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命を頂くという事

白石洋一

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テーマ:雑記

幼稚園に通ってた記憶を辿りました。
その頃この荻町木下の山奥でも同世代の子供がなんと5人もいました。同じ年に小学校に入る子供です。
女の子二人、男の子三人、皆のフルネームを記憶してますがこのご時世明記はやめます。
男一人は35歳位で癌で亡くなったと聞いてます。
この地に残って生活しているのは私だけです。

荻町に幼稚園(もしかしたら保育園だったかも)が新しく開設された年だったかもしれません。
年上の人達が通ってた事を聞いた記憶が無いからです。
木下から子供の足で歩いて40分だったでしょうか、豊肥本線の滝水駅迄。
1966年(小学校に上がる前)にはまだ豊肥本線は蒸気機関車の時代です。
通園がSLだったのです。今思えば大変貴重な経験だったと思います。
あの頃は牧歌的な時代で、発車時間になりドアが閉まりボーッと警笛が鳴っている時に
私たち子供が走って駅に向かっていると、蒸気機関車はドアを開けて
乗り込むまで待ってくれました。
何度かそういう事が有ったと思います。
恐らく帰りも蒸気機関車だったと思うけど、その記憶が殆ど無く記憶に残る程のアクシデントが無かっただけかもしれません。
滝水駅から大分方面に一駅の荻駅まで一区間の通園でした。
車窓から木下の踏切の通過時に部落の家を見るのです。

小学校に上がる前、家では家畜が沢山いました。
馬は馬車を引いて収穫した農作物を運んでいました。
タバコを苗から育て馬車で運んで畑に植え込み、収穫すればまた馬車で葉っぱを運び
建て替える前の古い家の天井裏に綱を張り巡らせて干しあげます。
牛は畑を耕したり畝を作るための農機具を引かされていました。
田んぼでも活躍してました。
確か、豚もいました。農耕には供与出来なかったと思うので食料になっていたのかもしれません。
鶏は沢山いました。納屋の低い場所には生みたての卵がゴロゴロしてた。
有精卵だったと思う。それで炊き立ての白米のTKGに醤油を少し垂らして。
あの濃いい味のTKGは今となってはかなりの贅沢だと思う。本物の鶏卵の味でした。

鶏は、盆とかの節目の季節になると、親鳥を一羽捕まえて、絞めるのです。
恐らく、首を切断して血を抜いて・・・父の役割でした。
その場面の記憶が有りません。敢えて見せないようにしてたのかも知れません。
羽を全部毟り取って裸にしてしまいます。
それには、細かい毛がまだ無数に残ります。
焚火を起こして、その小さい残った毛を焼くのです。
この時の焦げる匂いは強烈でした。今でもこの匂いはしっかり記憶されてます。
鶏が生きた痕跡を残すための匂いだったのかも知れません。
少なくとも私には未だに残っています。
父は出刃包丁で解体していきます。骨以外は全部食べられてたのでは、と思う
その頃の私は、鳥飯も美味しく平気で食べられていました。

小学校にあがり2年生頃でしょうか
私は突然、肉という肉が一切食べられなくなりました。
給食のカレーに入った肉片が呑み込めないのです。
呑み込もうとすると喉の手前で止まってしまい、呑み込んではダメ、と頭が反応しました。
「肉は生きた動物を殺して命を奪ってからその死体を食べている」
その当たり前の事象に気付いたのです。
幼い頃に小屋に居た家畜や庭先を駆け回っていた鳥達と戯れた記憶が根底に有り
命って?とかそういう事に思惑が及んでしまったからでしょう。

小4の頃の女先生は名前は今も記憶してますが、はっきりとモノを言う人で己の考えた方を強引に押し付ける人でした。
給食の時間に煮物に入った鶏肉を私が飲み込めなくて残していると
私が全部食べ終わるまで、昼休みは無いと。
私は嗚咽しながら、仕方なく鶏肉とその皮の部分を脱脂粉乳で飲み込んでました。
クラスの40人以上の馬鹿にしたような視線を浴びたその経験はトラウマとなりました。

18歳で上京し社会人となって21歳頃まで私は、馬、豚、鳥の食肉は食せなかったのです。
本を読む習慣は有りました。
たまたま古本屋で見つけた、女優の岡崎由紀さんのエッセー。
その中に菜食主義者だった彼女が、お肉が食べられる様になった経験の文が有りました。
「命をとられた動物に感謝して肉を食す」
そうか、感謝して食べるんだ

成人になっていた私は、お酒を飲みようになりました。
先輩や同僚と居酒屋通いが始まります。
焼き鳥、モツ煮込み、鶏のから揚げ、等々
「感謝の心」をいつも大切にしながら私の酒飲み人生は豊かになりました。

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専門家

白石洋一(システム開発)

株式会社アクセプトワークス

中小企業向けに、開発費用負担を抑えつつ、導入先の要望に合わせてカスタマイズしたシステムを提供。Excelを利用した開発を得意とし、既存環境でも使えるシンプルなシステムで中小企業のIT化を支援します。

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