仏壇にお米などを飾っているのは何故?
【質問の内容】
初めまして。
葬儀屋に転職しようか考えています。
現在葬儀屋で働いている方に質問です。
自分にとって天職だなと思っている方はいらっしゃいますでしょうか。
またどのような時にそう思いますか?
【回答いたします】
転職をご検討中とのこと、現在のお仕事からどのようなご事情でそのようなお考えに至ったのか、気になるところではありますが、今回は「天職」について、私自身の考えをお話しさせていただきます。
私自身、「葬儀」という仕事を天職とは捉えておりません。与えられた役割を粛々と果たす中で、たまたまこの業界に身を置いている、というのが率直なところです。
とはいえ、この仕事に携わる中で、ある種の達成感と申しますか、「この仕事をしていて良かった」と思える瞬間は確かにあります。それは、喪主様から「葬儀担当として完璧でした」とお言葉をいただいた時です。
これまで約2000件のお別れのお手伝いをしてまいりましたが、この言葉をいただいたのは、わずか3名の喪主様からしかいただけていません。2000件のうちの3件というのは、なんとも心もとない数字ですが、深い悲しみの中で、右も左も分からない状況にある喪主様が、黒子であるべき葬儀担当者に対して、ねぎらいの言葉をかけてくださるというのは、何にも代えがたいものがあります。
正直に申し上げますと、担当者としては失敗の連続で、葬儀の難しさに心が折れそうになることも多々あります。ご遺族が葬儀を通して立ち直っていくような感動的な物語を語れるわけではなく、申し訳ありません。
もちろん、そうした場面に立ち会うこともあり、心が温まる瞬間もございます。
ただ、「悲しみの中にある方にやさしく接する」ことで感謝されるという経験は、どの葬儀担当者も得られるものだと思っております。ですので、特別な話ではないかもしれません。
抽象的な話になってしまいましたが、転職をお考えの中で、もし何かお聞きになりたいことがございましたら、どうぞ遠慮なくご質問ください。
良き葬儀担当者がまた一人誕生することを願いつつ、質問者様の転職のご成功を心よりお祈り申し上げます。



