現役美容師さんに「学び直したい」と思っていただいた振袖着付け
こんにちは。
『キモノが生まれる瞬間からお客さまが袖を通すまで』
オリジナルブランド「明和美染」の販売や、洗い、寸法直しといったアフターケア、
結婚式や成人式などの一般着付け〜日本舞踊の着付け(衣裳方 / いしょうがた)として活動している
古谷野 貢です。
「浴衣って、苦しいし、足が痛くなる…」
そう語ってくださったのは、あるお客様の幼い頃の記憶でした。
その体験がずっと心に残っていて、大人になってからもキモノや浴衣に距離を感じてこられたそう。
毎年8月の恒例行事では、皆さんが浴衣で集まる中、洋服でご参加されていたとのこと。
そんなお話を聞いて、私の中の“なんとかしたい魂”に火がつきました。
「一度、私に任せていただけませんか?」
お似合いになる姿が目に浮かんでいたからこそ、そうお伝えしました。
知らずに遠ざけてしまっているキモノの世界。
その魅力を、一人でも多くの方に知っていただきたい。
それが、私の使命でもあります。
こうして、浴衣の誂えをお任せいただくことになりました。
身体に合わせたお仕立て、草履は別誂。
やはりピッタリの寸法は着せやすく、着崩れもないですね。沢山歩かれたそうですが、足も楽だったと。
8月に浴衣でご参加されるご予定が2回あると伺い、
1回目は、お客様のキリッとした凛々しい雰囲気に合わせて、帯は貝の口でスッキリとまとめました。
そして迎えた2回目。
今回は、担当の美容師さんが「可愛らしくセットしましょう」とおっしゃっていたと伺い、雰囲気をガラッとチェンジ。
帯はふんわりとやわらかいイメージで仕上げました。
シンプルな浴衣でも、帯結びひとつで印象は大きく変わります。
着る方の「その日」の予定やヘアスタイル、空気感までを含めてトータルで考える――これも着付け師の仕事です。
会のあと、こんな嬉しいご感想をいただきました。
「ありがとうございました!
めちゃめちゃみんなに誉められたよー!嬉しいー!」
お客様の笑顔が、その日いちばん輝いていたことを想像して、私も思わずにっこり。
また来年の夏も、より素敵な装いでご一緒できますように。
このたびは衣裳から着付けまで、お任せいただきありがとうございました。



