遺産相続に関するトラブルを法的に解決する弁護士中村正彦

遺産相続に関するトラブルを法的に解決する弁護士

中村正彦

「争族」となってしまわないよう、早い段階で法律のプロに相談してください

　親の遺産をきょうだいで仲良く分割する。亡くなった親もそれを望んでいたのに、ささいな行き違いから、激しい対立が生じ、仲の良かったきょうだいが一転絶縁状態に――。そんな悲しい関係になる前に、「弁護士法人　松尾・中村・上法律事務所」（大阪市中央区北浜）の中村正彦弁護士に相談されることをお勧めします。

　中村弁護士は「相続が時として『争族』といわれるように、遠慮のない身内同士だからこそ、行き過ぎてしまい、他人とのトラブル以上に出口の見えない感情的な対立に陥ってしまいがちです」と説明します。そのきっかけは、たまっていた積年の不満に限らず、遺産分割の手続きを進める中で生じたわだかまりであることも少なくありません。ほんの少し言葉が足りなかっただけで、「長男だからといって自分に有利な遺産分割をしている」などと疑心暗鬼に陥ってしまうこともあるのです。

　それがエスカレートすると、「姉は、親にかわいがられる私を昔からやっかんでいた」「義兄の親戚の態度が横柄」など相続に全く関係のない事柄までが争いの種になり、こうなってしまうと、当事者同士の話し合いでは収拾がつかなくなるといいます。「身内同士の争いは当事者による解決が難しく、大変なストレスにさらされます。早い段階でプロにまかせてもらえれば、ストレスから解放されますし、現実的、合理的な対応をしていきますから、感情的な対立に陥ることなく、最短距離で解決へ向かうことができます」と中村さんは話します。

遺言書を作成しておけば親族間での争いを回避できます

　個人主義が進み希薄化する親族関係、高齢者の財産を狙う手口の巧妙化など社会の変化も相続問題を複雑にします。中村さんや、その事務所が手がけた事例を見てみます。

　ある男性は、遠くに離れて住む父親を亡くしたあと、父親のそばで面倒をみていたという何の血縁関係もない赤の他人から「生前に預貯金を私に残すと言われていた。遺言を書いた紙もある」と遺産の一部を請求されました。父親とは、まったく連絡を取っていなかったので事情がわからず戸惑うばかりです。男性の依頼で中村さんが調べたところ、正式な遺言書でなく効力がないことがわかり、話し合いでスムーズに解決することができました。

　「遺言書は、日付、署名、捺印（なついん）など所定の要件を満たしていなければ効力が認められませんし、たとえ形式が整っていても、内容によっては遺言通りにならないケースもあるので、注意が必要なのです」と中村さんは言います。

　例えば、「ある特定の子供には相続をさせない」「相続権のない孫に遺産のすべてを渡したい」という内容を遺言書に記すことは可能です。しかし、一定の相続人には、遺留分といって最低限相続できる財産の割合があるため、この部分については遺言書通りにいかないことを想定しなければなりません。そんな紛争が起きないような遺言書を作成するのも中村さんたちの仕事の一つです。

　「残される家族の生活状況も様々ですから、遺産を平等に分けるのが常に正しいとは限りません。無用な争いを避けるためにも、遺言書を作成しておくことをお勧めします。有効な遺言書であれば、遺族も争いようがないのです」

対決姿勢ばかりではなく、事案に応じた柔軟な対応が重要

　「身内の問題だから事を荒立てたくない」と弁護士に相談することをためらうのは一般的な感情です。しかし、弁護士に依頼するということは、ただちに「対決」を意味するわかではありません。弁護士に依頼すると、「裁判で争うの？」と受け取られがちですが、まずは当事者の代理人として、話し合いによる円満な解決を目指します。

　特に、相続問題のような近しい間柄におけるトラブルでは、感情的にもつれてしまっているケースが多いため、相手方の言い分、不平不満をきちんと聞くことが解決への近道だといいます。「まずは思いを吐き出してもらって、感情を解きほぐし、冷静さを取り戻したところで、こちらの主張をわかりやすく説明していきます。一見遠回りのようですが、丁寧に粘り強く取り組むことが早期解決へつながります。もちろん最終的には法律にのっとって解決していくわけですが、対決姿勢ばかりでなく、事案に応じた柔軟な対応が重要なのです」

　さらに中村さんは続けます。「本来、血を分けた親子・きょうだい、近しい親族なわけですから、できるだけ禍根を残さないような解決を心がけています。当事務所では初回の相談は1時間無料ですから、少しでも疑問に思うことがあれば、気軽に専門家に相談してみてください」。合理的な中にも中村さんの優しい一面が見えてきます。

（取材年月：2015年4月）

依頼者の心に寄り添って案件に取り組む。それが私たちの基本理念です

「争族」となってしまわないよう、早い段階で法律のプロに相談してください

遺言書を作成しておけば親族間での争いを回避できます

対決姿勢ばかりではなく、事案に応じた柔軟な対応が重要

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