埋葬場所について

藤井俊平

藤井俊平

テーマ:QアンドA

【質問の内容】
生後間もない子供を亡くしてしまいました。悲しみの中埋葬場所などが決まらず悩んでいます。どうかご助言お願いします。

葬儀の際、義父がお骨を、自分の為に用意した墓に埋葬しようと申し出てくれました。
お寺にはもう話をし、四十九日法要の手続きも済ませています。
夫の実家とはお付き合いの長く、また歴史のある大きなお寺で、供養などの面で何の心配も無い所です。

ですが、夫の実家は飛行機を使っても、総移動で四時間近くかかり
何度も往復する事は難しいのです

年に何回でもお参りに行きたいのに、と不都合を感じてしまいます。
また、亡くなったとは言え子供を1人で離れた所に埋葬する事に、どうしても抵抗感が消せません。子供を失った嫁として夫の実家に行き辛さを感じてしまう気持ちもあります。

しかしまだ子供も無く、経済的にも潤沢ではないので、持ち家があるとは言え、私共夫婦が身近に固有のお墓を建てるのは躊躇われます。

分骨も考えましたが、小さな体に残った僅かな骨を分けるのは
体を傷つけるようで、また、死後の障りになってはと思うと、とてもできません。
手元に残したいとも思いますが、別のサイトなどで調べた所
そのような事をすると、成仏出来ない。また後に扱いに困ったり、粗末に扱われたりすると書いてあり、断念しました。

義父・義母もお参りに行ってくれるはずですが
三年は年三回(出来れば事あるごとに)自分で墓前にお参りしたいというのが正直な気持ちです。
ですが移動の事を考えると、とても厳しい気がします。

このまま、義父のお寺にお預けするのがいいのか
四十九日の法要のみに止め、たとえ合同葬などででも自分達の身近のお寺などに納骨・埋葬すべきか、どうか意見をお聞かせ下さい

【回答いたします】
生後間もないお子さまを亡くされたとのこと、なんとお声をかけてよいか言葉が見つかりません。
せめて、供養に関して少しでもお力になれればとの思いで、回答いたします。

お気持ちの整理がつくまでは、お子さまとご一緒にお過ごしになるのが良いと考えます。
納骨には「いつまでにしなければならない」という決まりはありません。
ご自宅でともに過ごすうちに、ある日ふと「そろそろ納骨を」と思える瞬間が訪れることがあります。
そのときが、自然に区切りを迎える時期だと受け止めることができると思います。

文中に「成仏できない」「後々困る」といった言葉がネット上にあったとのことですが、ご質問者さまが粗末に扱うはずもなく、いずれ義父さまのお墓に納められるご予定で、お寺さまも関わってくださっているとのことですから、何の問題もありません。
ネット上の記述は、手元供養を安易に考える方向けの“戒めの言葉”のように思われます。

もしお骨箱のままでいるのが忍びないようでしたら、
「手元供養」として小さな骨箱などを準備されてもよいでしょう。
「手元供養」と検索すると、心に響くものが見つかるかもしれません。

法要などの節目には、お子さまと一緒にご郷里へお帰りになり、またご自宅へ一緒に戻って来られる――そんな形でつながっていくこともできます。
分骨をする必要もなく、心の距離を保ちながら供養を続けられるはずです。

「しばらくは一緒に暮らしたい」というお気持ちを、ご主人さま、義父さま、お寺さまへ率直にお伝えしてみてください。
きっと、皆さまもそのお気持ちを受け止めてくださることと思います。

もしうまくいかないときや迷いが生じたときは、いつでもご相談ください。

お一人で悲しみを抱え込まれることのないよう、心から願っております。

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藤井俊平
専門家

藤井俊平(葬儀業)

株式会社せれもに

「ライフエンディングサポート」サービスにより、高齢者が抱えるさまざまな悩みをまとめて解決に導く。信頼関係を築き、葬儀について元気なうちから備えていただくことで、安心してお別れに臨んでいただく。

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