました。
僕の心はものすごく張り裂けそうな思いになって通夜は終了していましたが夜に式場を飛び出して自宅に帰りました。
次の日の葬儀にはとても出れるような精神状況では無くて、僕は憎しみと悲しみで暫くは学校を休んでいました。
そしたら母が家に来てくれて、心配しに来たのかと思いましたが、祖母の家を取り壊さなければならない事になったらしく、家を出されて今は寮に住んでいます。僕にはお金が無いから大好きなおばあちゃんにやってあげたい葬儀もできなかったし大人じゃないから口出しして怒られて最後の最後でおばあちゃんには酷い孫だったと後悔しています
こんな僕が今からできる事はありますか？
今はバイトもしていてお金なら少しあります
【回答いたします】
結論から申し上げます。
質問者様は、「今まで通りでよい」とお考えになって差し支えないと存じます。なぜなら、質問者様こそが、おばあさまがご健在の頃から共に過ごし、かけがえのない日々を記憶している、唯一の存在だからです。
残念ながら、その記憶をご両親と共有することは叶わなかったかもしれません。しかし、おばあさまがどのようなお人柄で、どのような想いを抱き、どのような人生を歩まれたのかを覚えている人がいるということは、それ自体が故人にとって何よりの供養になると、私たちは考えています。
お手紙は、お墓にお供えすることもできます。今の率直なお気持ちを、あらためて言葉にして綴ってみるのも、心の整理につながるかもしれません。
葬儀を営む理由は人それぞれですが、その一つに「故人への感謝を伝え、その人生を振り返ることで、自らの生き方を見つめ直す」という意味合いがあります。その点において、質問者様とおばあさまとのお別れは、すでに十分に果たされているのではないでしょうか。
少し不思議に聞こえるかもしれませんが、通夜の場で質問者様がご両親に伝えた言葉は、私たちお別れに携わる者の目から見ると、「おばあさまが質問者様を通して、ご両親に伝えたかった言葉」に映ります。
どうか、「ひどいことをした」とご自身を責めることのないように願っております。
貯められたお金は、ぜひご自身の成長のためにお使いください。学生のうちは、学びやスポーツ、友人との関わりに全力を注いで生きることも、立派な供養のかたちです。
そして、いつか質問者様の前に、同じような悩みを抱えた方が現れたとき、ご自身がどのように乗り越えてきたかを伝え、その方が前を向けるような支えとなれたなら――そのときこそ、あらためておばあさまへの感謝を、人生を通して伝えることができるのではないかとも考えています。
質問者様の人生が実り多いものであることを心から祈念いたします。
