基礎編20~魅力的な地域体験を提供するために考えること
改修&リノベーション
「既存設備をそのまま」というやり方を否定するわけではありません。築浅の物件ならほぼそのまま設備が使えます。
しかしながら、築古物件や古民家等の物件は、改修をやったほうが良い!特にやるべきなのは、お風呂、トイレ、洗面所、キッチン等の水回りです。理由は「基礎編8.5~民泊に用意したい設備と環境」で述べましたが、総入れ替えしたほうがよいところです。
壊れたときにその都度するよりも、総入れ替えするほうが金銭的メリットがあります。なぜなら、修理する必要性が今後10年~15年ほぼないからです。そして、事故発生確率が相当低いです。
水回りの次が窓・サッシです。民泊運営をしていると、夏と冬の時期の光熱費と温暖な時期の光熱費の違いに驚くばかりです。その差を埋めるためにも、窓とサッシの交換をおすすめします。
築古住宅には、単板ガラスが多いため、複層ガラスに交換するだけで、光熱費を全体的に押し下げることが可能です。電気やガスの請求書で実感できますよ♪
窓・サッシの次が床です。フローリングや畳部屋は多いですが、正統派和式の畳部屋以外は、フロアタイルに交換することをおすすめします。フロアタイルは、強度が高く、ゲストが多用するキャリーケース対策となります。それでもフロアタイルが削れるときは削れてしまいますが、フローリングよりは原状回復が簡単とリペア屋さんから聞いております。
既に居住性や快適性があり、ゲストたちに提供したい空間であるならば、改修費用は発生しませんが、「ゲストたちに何を提供したいのか?」を基準にお考えいただきたいと思います。
家電・家具
必要な家具や家電製品の購入費用も大きな初期投資の一部です。
ベッドやソファ、テーブル、キッチン用品、エアコン、冷蔵庫、洗濯機等、ゲストが快適に過ごすための設備を揃える必要がありますが、どこで何を選ぶかはホストの考え方次第です。
非日常の部屋ならば、おしゃれな家電や家具を選びたくなりますよね!ホストのインテリアセンスが問われるので、部屋全体の色彩構成を考えながら、購入を考えていただきたいところです。
日本の家電には注意が必要です。とにかくメニューが多い…。外国人観光客には、理解しにくいという欠点があります。ハウスマニュアルに家電の取り扱い説明を入れ、サポートする必要性があるので、ご注意ください。
火災保険
維持費に近いですが、火災保険会社によって保険料は大きく異なります。旅館業法なのか?住宅宿泊事業法なのか?で、保険料の違いがあります。
昨今、大型の災害が相次いだため、10年契約ができなくなりました。保険料は値上げしています。しかも、築古物件の保険料は爆上げです。決して遠慮することなく、大手の火災保険会社から見積もってください。
三井住友海上、損保ジャパン、あいおいニッセイ同和損保、東京海上日動、日新火災海上など。大事なのは、地元に火災保険の代理店があるということです。私個人は、保険会社による一括見積もりサイトは使っておりません。
寝具・リネン類
購入すれば消耗品ですし、リースならば外注費になるかと思います。購入するならば、(マットレス+布団一式+シーツ・タオル類)×宿泊できる最大人数となるので、結構な金額になります。
私の選択は、マットレスやシーツ・タオル類を購入することでした。
桃雉庵別館の立ち上げの際は、ベッド+リネン類だけで100万円ほど購入しました。もちろん、ホストの宿泊への考え方次第となりますが、宿泊単価高めならば、リネン類も比例して高額な金額となります。宿泊単価が低めならば、リネン類の費用を抑えることもできます。
これらの費用をすべて計上し、詳細に把握した上で、将来的な収益とのバランスを見ることが重要です。将来的な宿泊料金と予想される稼働率を基に、収益を予測します。その上で、初期投資を回収するための期間及び目指す利益率等を設定し、事業計画を作成していただきたいです。
重要なのは、ホストが目指す目標やライフスタイル次第だということです。そして、利用する物件や地域の観光需要とゲストの実情が合っているか?どうかを見極めることです。そのためにも、初期投資の詳細な計算と将来的な収益予測は、民泊運営開始前の重要なステップとなります。
以上が初期投資の計算についての説明となります。民泊運営は一見手軽に始められるように思えてしますが、長期的な収益的成功戦略を立てるには、しっかりとした事業計画と、それに基づいた投資計画が必要となります。
今回ご紹介した各要素をしっかりと理解し、民泊運営準備を進めることで、成功への道を切り開くことが可能となります。
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