有料老人ホームの保証人とは~金銭的負担か身元引受人かを整理する~
【質問の内容】
葬儀の仕事ってどんな心得がありますか?
【回答いたします】
① 故人の尊厳を守ることを第一に考える
葬儀の場では、ご家族の心情に寄り添うあまり、故人への配慮が一瞬置き去りになることがあります。だからこそ、「これは故人のためになるのか?」という視点を常に中心に据えて考えています。たとえば、もしこの方が元気でいらしたら、どんなふうに感じ、どんな話し方をされるのか――そうした想像を通じて、故人様でも仏様でもなく、「〇〇様」という一個人として心の中で出会えるよう努めています。ご家族のお話を聴くことが、その方を知る唯一の手がかりです。
② ご家族の心が「お別れ」に向かえるように準備する
喪主を務められた方が「気づいたら葬儀が終わっていて、何も心に残らなかった」とおっしゃることがあります。それほどまでに、葬儀の準備には多くの負担が伴います。しかも、私たちはご家族にとっては赤の他人。感情を素直に表すことをためらわれる方もいらっしゃいます。だからこそ、「近寄りすぎず、離れすぎず」の距離感を大切にしながら、ご家族が安心して「お別れ」に向き合えるよう支えています。
③ 「悲しみ」は癒すものでも、共有するものでもない
たとえば、失恋したときに「僕も振られたことがあるよ、気持ちはわかる」と言われて、「お前に何がわかるんだ」と感じた経験があるかもしれません。悲しみは、その方だけのものであり、他者が完全に理解することはできません。だからこそ、私たちは「助ける」「癒す」ではなく、「支える」ことに徹する――その姿勢を忘れずにお手伝いしています。
④ 見送る人がいないお別れでも、「あなたはここにいた」と伝える
少し情緒的な言い方かもしれませんが、私たちは「忘れない」ことを心がけています。名前や住所を記憶するという意味ではなく、「あなたは確かにそこにいて、その存在を覚えている人が少なくとも一人はいますよ」と伝えるようにしています。たとえ見送る人がいなくても、私たちがその方の存在を心に留めていることが、ささやかな慰めになればと願っています。
あまり聞かれることのない内容かもしれませんが、こうしてお話しする機会をいただけたことに感謝しています。少しでも参考になれば幸いです。



