家族葬の四十九日法要について。香典は必要?
家族が亡くなってまず誰に連絡をしますか?
病院などで家族が亡くなり、まずどこに連絡をしますか。
すぐに駆けつけることができなかった親族に連絡をする。葬儀社に連絡をし、寝台車の手配をする。いつも相談している友人に連絡をする。など様々なかたちがあると思います。
しかしここ最近では、家族葬を選ぶ人が多くなり、親族や友人には連絡をせず、とりあえず葬儀社に連絡をとるという流れが多くなっています。
一昔前は今とは違い、自宅で亡くなる方も多く、病院等で亡くなっても、とりあえず自宅の布団に寝かすことが多かった為か、いつも家に来て仏壇に手を合わせてもらっている、お寺に連絡をして、住職に葬儀の相談をする方が多かったのです。
毎月お寺さんに来てもらっている家では、めったに会わない葬儀社よりも、毎月会って家の事情をよく知っているお寺さんに相談する方が気心も知れて良かったのです。
そして何よりもまず、はやく枕経を頂かなければならないと思う方が多かったのです。
枕経はいつ頂くのか
枕経とは元々、人が亡くなるその時に枕元で頂くお経のことなのです。しかし、現在ではほとんどの方が病院や施設で亡くなり、最後を看取るのは、僧侶ではなくお医者さんになりました。お医者さんが最後の死亡確認をして、はじめて自宅や葬儀会館に搬送することが出来ます。その後、搬送先にお寺さんに来てもらいます。
お寺さんに来てもらう準備として、まず故人が寝ている枕元に枕机を用意します。枕机とは葬儀社が用意する小さな机で、その上に線香、ローソク、花立等を置きます。その前でお寺さんから枕経を頂きます。枕元の机だから枕机、枕元で唱えるお経だから枕経です。
ちなみに神道でも枕机はあり、水、米、塩、お神酒、榊など神棚にあるような物をお供えします。
枕経の意味とは
では、お寺さんが唱える枕経とはどんな意味があるのでしょうか?
各宗派、色々な考え方、作法等がありますが、私が聞いた二つのお話をさせて頂きます。
まず一つ目は、人は死ぬと勝手に魂が幽体離脱をして、そのままにして置くと、魂はどこかに行ってしまうのですが、それを止めておくためのお経が枕経です。
どういう意味かというと、亡くなった体から、魂は自分が死んだことを分からずに勝手に出て行き、さまようそうです。枕経は魂に自分は亡くなっており、近いうちにお通夜があり、そして葬儀があることを教え気づかせるためにあるのです。
二つ目は、枕経は今から始まる旅の第一歩だと言う事です。
先ほどの魂の話と一緒に考えると分からなくなるので、ひとまず頭をリセットしてくださいね。
亡くなった人は浄土に向かう旅に出ます。お寺さんがお経によって、その旅のお手伝いをするのですが、その旅の道には決まった順序があります。順序一つ一つに意味があり、その一つ目が枕経なのだそうです。枕経の後にお通夜のお経があり、葬儀に引導を渡し、七日ごとの中陰法要があり、そこから満中陰で浄土にいくという道のりがあります。
枕経はその中の一つ目のお経であり、これから始まる道のりの第一歩なのです。
以前は枕経を頂いたのち、納棺が出来るという流れだったのですが、最近ではお通夜の時に一緒に頂いたり、省略したりすることも増えてきました。
しかし、お葬式の打ち合わせの知識として、枕経の事も思い出してもらえばと思います。
ちなみに、枕経の時には身内の方は出来るだけ、立ち会ってください。服装は喪服ではなく平服で結構です。ご読経料はお葬式の御布施に含まれることが多いので、その場で渡すことはないです。
以上、枕経のお話でした。