心を豊かにするマナー指導の専門家
石田宙子
Mybestpro Interview
心を豊かにするマナー指導の専門家
石田宙子
#chapter1
「急なお葬式で、お焼香の手順や献花の仕方に戸惑った」「披露宴に招待されたけれどテーブルマナーに自信がない」という人は、「北浜サロン」に足を運んでみませんか?
同サロン主宰の石田宙子さんが、食事作法や立ち居振る舞いについて、基礎からしっかり教えてくれます。
「例えば、お葬式で作法が分からないからと人のやり方ばかり見ていては、一番大事な『故人をしのぶ』ことができません。きちんとマナーを身に着けていれば動じることはなく、相手を思う心の余裕が生まれます」
最低限のマナーを押さえようと思えば、今はインターネットで簡単に調べることができます。また、いわゆるマナー本もたくさん出版されています。しかし、石田さんは顔と顔を合わせてコミュニケーションがとれるようあえて教室を開きました。
「マナーの根幹は、相手を思いやる心です。ハウツー本でテーブルマナーの形だけを覚えても、それでは食べることに必死になるだけ。本来テーブルマナーとは、食事をおいしくいただき、同席者と楽しく過ごすためのものです。サロンでは立ち居振る舞いや着付け、しきたりなどのコースもありますが、いずれにおいても私は、マナーの意味や心のありようについて伝えることを大切にしています」
もともと、おしゃべり好きという石田さんの教室は堅苦しいものではなく、楽しみながら確かなマナーを習得できるのが魅力。現在は大学生から60歳代の大阪在住・在勤の女性を中心に、営業職や個人事業主など、マナーを問われる立場の男性も通っています。
#chapter2
テーブルマナーや立ち居振る舞いなど各コースとも1回の稽古は90分。前半45分間は座学で、作法に込められた意味やあるべき振る舞い方などを学びます。後半は実践に移るのですが、特徴的なのは1回につき1つの所作について学ぶ割り稽古である点。テーブルマナーを例にとると、初回はサラダだけ、次回はスープとパンだけ、といった具合です。和食の場合は、まずはおみそ汁とご飯とお漬物だけを用意し、ご飯のつまみ方から指導するそう。
「いきなりフルコースの作法を学んでも、最後のデザートの時には、前菜のいただき方をどう教わったのか忘れてしまいます。やった気にはなるけれど、意外と身に着きません。コース料理も懐石料理も、実は日常の基本的な動きを見直し、あとはちょっとお勉強するだけで、大丈夫なんですよ」
テーブルマナーは「美しく食べられればOK」ではありません。会話して、周りの人を気遣って、お料理を味わう。意識をさまざまな方向に向けながら正しい作法で食事を進めることが大切で、きちんとやり遂げるには知識を持ち、それを自分の体で覚えておく必要があります。だからこそ石田さんは、一つ一つの基本をしっかり教え込むのです。
「人前で恥をかきたくない」「所作を美しく見せたい」。多くの生徒は最初、『自分』がどうしたいかを考えてサロンのドアをノックします。しかし、石田さんからレッスンを受ける中でマナーの本質に気付き、次第に「一緒に食事をする人に楽しんでもらいたい」「同席する人に嫌な思いをさせたくない」と人のことを思う心が養われていきます。
#chapter3
京都出身の母と、金沢出身で古いしきたりを大事にする家の生まれの父。共にお茶をたしなむ両親の下、石田さんもお茶を習い、場面に応じた作法を身に着けてきました。
「父からは、自分のことは自分で決めるということと、正しいものは何かを世の風潮に流されずに見極める目を持つことが大切だと教えられました。また、母の言動からは自然と、目上の人に対する気遣いの仕方を学びました」
長じて諸外国のマナーを学ぶ中で、両親から教わった「日本人の作法」は、文化の違いで表現方法こそ異なるものの、相手を思いやる気持ちが根底にある点で他の国々と同じだと石田さんは気付きます。「ですから私の教室は、ある意味、両親のしつけや考え方を形にしたものなんです」
グローバル化の時代といわれ、何でも合理的・効率的に物事を進めることがもてはやされているような風潮の中、「立ち止まって足元を見つめ直す機会が必要」と石田さん。「ハウツーというよりは、日常を豊かにするための稽古場でありたい」と話します。
年齢や性別に関係なく、一人でも多くの人に関心を持ってもらいたいと、大阪市中央公会堂で公開セミナーを開くなど情報発信にも努めています。
仕事や育児で毎日追い立てられているように感じる、ハウツー本を読んでもマナーがなかなか身に着かない、定年後の人生を心豊かに送りたいといった人は、一度、石田さんのサロンを訪ねてみてください。
(取材年月:2018年12月)
リンクをコピーしました
Profile
心を豊かにするマナー指導の専門家
石田宙子プロ
マナー講師
北浜サロン
和の立ち居振る舞いから、国際社会で通用するプロトコールまで、大人の日本人として美しい所作と心のゆとりを身に着けるための稽古を基本から丁寧に、少人数制で行います。
\ 詳しいプロフィールやコラムをチェック /
掲載専門家について
マイベストプロ大阪に掲載されている専門家は、新聞社・放送局の広告審査基準に基づいた一定の基準を満たした方たちです。 審査基準は、業界における専門的な知識・技術を有していること、プロフェッショナルとして活動していること、適切な資格や許認可を取得していること、消費者に安心してご利用いただけるよう一定の信頼性・実績を有していること、 プロとしての倫理観・社会的責任を理解し、適切な行動ができることとし、人となり、仕事への考え方、取り組み方などをお聞きした上で、基準を満たした方のみを掲載しています。 インタビュー記事は、株式会社ファーストブランド・マイベストプロ事務局、または朝日新聞が取材しています。[→審査基準]