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Mybestpro Interview

さまざまな素材を用いた手芸・工芸の魅力を伝えるべく岡山を拠点に活動

趣味をいかした資格取得、育成のプロ

大中英嗣

趣味をいかした資格取得、育成のプロ 大中英嗣さん
展示会風景

#chapter1

指導者を目指す人に向けた資格取得の講座を開くほか、教室紹介、イベントを企画

 「手芸や工芸の楽しさ、ものづくりの楽しさをもっと多くの人に伝えたい」と話すのは、編み物や押し花といった各種教室を開催する「せとうち花倶楽部」の代表・大中英嗣さん。愛好者にこれら教室を紹介するほか、指導者を目指す人のために資格取得の講座を開いたりイベントを企画したりと、手芸や工芸の普及に精力的に取り組んでいます。

 日々、多様な素材が提案され、新たな手法が生み出される手作りアート。近年は趣味の域を超え、作品をインターネットで販売する人もいて創作の世界は広がりを見せています。

「世間で人気を集めるこれらのものづくりを、ここ岡山から」と願う大中さん。同倶楽部の礎である「編み物」をはじめ、押し花愛好家グループとして20余年の実績を持つ「ふしぎな花倶楽部」、白い陶器に転写紙を貼ったり絵を描いたりしてオリジナルのテーブルウェアを作成する「ポーセラーツ倶楽部」の岡山県インストラクター地域事務局を設立。ほかにも「レカンフラワー」「グラスアート」「アートプリント」の地域事務局として活動しています。

 近年は、「シルエットアート」「ガラスフュージング」「クレイクチュール」「フレンチメゾンデコール」などの資格取得指導者を育成し、県内各地で教室の運営者をサポートしています。
「手作りアートのアイテムが充実し、本格的な作品にも気軽に取り組むことができます。そのおもしろさをみなさんと分かち合いたいですね」と生き生きとした表情で話します。

#chapter2

編み物の普及に努めた母の跡を継ぎ「せとうち花倶楽部」の代表に

 大学を卒業後、京都で会社勤めをしていた大中さんが、岡山に戻ったのは2002年のことでした。
「その年に母が突然他界し、急きょ事業を引き継ぎました。母は地元の倉敷市児島を中心に広く編み物の普及に努め、“ニットの貴公子”広瀬光治さんら6名からなる“21世紀ハンドクラフトセンター”のメンバーの一人でした」と大中さん。文部科学省認定の書籍「伝統のニット」の出版に携わるなど、全国的にも知られた存在だったと言います。

 母に代わり、事務局の運営や年々増加する講師を取りまとめるなど、忙しい毎日を送る大中さん。「いずれ家業を継ぐつもりだったけれど、手芸のことはまったくわからないところからのスタート。講師の方々に助けられながら、無我夢中でやってきた」とこれまでの日々を振り返ります。

 また、妻の美佳さんなどまわりの支えもあったようで「妻の母も大阪で編み物文化教室を主宰していました。私の母と同じ『21世紀ハンドクラフトセンター』のメンバーで、各種手芸の指導者として活躍していて心強いですね」と笑顔を見せます。

 多くの人との縁を大切にしながら、自身の母が築き上げた「編み物」「押し花」「ポーセラーツ」教室の一層の普及、振興にも尽力。講師のスキルアップのために講習会を開くほか、各手芸の合同作品展を実施しています。

 2004年と2017年には「中国・四国押し花アート展」の実行委員長を務め、大成功を収めました。また、国や県主催のイベントで手芸体験会なども多く開催。2009年には、「全国都市緑化フェアおかやま2009」に参加し、押し花のインストラクターやその生徒など、多くの仲間たちが力を合わせて作った3万枚の“押し花しおり”を来場者に寄贈。岡山市から感謝状が贈られました。

押し花

#chapter3

手作りのよさが見直されている今だからこそ伝えたい手芸の魅力

 「同じテーマでも、人によってまったく違う作品になるのが、手芸などものづくりのおもしろいところです。子どもからお年寄りまでが楽しめるので、世代を超えて人の輪が広がるのもすてきだと思います」と大中さん。

 先代だった母の突然の死、他分野からの転職など困難な中で会社を経営してきた大中さんは、何より“人とのつながりが財産”であることを実感しています。
「講師のみなさんが集まって情報交換やスキルアップに励んでいる様子を見るたびに、“人との輪”“触れ合い”の大切さを感じます。ものづくりを通じてそのことも伝えていきたい」と話します。

 大量生産、大量消費の時代を経て今、手作りのよさが見直されています。「手芸などのよさは自分でカスタマイズできること。自分だけのオリジナルができると、愛着もわいてきます」と大中さん。その横でほほ笑む美佳さんは、子を持つ母として「何もないところから形づくっていく作業は、とても貴重な体験となります。子どもと一緒に創作する喜びと完成したときの達成感を味わってほしいですね」と話します。

「地域のみなさんに、手芸をはじめとするものづくりの魅力を知ってもらいたい。そのきっかけづくりをしていくことも、私たちの役割」と話す様子から、二人の熱い思いが伝わりました。

(取材年月:2019年1月)

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大中英嗣

趣味をいかした資格取得、育成のプロ

大中英嗣プロ

せとうち花倶楽部

短期養成講座・資格取得講座・指導者育成講座 スキルアップセミナー 等を定期的に開講し、趣味を生かして資格を取得し、より多くの方々に手作りの楽しさを伝えて下さる方々をサポートしていきます。

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