装着型サイボーグHAL®でさまざまな身体機能の改善を促すプロ
安永好宏
Mybestpro Interview
装着型サイボーグHAL®でさまざまな身体機能の改善を促すプロ
安永好宏
#chapter1
装着型サイボーグHAL®を用いた身体機能改善を支援する「大分ロボケアセンター」の代表取締役・安永好宏さん。湘南(神奈川県)と鈴鹿(三重県)のロボケアセンターの代表も務めるほか、親会社サイバーダインの取締役営業本部長でもあり、サービス事業とともにHAL®の普及にも注力しています。
HAL®とは、身体機能を改善・補助・拡張・再生することができる装着型サイボーグです。人は体を動かそうとするとき、その運動意思にしたがって脳から神経を通じて筋肉に電気信号が伝わります。その際に皮膚表面に漏れ出る微弱な生体電位信号をHAL®が読み取り「動く」という動作をアシスト、装着者は自分の意志で「動いた」という感覚を得ます。それを繰り返すことで、最終的にはHAL®を装着していなくても「動かす」ことが期待できると言います。ロボケアセンターでは、生まれつきマヒのある方や、脳梗塞や脊髄損傷などで障がいのある方に向けたプログラムが用意されていて、機能改善を支援するサービスを提供しています。
仕事をする上で安永さんが大切にしているのは、病気や障がいを抱えている人たちの可能性を引き出すことです。
「利用者の方にはそれぞれ目標や目的があります。それに最短で近づけるためのサポートが私たちの役割だと思っています。利用者の方々の『もう一歩進みたい』、『生活を変えたい』という思いを応援していきたいですね」
現在は「腰タイプ」、「単関節タイプ(ひじ・ひざ)」の個人向け在宅でのHAL®レンタルサービスもあり、ロボケアセンターで専門スタッフから機能改善を促すプログラム「Neuro HALFIT®」の指導を受けた後、自宅で利用できるとのことです。
#chapter2
安永さんは米国公認会計士の資格を生かし、その道で活躍していました。その安永さんがHAL®に興味を持ったのは、テレビ番組で見た「装着型サイボーグHAL®」だったそう。
当時、福島で働いていた安永さんは、地方の高齢化を気にかけており「高齢者もテクノロジーを使って仕事をしていかないと、日本の経済は行き詰まってしまう」と考えていました。そこで、HAL®の研究・開発、製造販売を行う筑波大学発のベンチャー企業「サイバーダイン」に経営支援や上場支援を行う経営管理部長として入社、HAL®と関わることになります。
仕事をしていく中で営業の現場にも立ち会い、病院や介護施設でHAL®を利用した人たちが自立していく姿を目の当たりにします。「利用者の方々の変化を目の前にして、自分もしっかり勉強をしなければならないという気持ちになりました」と安永さん。利用者をもっと理解するためにと、ホームヘルパー2級(現・介護職員初任者研修)、福祉用具専門相談員、住環境福祉コーディネーターの資格を取得。その後も、放送大学大学院修士課程を修了し、現在は筑波大学大学院の人間総合科学研究科・疾患制御医学専攻でHAL®を用いた研究を行っています。HAL®を使うことで得られる喜びをもっと多くの人に知ってもらいたい、HAL®の可性能を最大限に引き出して活用してほしいと、研究や普及に努める日々です。
今まで自分の意志で体を動かすのが難しかった方が、HAL®を装着することでモチベーションが高まり、自発的に「もっとやってみたい」と言ってくれるのはとてもうれしいと安永さん。
「体が動かないことで心まで落ち込み、仕事ができなくなる方も少なくありませんが、ロボケアセンターのプログラムがきっかけで職場復帰する様子を見ると、その支援ができてよかったと実感しますね」
#chapter3
大分ロボケアサービスセンターでは、HAL®をより多くの方に利用してもらうために、さまざまな取り組みを行っています。例えば、大分県や別府市などの行政と連携した「ツーリズム企画」。大分県別府市ならではの「温泉観光」とHAL®を用いた機能改善を促すプログラム「Neuro HALFIT®」を組み合わせたもので、利用者だけでなく家族もゆっくりできるのが魅力です。「腰痛の改善を促すようなプログラムなどもあり、リフレッシュした後に観光が楽しめるのでお勧めですよ」と安永さん。
もう一つ、別府市から要請を受け、介護の必要がない高齢者へのフレイル予防事業も行っています。すでに多くの高齢者がHAL®を装着しプログラムを体験しているとのこと。その結果、体が動かせる方の場合でも、体が軽くなる、動作回数が増えるなどの変化が見られたそうです。
また、ラグビーワールドカップに出場するトップアスリートや、プロ野球選手などもHAL®のプログラムを活用しており、より良いパフォーマンスを引き出すための身体的な変化を実感したと言います。
「障がいがある方はもちろんですが、もっと幅広い方々にHAL®を用いたプログラムを知ってもらう活動にも力を入れていきたいですね」
利用者の目的によって使い方も変わってくるHAL®は、体の変化はもちろん気持ちの変化ももたらしてくれるようです。「障がいのある方でも、一般の方でも、可能性を広げる選択肢として考えてもらえたら」と安永さん。これからも利用者の喜びのため、HAL®の普及に努めたいと力強く語ります。
(取材年月:2021年3月)
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Profile
装着型サイボーグHAL®でさまざまな身体機能の改善を促すプロ
安永好宏プロ
ロボケアセンター代表
大分ロボケアセンター株式会社
装着型サイボーグHAL®を用いて、脳梗塞や脊髄損傷などで障がいのある方の機能改善を促す。専門スタッフが一人一人の目標に合わせ指導、自立を支援。また介護の必要ない高齢者やアスリートへ向けての活動も行う。
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