「浴衣は苦しい」が変わった日
こんにちは。
『キモノが生まれる瞬間からお客さまが袖を通すまで』
オリジナルブランド「明和美染」の販売や、洗い、寸法直しといったアフターケア、
結婚式や成人式などの一般着付け〜日本舞踊の着付け(衣裳方 / いしょうがた)として活動している
古谷野 貢です。
私の着付けの軸となるテーマは
──「シルエットで魅せる」ことです。
お顔を第一に考えながら、衿合わせの角度や衿幅、おはしょりの長さ、帯揚げの見え方や帯締めの位置まですべてを体型や雰囲気に合わせて決定していきます。
そこに “正解”はなく、その時の "ベストを探す" のが私の着付けです。
「シルエット」という点で言うと一番分かりやすいのが男性の浴衣かもしれません。
男性の浴衣やキモノは女性に比べて着付けや帯結びがシンプル。
だからこそ、細部のさじ加減がそのまま全体の印象につながります。
この「シルエット」が「カッコいい」と「ダサい」を大きく分けます。
帯の位置をほんの少し変えるだけで、立ち姿や歩き姿の雰囲気まで変わります。
着付けとは、ただ着せるだけではなく、お顔や体型に合わせることは当然なのですが
『心に着せる』ことだと思っています。
キモノを着てハッピーな気持ちで出かけてもらう。
これが最も重要だと思っています。
そのためには美しく、楽な着付けは必須な技術です。
だからこそ「今日はどんな気分ですか?」と伺いながら、その瞬間のお客様の "最高のシルエット" を探し続けます。
そして、あるお客様はこう仰ってくださいました。
「何人もの着付師さんにお願いしてきたけれど、古谷野さんの着付けはずば抜けている」と。
私としてはまだまだ未熟なのですが、このような御言葉をかけて頂けるととても励みになりますし、やり甲斐を感じる瞬間です。
これからも精進してまいります。



