正装の場にふさわしいキモノの柄、そうでないものとは?

こんにちは。
『キモノが生まれる瞬間からお客さまが袖を通すまで』
オリジナルブランド「明和美染」の販売や、洗い、寸法直しといったアフターケア、
結婚式や成人式などの一般着付け〜日本舞踊の着付け(衣裳方 / いしょうがた)として活動している
古谷野 貢です。
皆さんは、キモノや羽織に入っている「紋」について気になったことはありませんか?
今日はこの「紋」について少しお話ししたいと思います。
紋は、平安時代末期に皇室の「菊の御紋」から始まったとされ、公家や武士たちが身分や家柄を表すために使い始めました。
やがて江戸時代には衣服や装身具にも広まり、今では礼装の場面で欠かせない存在となっています。
ひとくちに「紋」といっても、実はその種類はとても多く、家紋の数は4,000種類以上あるともいわれます。
加えて、紋の「技法」や「描き方(表現形態)」、「入れる数」によっても、きものとしての“格”が変わってくるのです。
たとえば、最も格式が高いのは「染め抜き日向紋の五つ紋」
これは黒留袖や黒紋服など、正礼装に使われます。
一方で、訪問着や色無地に「一つ紋」が入ることで、ちょっとした式典やお呼ばれにもふさわしい略礼装として扱われます。
さらに、地域によっては「女紋」と呼ばれる風習もあり、母から娘へと女性のみに受け継がれる特別な紋も存在します。
関西では今も残っているこの文化、東日本の方には馴染みがないかもしれませんね。
紋の数や技法、描き方には、それぞれ意味があります。
知らずに着ていると、TPOに合わない着姿になってしまうこともあります。
貴方のキモノに入っている紋、その由来や意味を知ることは、日本の文化を知る第一歩でもあります。
もう少し詳しく知りたい方はこちらからご覧ください。
キモノの“紋”ってなに?知っておきたい紋の種類・技法・格の基



