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企業法務一筋の行政書士が、企業防衛と経営戦略の観点からビジネスをサポート

企業法務一筋の行政書士

林田淳也

これから始まる事業を円滑に進めていく上で契約書の作成は重要です
リスク管理という点でも契約書は重要

#chapter1

海外との取引を円滑に進められるよう、現地の法律や商習慣などを加味した各種契約書を作成

 近年、社会のグローバル化や国内市場の停滞などを背景に、国外の企業と取引を考える中小企業は少なくありません。しかし海外と日本では、言語や法律、商習慣などが異なるため、双方の認識に齟齬(そご)が生じることのないよう、合意内容を契約書などの書面で締結しておくことが肝要です。

 「例えば、『契約に定めのない項目については、両者の協議によって解決する』という条文。これは日本の企業間で通じても、海外では通用しません。将来想定される懸念事項については、その取り決めを全て契約書に記すのが通例なので、こうした商習慣の違いもきちんと把握しておきましょう」

 こう力を込めるのは、大阪府和泉市で「行政書士ハートレーン法務オフィス」を営む林田淳也さん。約26年にわたる企業法務の経験を生かし、海外および国内向けの各種契約書を含むビジネス文書の作成や英訳・和訳などを行っています。クライアントの約9割が、アメリカやアジア各国と取引する大阪府内の中小企業です。

 「外国から製品を導入し、日本国内に流通させて新規事業を立ち上げたい」という食品メーカーからのオファーでは、提示された英文の契約内容がクライアントに不利益なものになっていないかを確認。取引内容と合致しているかなども精査して、代理店契約の締結をサポートしました。また、日本国内で事業展開するための契約書のひな形も作成し、クライアントの事業拡大に大きく貢献できたとも。

 「契約書は、ビジネスを効果的に実現していく上でとても重要なもの。気になることは何でもご相談ください」と呼び掛けます。

#chapter2

業種ごとの契約の特性を把握し、リスク回避のための注意事項にも言及

 「健全な経営を行うために、なくてはならないのが企業法務。社内外でのトラブルなどを未然に防ぎ、万一もめ事が起きても最小限に抑えられるよう、対策を講じる手だての一つが契約書です」と話す林田さん。業種ごとの特性も把握した上で案件に向き合います。

 例えばソフトウエアの開発では、バグ(プログラムの不具合)の発生で、高額な損害賠償を請求されることも多い点を挙げ、歯止めをかけるために、賠償額に上限を設けることができると説明します。

 「契約は、当事者同士の合意によって成立するもの。それぞれに主張したいことがあるのは当然なので、クライアントの意向を踏まえつつ、双方が納得できる落としどころを探っていきます」

 契約書の作成や検討をする時には、取引をする上での注意事項を網羅したレポートも提出します。海外の契約書は条項を細かく定めているため、見逃してしまうと大きなリスクを背負うことに。違反すれば、制裁金が科せられるだけでなく、日本での許認可も取り消される恐れがあり、企業にとっては大きな損失となるからです。

 「最近では、SDGs(持続可能な開発目標)への関心の高まりを受け、労働者の人権保護の観点から、海外の工場で働く子どもの年齢制限についての記載が求められます。日本国内では、反社会勢力との交際を禁止する条文が盛り込まれるようになりました。クライアントのビジネスが、法律にのっとって適正に行われているかをチェックするのも当方の仕事。独特な言い回わしなども解きほぐし、分かりやすく伝えています」

知的財産権をうまく活用して経営戦略を立てることも可能

#chapter3

特許や商標登録など企業の知的財産権の活用についてもアドバイス

 林田さんは、精密機械メーカーに在籍時、商標登録などの申請業務を担当。自らの知見を生かし、法令により、発明やアイデア、創作物の権利を守る、知的財産権の活用についても助言・提案しています。寄せられる相談の中で最も多いのが、「開発した技術やノウハウをどのようにビジネスに活用していくか」という問題です。

 「例えば特許を取得すれば、他社とライセンス契約を結んで市場を広げることできます。契約書の作成で必要となる、期間、用途、使用料の金額や支払い方法などをどのように設定していくのかもお話ししています。大手の特許事務所で、顧問先企業と研究機関をマッチングする産学連携なども経験したので、多角的にアドバイスできると思います」

 林田さんが開業したのは2020年春。ちょうど新型コロナウイルスが流行し始めた時でした。思うように営業ができなかったものの、培った専門性から順調に依頼が舞い込み実績を重ねます。今後は、事業計画・戦略などを策定する取締役会などの議事録の作成にも取り組んでいきたいと目標を掲げます。

 「企業は、利益を追求する営利集団です。経営面に関与して成長を後押しするのが、企業法務に特化した行政書士の役目でしょう。私もずっと企業で働いてきたので、クライアントさまの目指す方向性は分かっています。利益を上げるために切磋琢磨される皆さんのお役に立つため、最大限の努力は惜しみません。御社のビジネスに合ったサービスを提供していきますので、ぜひお声掛けください」

(取材年月:2023年9月)

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専門家プロフィール

林田淳也

企業法務一筋の行政書士

林田淳也プロ

行政書士

行政書士ハートレーン法務オフィス

26年間企業法務に従事。業種ごとの契約の特性を踏まえ、各種契約書等を作成・検討し、クライアントにとって有用なコメントも提供。英文契約書の取り扱いも熟知し、知的財産権の活用についてのアドバスも行う

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