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自分の描いた絵画や空間ペイントで、一人でも多くの人に希望や喜びを届けたい

絵画の力で人の心を豊かにし、見える世界を変えるプロ

芳賀健太

芳賀健太 よしがけんた
芳賀健太 よしがけんた

#chapter1

一枚の絵画が人生を変える、奇跡の瞬間。

 日常生活で嫌なことがあったり、人生に絶望するような出来事がおきたとき、暗闇の中で、何かにすがりたくなることはありませんか?アーティスト・芳賀健太さんの描く絵には、そんな人の心に寄り添い、気持ちをいつしか癒してくれる不思議な力があるようです。

 実際にあったエピソードとして、芳賀さんが学生からの依頼で、大分大学医学部附属病院のギャラリーに、定期的に絵を展示していると、先日まで入院していたという女性が現れて、持参した杖に、絵を描いて欲しいと頼まれました。その時一緒に受け取ったお手紙によると、その方は、7年前に足を悪くして入院し、二度と治らないかもしれない絶望の縁にいたのだそう。自ら命を絶つことを考えていたとき、芳賀さんの絵を見て、感動と生きる力をもらったと、感謝が綴られていたのです。
 また、「挙式の1カ月前に父親を亡くした新婦の友人に頼まれ、ヴァージンロードを歩いている父と並んで歩く新婦のドレス姿を描いたり、もうすぐ生まれるはずであったお腹の子を、流産で亡くしてしまった両親からの願いで、家族全員とその子が一枚の絵の中で、一緒に笑っている姿を描いたこともあります」と芳賀さん。
 現実とは違っていても、気持ちを現実に表すことが出来るのが絵の力。一つひとつが、まるでドラマのようなエピソードですが、芳賀さんの作品が、いかに人の心の拠り所となっているかを、物語っています。

#chapter2

絵や音楽が、人とのコミュニケーションツールに。

 芳賀さんは兵庫県尼崎市に生まれ、小学生の時、北九州に転校。大分には、県立芸術文化短期大学に入学したことで、縁ができました。
 小さい頃から絵が得意で、祖母に褒められたことから、いつしか「絵の力で社会に貢献したい」と思うように。「子供の頃は転校が多くて、環境の変化が激しかったので、自分の内面とよく向き合っていました。そのうち、絵で気持ちを表現するようになりました」。
 漫画家を目指して、大手出版社に作品を送っていた時期もありました。表現するという意味で、音楽も好きだった芳賀さん。短大時代は、学校で絵を勉強するかたわら、商店街で弾き語りを行い、絵や音楽を通じて人とコミュニケーションをとる楽しさも知ったといいます。
 卒業が迫り、本当に絵だけを生業としてやっていけるのか、進路に悩んでいると、埼玉県に、壁画を描く仕事の会社があることを知り、会社説明会に参加しました。「説明会では、廃業寸前の駐輪場に壁画を描いたことで、お客さんが増えて経営が盛り返したという話や、暗くてゴミの多かった駅前の通りに、絵が描かれると、ゴミを拾う人が増えて、雰囲気が変わったという話を聞き、衝撃を受けました。やはり絵の力で、世の中は変えられる。そう確信し、絶対に絵画の仕事がしたいと思いました」。
 大分へ戻ると、「後輩のアルバイト先が、新店舗を出すことになり、壁画を描ける人を探しているとの話が。それで心が固まりましたね」と芳賀さん。
 卒業と同時に、路上で活動していた音楽仲間に誘われ、新規で立ち上げられたデザイン会社で働き始めます。そこは不動産関係のフリーペーパーを制作していた関係で、様々な物件で壁画を描きつつ、それ以外に外注も受けたりして、経験を積んでいきました。
 そこから5年が経ち、26歳の時に独立を決意します。大分や東京などで個展を開くなど個人の作家活動と、以前から名乗っていた「空間ペインター」として活動を続け、絵画教室の開催や広告関連のデザインなど、アーティストとして表現に関するあらゆることに挑戦していきました。

芳賀健太 よしがけんた

#chapter3

過去や未来を描く絵画だからこそできるセラピー。

 空間ペインターとしては、アパートや店舗の壁画を描いたり、空港や道の駅に、3Dアートを施したり、幼稚園バス、楽器や杖に絵を描くなど、要望があれば、場所も素材も関係なく、絵を描く芳賀さん。絵のタッチもクライアントの要望に添い、抽象画から写実画まで、幅広く対応してくれます。

 個展の絵は、油絵の風景画が多く、見つめていると不思議と心が洗われるような、とてもやわらかい雰囲気を醸し出しているのも印象的。医大病院のギャラリーでの展示は現在、建物の改修工事のため一旦休んでいますが、5年前からは、大分赤十字病院にも絵画が飾られているそう。

 絵の力で、人の心を癒したり、世の中の見え方を変えられると確信した芳賀さん。今後は、さらなる社会の役に立ちたい思いで、絵画セラピーに力を入れていくとのことです。
 「過去や未来を創造できる意味で、写真ではなく、絵にしかできないことがあります。それを創ることが、自分のやりたいことであり、使命なんだ。そう感じています」。
 絵画の力で、一人でも多くの人生に一筋の光が差し込めば。そんな思いを胸に、これからも筆を握り続けていきます。
(取材:2017年8月)

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芳賀健太

絵画の力で人の心を豊かにし、見える世界を変えるプロ

芳賀健太プロ

画家

空間ペインター

アーティストとして、絵画に関する幅広い業務を請け負っており、オーダーによる絵画制作・壁画制作等幅広い業務を行っています。

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