「活き生き組織」をともに作る社会保険労務士
神野沙樹
Mybestpro Interview
「活き生き組織」をともに作る社会保険労務士
神野沙樹
#chapter1
「社会保険労務士というと、年配の人を想像されるようで、お仕事の依頼のあった企業に行くと『あれ?』っていう表情をされる担当者も多いですよ」と、神野沙樹代表は、にっこり笑います。オフィスは天満橋駅のすぐそば。フットワークの良さが身上です。
社会保険労務士は、企業の労務管理や、人事、雇用に関連する相談や指導に当たります。また、さまざまな書類の作成や労使紛争の調停など幅広い業務内容をこなします。「私は、その前に『いきいき、楽しい会社作り』のお手伝いをしたいと思っています」と、神野さんは言います。問題が起きてから対処するのではなく、問題の起きない組織作りが大切。会社には経営に対する熱い思いを働く人たちに伝えてほしい、従業員も、働くことをもっと楽しんでほしい――仕事の依頼のあった企業には、そんな思いを伝えます。
神野さんが今、主に取り組んでいるのは研修業務です。新入社員、中間管理職、人事担当者、企業のさまざまなレベル、職種の人に体験型のグループ学習「ワークショップ」を含むカリキュラムのセミナーを受講してもらい、組織の運営や自主的な問題解決への意識付けをしていくのです。
「参加者をチーム分けして、『100本のストローとセロハンテープだけを使ってできるだけ高いタワーを作ってください』というようなテーマを出します。決まった時間で成果を競うのですが、結果だけではなくチームがどんな過程でその仕事に取り組んだのかを検証してもらいます。そうすることでチームの人間関係や、役割分担、仕事の進め方などが見えてくるのです。私は、楽しい仕事があるわけでなく、一生懸命やるから楽しくなると思っています。だから、ワークショップをする中で“何かに一生懸命になると楽しい”その感覚をつかんでほしいんです」
神野さんの組織作りには「楽しく」がキーワードになっています。
#chapter2
顧客企業はほとんどが中小企業。神野さんの仕事ぶりを聞いて、顧客から顧客へと紹介されて「顧問社労士」を務める会社が増えています。
「採用」では、経営者の話をじっくり聞いて、その会社が「求める人物像」を明確にします。簡単に言うと、経営者がよくおっしゃる「いい人」とはどんな人かということをはっきりさせます。その上で、ホームページの採用ページの充実や、面接同席、適性検査の活用、入社後の面談など一貫してサポートをします。また、フリーター、高齢者、障害を持つ人など条件に合った際の助成金の活用など、法律や条件が頻繁に変わる制度の利用なども変化に即応します。
「労使関係の改善」のために、経営者の言葉を従業員に伝える「社長メール」「社長レター」の作成のお手伝いをします。社長の原稿にコラムなどをプラス、給与明細作成時に一緒に社員に届けます。神野さんは「よく『社員が何考えているか分からない』とおっしゃる社長さんがいますが、私は『社員も社長の考えがわからないのではないですか?』と尋ねます。そこで、コミュニケーションツールの活用を勧めているのです」と説明します。
経営者と従業員、従業員同士がそれぞれ分かり合い、信頼し合うことで、仕事への理解も深まり、働くことが楽しくなるのです。
「めっちゃ楽しい!」と感じて働ける職場作りこそ、株式会社Niesul(KES社労士事務所併設) が目指す職場です。
#chapter3
神野さんは、大学で労働法を学び、「企業の人事部で働きたい」と思っていました。そして、就職活動で行った機械メーカーの企業説明会で採用担当者が「営業担当者がお客さまを大切にするように、人事部員にとっては、採用不採用にかかわらずこうして出会った皆さんがお客さまです。当社の採否の結果にかかわらず、これから就職・採用について困ったことがあればいつでも相談してください」と言ったことが忘れられません。「就職が厳しい時でしたが、こんな人事部の人に会ったのは初めてでした」。その機械メーカーに採用が決まり、配属先は「総務部」で、法務書類の作成などに携わっていました。やはり人事部への思いが強く、関係した資格を取ろうと「社会保険労務士」にトライ。2006年に資格取得。転勤で東京勤務だった2008年に社労士事務所に転職を図りました。「その会社では、上司にも恵まれ、本当にたくさんのことを学ばせていただきましたし、今でも感謝しています。ただ、勉強すればするほど、その知識を色々な企業に役立てたいと思うようになったのです」とその理由を語ります。事務所勤め2年で独立し、株式会社Niesul(KES社労士事務所併設) を設立しました。
「関西の(K)」「えぇ(E)」「社労士(S)」「Kind 親切」「Express 迅速」「Smile 笑顔」と語呂合わせをしていますが、「本当は、父母と私の名前の頭文字です。うふふ」。どこまでも遊び心を忘れない神野さんです。
(取材年月:2012年8月)
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Profile
「活き生き組織」をともに作る社会保険労務士
神野沙樹プロ
社会保険労務士
株式会社Niesul(ニースル社労士事務所併設)
経営者様、社員のみなさん自身による「就業規則」や「評価制度」づくりをサポートする社会保険労務士。第三者の立場として「制度づくり+人づくり」を促し、真にイキイキとした職場づくりを提案します。
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