フランチャイズビジネスの成功率をあげる鍵は「経営者意識」にあり
フランチャイズオーナーの年収とは？
これからフランチャイズで独立したいと考えている方にとって、現在の収入と比べてどの程度変わるのかはぜひ、知っておきたいところではないでしょうか。そこでまずはフランチャイズオーナーになるとどれぐらい稼げるのかについて見てみます。
独立開業情報を発信しているマイナビ独立が2018年8月に発表した開業歴5年以上のフランチャイズオーナーに調査した結果、もっとも多かった年収は300～500万円でした。開業歴5年といっても、それぞれの年齢も違えば、業種も異なるため、一概に比較はできませんが、一般的なサラリーマンの年収である531.5万円（平成29年度民間給与実態統計調査（国税庁）平均年齢45.9歳、平均勤続年数13.5年の男性）よりも若干、低い数字となっています。
年収における成功か失敗かの基準は、単純に現在の年収ではなく前職の年収との比較で見る必要があります。仮に前職の年収が300万円であれば、300～500万円という数字だけでみれば成功の部類に入ります。しかし前職の年収が1,000万円であれば、オーナーになって300～500万円では失敗といえます。
また300～500万円の次に多いのが、500～700万円と0～150万円とが同数になっていることから、開業歴5年以上のベテランであっても、年収には大きな差があることがわかります。さらにこの調査では、年収が300万円未満と700万円以上では300万円未満のほうが多いという結果が出ています。この結果から見て、フランチャイズオーナーになったからといって成功するわけではなく、そのなかでいかに努力をするかで、年収も大きく変わると考えられます。
単月黒字化までにはどれぐらいの期間がかかるのか
次に店舗の売上について見ていきます。当然ながら店舗の売上がなければ年収も上がることはないため、自身の収入と同様に重要な数字といえます。
前出の調査によると、単月黒字が常態化し始めた時期でもっとも多いのは、「開業から5年でまだ実現していない」です。ついで開業から2年以内、3年以内、1年以内と続いています。前項でご紹介したオーナーの年収で300万円以下が少なくないことからも、単月黒字が常態化していないオーナーが多いことはうなずけます。
ちなみに単月黒字の状態化を実現していないオーナーの店舗月商は、20万円未満と20～50万円未満が同数、そして100～200万円が1割となっています。このことから基本的には月商が低い店舗は単月黒字が常態化されていないと思われるのではないでしょうか。しかし実際はそうでもありません。なぜならオーナー全体の調査でも20万円未満、20～50万円未満という数字が少なくないからです。
もちろん、50～100万円が一番多いという結果が出ていますが、0～50万円未満もそれに続いていることから、月商が少ないことが、単月黒字の状態化にならない最大の理由ではないといえます。ではなぜ、同じ月商でも単月黒字を実現しているオーナーと実現していないオーナーがいるのでしょう？ それは開業時の借入金が大きく影響しています。
開業時の借入金が経営に与える影響
単純に開業時に借入金が多いほど、その回収に時間がかかり単月黒字化を達成する期間も長くなると考えられるかもしれません。
しかし実際はその逆で、前出の調査では開業2年以内に単月黒字が常態化したケースで、まったく借入金がないオーナーの場合、約50%なのに対し、300万円以上の借入金があったオーナーは約72%という結果です。
もちろんこれだけで結論としてしまうわけにはいきません。しかしこの結果から見えることは、借入金が多いことがイコール、単月黒字化に時間がかかるということではなく、開業時にしっかりと初期投資をしたかどうかがその後の黒字化に大きく影響しているといえそうです。
フランチャイズでの開業も経営における資金の重要性をしっかりと理解することが重要
ここまでフランチャイズオーナーに関する「お金」についていくつかのデータを見てきました。ここからわかることは、フランチャイズは成功率が高いといわれているものの、事前の計画をしっかりとつくることが重要であることです。特に初期段階において、必要な箇所に必要な資金を投入することが、結果として短期間で単月黒字の常態化につながっていきます。
最初の数年は結果が出ずに焦ってしまうこともあるかもしれません。しかしだからこそ初期投資をしっかりと行うことが成功への近道になるといえるでしょう。
