葬儀屋の仕事内容は?
【質問の内容】
お葬式って何故お通夜があるのでしょうか?幼い頃葬儀には参加したらしいですが記憶には残っておらず、まだ体験したことがありません。以前友人の旦那さん側の身内が亡くなったそうで、お通夜に対してお金も時間も掛かる等の話を聞きました。その為、あまり良いイメージが持てていません。葬儀社の方なら納得のいく答えが貰えるかと思い質問しました。よろしければご回答ください。
【回答いたします】
お通夜は費用や時間のご負担が大きいため、あまり良い印象をお持ちでない方もいらっしゃいます。その点につきまして、私ども葬儀社の説明が不足しており、申し訳なく思います。ここで改めて、お通夜の意義についてお伝えさせていただければと思います。
そもそも「通夜」とは文字通り、夜を通してご親族が故人のそばで過ごすことを指し、本来は葬儀式そのものには含まれない営みです。したがって「通夜式」という呼び方は厳密には誤りであり、読経や焼香といった儀礼も通夜の本質ではありません。
通夜の大切な役割は、故人を囲んで思い出を語り合う時間を持つことにあります。葬儀当日は進行が中心となり、ゆっくりと故人の思い出を分かち合う時間を取ることは難しいものです。その点、通夜は親しい方々が「どんな人柄だったのか」「厳しい一面の裏にはどんな思いがあったのか」と語り合うことで、故人がまるで言葉を通してその場にいるかのように感じられる場となります。
また、通夜は「人が亡くなった」という現実を時間をかけて受け入れていくための大切な過程でもあります。読経や弔問が終わり、皆様がお帰りになった後には、ご自身の望みに応じて式場で故人と一対一で静かにお別れをする時間を持つこともできます。私自身、葬送においては葬儀以上に深い意義が通夜に含まれていると感じています。
そのため弊社では、できる限り一日葬よりも通夜を含めたかたちをお勧めしております。もちろん、お寺様をお招きせずとも、ご家族だけで静かに営むことも可能ですし、通夜ぶるまいを省くこともできます。費用面のご心配は尽きませんが、お別れの時間においては、惜しまず、十分に尽くしていただきたいと願っております。



