火葬場が空いてないなら、どうするの?ー1週間遅れの葬儀と遠方火葬という現代の選択肢ー

藤井俊平

藤井俊平

テーマ:QアンドA

【質問の内容】
火葬場が空いてないせいで1週間遅れに葬儀になったというニュースを先日Twitterで見ました。火葬場が空いていないなら別の県に火葬しに行くことになるのでしょうか?

【回答いたします】
火葬場の運営は、通常、市町村単位で行われることが多く、近隣の火葬場の予約が取れない場合には、他市の火葬場を利用するケースもあります。

ただし、他府県まで移動することはあまりなく、ご家族の事情で葬儀日程を早めたいという希望がある場合や、
災害等で地域の火葬場が稼働できない場合などに限られます。

他府県での火葬をご検討される際に注意いただきたいのが、費用面です。火葬場の運営が市区町村単位(公営)で行われているのは、自治事務の一環として、市民に対する公衆衛生や福祉の提供を目的としているためです。そのため、地域住民の利用に際しては、行政による助成が行われています。

たとえば大阪市では、市民の火葬料金は1万円ですが、市外の方の場合は6万円となっています。大阪市では、火葬場(霊園運営を含む)の運営に約10億円の一般財源を投入しており、これは市民の生活を守るために必要な措置といえるでしょう。ただし、この助成はあくまで大阪市民を対象としたものであり、市外の方には実費でのご負担をお願いすることになります。

さらに、ご遺体の搬送に使用する霊柩車やマイクロバス等の運行距離が伸びることで、運行費用や高速道路料金などの加算も必要になります。移動距離が延びることで、ご家族の身体的・精神的負担も大きくなる可能性があります。

これらの要素を踏まえたうえで、火葬場の予約待ちを選ぶか、遠方での火葬を選択するかをご検討いただくことになりますが、現状では、よほどの事情がない限り、予約待ちを選ばれるご家族が多いのが実情です。

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藤井俊平
専門家

藤井俊平(葬儀業)

株式会社せれもに

「ライフエンディングサポート」サービスにより、高齢者が抱えるさまざまな悩みをまとめて解決に導く。信頼関係を築き、葬儀について元気なうちから備えていただくことで、安心してお別れに臨んでいただく。

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