雨の日の葬儀は縁起が悪いの?
【質問の内容】
数珠ってどういう意味があるんですか?調べたりしましたが、どの内容も葬儀に関係無いことのように感じます。どうして数珠を葬儀に持っていく人がいるのでしょうか?
【回答いたします】
お調べになったとのことで、おそらく、数珠の使い方を伝える経本があることや数珠自体は、お経なり、題目(南無阿弥陀仏とか)を何回唱えたかカウントする為の道具であると理解されていることと思います。ご質問の趣旨は、「数珠はお経を唱える為に使用する僧侶の道具であるのに何故、参列者が持参するのか?」ということだと解釈して、お話させていただきます。
数珠の起源については、さておき、日本では仏教伝来と共に数珠も伝わり、奈良時代は僧侶の法具、平安時代から在家信仰に広がったと言われています。葬儀で参列者が持参する理由は、仏教的な意味合いにおいては、煩悩を断ち、清らかな心で故人を弔うため。数珠を持ち、手をあわせてお経を唱えることで、その功徳が故人に回向(えこう:振り向けられること)されます。怒られるかもしれないですが、仏に通じる通信装置、ないし回向の増幅装置のようなものと考えています。
また、社会的な意味合いのおいては、仏教徒であることの証、正装、マストアイテムのような考え方によるものと思っています。「あの人は、数珠すら持ってきていない。」と気分を害される方もいらっしゃることから、ちゃんと身支度を整えて葬儀に参列していますよと伝えるためにも必要になってきます。
さりとて、数珠を持参しないからと言って、葬儀に参列できないわけでもなく、神道やキリスト教の信徒様もいらっしゃる訳で、数珠がないからと言って慌てて100均で買って、葬儀の後はタンスの奥に埋もれてしまうよりは、
仏具屋さんに出向いて、上質で、ご自身が気に入るデザインのものを店員さんと相談しながら購入し、
お守り代わりではないですが、普段から持ち歩いて、何かに手を合わせたくなったとき、取り出してお祈りする方がはるかに良いのではと思います。
余談ですが、私が、今持っている数珠は身延のお山を訪れた時に仏具店で見かけて、気になってしまった数珠を使用しています。



