白米に立てているお箸はなに?

藤井俊平

藤井俊平

テーマ:QアンドA

【質問の内容】
祖母の家に仏壇があり、お供物にご飯がありました。写真やテレビ等では白ご飯にお箸を立てて(さした状態)いるのですが、お箸をたてる意味はなんですか?また、お箸は立てなくてもいいのですか?

【回答いたします】
まず、お箸を立てなくても良いかについては、立てなくても構いません。地域によりお箸を立てずにお供えする地域もあったりします。今生の最後の食事として、おいしい白米をお供えしようというお気持ちの方が大切ですから、あまりとらわれる必要はないと考えます。
お箸を立てる意味は、諸説あるのですが、個人的にはスッキリしていないので、自分なりの解釈にてお答えいたします。すみません。

【私が納得している諸説】
諸説① お箸は霊魂の依り代(よりしろ)
神道の葬儀においては、位牌の代わりに霊璽(れいじ)と言う故人の魂を収めるものを用意します。その形にと箸をを立てた形が似ていることから、この説はあり得るのではないかなと考えています。

諸説② 線香に見立てている
故人は香りを食すと言われていることから、線香をお供えするという考えがあります。その線香を香炉に立てている形に似せるために、箸を立てる。地域によって、1本だったり、2本立てたりするのですが、2本の場合でも1本に見える様に揃えてたてることから納得しています。

諸説③ 故人の為の食事であることの強調
箸を立てずにお供えしてしまうと、誰かが食べてしまう事があるから(現代ではありえないけれども、中世とかでは白米はごちそうでしたでしょうし、、)なので、これは故人(死者)の食事であると明確にする為

諸説について①は神道②は仏教由来の説明になっていますが、そもそも、神道というか原始信仰において、農業(稲作=お米)と神様は密接に関係している部分が多いです。古来から、食と霊魂の結びつきも強かったのではないかと推測しています。そのような背景から、霊前に白米をお供えする風習が始まり、仏教の作法に結びついていったのではないかと推察してみると、3つの諸説が自分ではものすごく納得できています。私が、お客様からのご質問にお答えする時は、この様にお答えするのですが、根拠が薄く、何とも頼りなくて申し訳ありません。
この回答を読んだ方から、明快な別解釈を伺えたらと逆に質問したくなる自分がいます。

リンクをコピーしました

Mybestpro Members

藤井俊平
専門家

藤井俊平(葬儀業)

株式会社せれもに

「ライフエンディングサポート」サービスにより、高齢者が抱えるさまざまな悩みをまとめて解決に導く。信頼関係を築き、葬儀について元気なうちから備えていただくことで、安心してお別れに臨んでいただく。

関連するコラム

プロのおすすめするコラム

コラムテーマ

コラム一覧に戻る

プロのインタビューを読む

葬儀とそれに関わる問題解決を目指す専門家

藤井俊平プロへの仕事の相談・依頼

仕事の相談・依頼