退職金と〝じぶん年金〟の充実を図る資産形成のプロ池田隆

退職金と〝じぶん年金〟の充実を図る資産形成のプロ

池田隆

中小企業の退職金制度を受け取り額が増える仕組みに改善

　人生100年時代を見据えて、政府は「資産所得倍増プラン」を掲げ、2024年にNISA（少額投資非課税制度）の投資枠を拡大し、非課税期間も無期限に。iDeCo（個人型確定拠出年金）では加入年齢の上限を引き上げるなど、資産形成を後押ししています。

　「私の使命は、公的年金を大黒柱とする老後資金を、退職金と自身で積み立てる〝じぶん年金〟で充実させることです」と力を込めるのは、「サクセスプラン」代表取締役の池田隆さん。年金やライフプランに関する専門性を備えたDCプランナー、ファイナンシャル・プランナーの上級資格者CFPとして、企業の退職金制度や個人の資産形成などについてアドバイスしています。

　退職金制度には、国による中小企業退職金共済（中退共）のほか、特定退職金共済（特退共）、企業型確定拠出年金（DC）、保険などがあります。
　「制度を導入してそのままという企業が多いですが、従業員の資産所得を増やすという観点から部分的にでも見直すことをおすすめします。退職金の拡充は、働く人のモチベーションアップが期待でき、離職率の低下など、ゆくゆくは会社の利益につながります」

　池田さんは、企業での投資教育にも注力。〝退職金積み立て〟をテーマに、投資の仕組みや運用先の選び方などを伝えます。
　「企業型DCを導入するある会社では、『よく分からないから』と元本確保型の定期預金を選択している社員が大半でした。どの運用先を選ぶかで、将来受け取る退職金に数千万円の差が生まれることもありますので、掛け金の最大化を図る方法があることを知ってほしいですね」

つみたてNISAやiDeCoをメインに、投資の仕組みから金融機関およびファンド選びまでレクチャー

　「投資は、デイトレーダーのように目先の値動きを追って利益を上げる短期戦を狙うとリスクが伴います。若いうちから始めて、平均的に収益を得ていきましょう」と池田さん。
　〝じぶん年金〟づくりに有用なつみたてNISAは、あらかじめ国の基準をクリアした投資信託の商品から選べるので、ビギナーでも始めやすいのが特長だと言います。

　「とはいえ、『投資で失敗したら怖い』という声は多いもの。当方のサービスが、銀行などの金融機関と大きく異なる点は、自社の商品を販売しないこと。中立的な立場で、一人一人の家計やニーズに合わせてご案内できるのが強みです」

　初心者には、投資の基本である〝長期・積み立て・分散〟の考え方から、口座開設やファンド選びまでレクチャーします。
　「投資が怖いというのは、仕組みを理解していないからです。10年、20年と長い期間をかけてコツコツと継続し、なおかつ投資先を分けることでリスクを抑えます。結果を左右するのは、良いファンドを選べるかどうか。つみたてNISAやiDeCoの対象となる投資信託の取り扱い本数が多く、手数料が割安なネット証券で始めることを提案しています」

　また、資金に余裕がある60代・70代の資産づくりの相談も少なくないとか。
　「ちょうど周囲に定年退職を迎える世代が多く、『退職金が入ったが、銀行に預けたままでいいの？』と聞かれることが増えています。超低金利時代に、まとまったお金をどう増やすかという視点でその方に合った運用法を考えます」

老後の資産づくりを支え、個人と企業、社会の〝三方よし〟を目指す

　池田さんは、会計事務所などでの勤務を経て、35歳のときに経営課題などについてコンサルティングする中小企業診断士として独立開業しました。地域経済を支える中小企業の役に立ちたいとの思いが強く、社会保険労務士と連携しながら、助成金の申請支援を中心に、200社を超える事業者のサポートを手掛けました。

　元来、お金に強く、会計事務所での経験も生かせると、CFPを取得。企業から投資教育の相談を受けたことを機に、企業年金の知識を深めました。
　「退職金を手厚くすることは、コストや手間の問題もあり、容易ではありません。実際、企業型DCを導入している中小企業は、新潟ではまだまだ少ないと聞きます。一方で、これからの時代にあわせて制度を整備することを、国も推奨しています。社員が感じている老後の不安を和らげていくことは、会社よし、社員よし、世間よしの〝三方よし〟につながると伝えたいですね」

　池田さんの投資講座を受けた社員からは、「確定拠出年金の運用先を何となく決めたけれど、見直すきっかけになった」「将来のために資産づくりに取り組みたい」など、前向きな声が寄せられているそう。

　「経営者であれ、従業員であれ、個々の意識を変えなければ、〝貯蓄から投資へ〟の実現には至らないと日々実感します。中立的なアドバイザーとして、経営者と働く人、それぞれに投資の正しい知識を伝えることで、みなさんの豊かな暮らしをかなえるお手伝いをしていきます」と意欲を語ります。

（取材年月：2023年7月）

退職金および〝じぶん年金〟による「資産づくり」に貢献します！

中小企業の退職金制度を受け取り額が増える仕組みに改善

つみたてNISAやiDeCoをメインに、投資の仕組みから金融機関およびファンド選びまでレクチャー

老後の資産づくりを支え、個人と企業、社会の〝三方よし〟を目指す

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