「お客様」ではなく「地域の仲間」を創る。関係人口がもたらす新しい社会の豊かさと経済
昨日、沖縄観光にとって大きなニュースが飛び込んできました。2025年の入域観光客数が1,075万人を超え、過去最多を更新したとのこと。
この熱気冷めやらぬ中、私は「おきなわブランド戦略セミナー20260128」に本日参加してきました。
県知事をはじめ、かりゆし、沖縄ファミリーマート、オリオンビール、育陶園といった、沖縄を代表するトップランナーの皆様の言葉から見えてきたのは、数字の先にある「人」という究極のブランドでした。
「人」が作る、おきなわブランドの正体
セミナーを通じて登壇者の皆様が共通して掲げていたキーワード。それは間違いなく「人」でした。
株式会社かりゆしの親泊社長が語った、独自の文化や「ゆいまーる」精神、そして「うとぅいむち(おもてなし)」の心。デジタルの進化が加速する今だからこそ、「その人を想い、行動に移す」という人の温度感こそが、沖縄の無形の価値であり、最大の財産であると再確認しました。
特に印象的だったのは、沖縄ファミリーマートの「地域ド密着」や、オリオンビールの「ターゲットは沖縄県民のみ」という戦略です。
「地元の県民に愛され、県民をもてなすこと(インナーブランディング)」こそが、結果として外から来る人々を惹きつけるブランドになる。
この視点は、地域づくりにおいて極めて重要な示唆を含んでいます。
「問い」:人の魅力は経済効果を生み出せるのか?
ここで私は、あえて自分自身に問いを立てました。 「人の良さやホスピタリティは、本当に地域の経済成長に繋がるのか?」
答えは、イエスです。 物質的な豊かさから精神的な豊かさへと価値観がシフトする中、「いい人が多い地域」「大切にされていると感じる場所」には、必ず人が集まり、滞在時間は延び、再訪へと繋がります。それは単なる善意ではなく、最強の経済合理性を持った戦略なのです。
沖縄観光の未来:単価向上か、それとも客数増加か
現在、日本全体で「客数よりも単価(消費額)を上げるべき」という論調が強く、オーバーツーリズムへの懸念も広がっています。しかし、沖縄の現場を見渡したとき、私は少し違う見解を持っています。
京都市のような深刻なオーバーツーリズムは、沖縄の大部分(特に夏場のピーク期や一部の人気エリアや施設以外)では、まだ発生していないと見ています。比較的、余裕があると感じています。沖縄には、ブランド戦略を磨き上げることで、1,500万人、2,000万人という高みを目指せるポテンシャルがまだ十分にあると確信しています。
ただし、そこには絶対的な条件があります。
それは、増えた観光客の恩恵が、一部の観光地や大手企業だけでなく、県内の多様な地域、離島、小規模な事業者にまで「分散・拡散」されることです。
恩恵を行き渡らせる「共創」の役割
せっかく過去最多の1,000万人以上が訪れていても、その恩恵が届いていない現場がまだたくさんあります。その「効果の目詰まり」を解消し、地域全体へ価値や成果を広げていくこと。それこそが、おきなわブランド戦略推進の真の意義ではないでしょうか。
私たち「おきなわコークリエーション」が推進する、離島特化型予約サイト「しまたび」や、関係人口を創出する「島まーる」も、まさにこの「恩恵の分散」を具現化するための装置です。
「県民を最も大切にし、あらゆる人をおもてなしの心でもてなし、地域や県民が誇りを持ち続ける」 その先にこそ、過去最多の数字を更新し続けながら、地域全体が豊かになる沖縄の未来があると信じています。



